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芥川賞受賞作。
一作目「勤労感謝の日」は、働きづめに働いてきたキャリアウーマン・恭子が、上司を殴って首に。
翻訳の仕事で娘を養う母との暮らし。
36では就職も難しく、見合い話を持ち込まれて断り切れないが、これがまたイヤな相手で…
ずばずばとした語り口で、リアル。
表題作の二作目は、会社の同期の男女を越えた仲間意識というテーマ。
及川は東京の大学を出て住宅設備機器メーカーに就職、いきなり福岡へ赴任。
同じ立場の太っちゃんこと牧原太と、死んだら互いのパソコンの中を人に見られないように密かに破壊すると約束し合う。
それなりに秘密があるのね〜。
星形ドライバーを使ってHDDを破壊するのか…
変わったタイトルの響きとその意味がなかなか面白い。
2006年2月単行本発行。
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芥川賞受賞作品って帯に書いていたので興味本位で購入してみた。
やっぱり芥川賞って違うわ。
ふつーーの小説とはなんか違う。
これを言葉で書けたらコメントも苦労しないのに・・・。
読んでみたら、あぁなんとなく分かるわって、分かる人には分かる心地よい違和感を覚えるはず。
でもって、この本の装丁がいい!
夕方か朝方かは分からんけど、浜辺か海岸で撮影した写真がどことなくほっとさせてくれる。
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絲山 秋子は三浦しをんのようにものすごく自分にはまった、ということがない。
けれども、まだ読んでみたいと思わせる作家だ。
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『勤労感謝の日』、『沖で待つ』、『みなみのしまのぶんたろう』の3つの短編が収録されています。
どれもドライな小説ですが、何か芯が残るような読後感。
表題作『沖で待つ』は、配属先である福岡の街が描かれていて、年代で言えば私の知らない街なのですが、うっすら懐かしい思いすら感じます。
それから、『勤労感謝の日』と『沖で待つ』、巻末の解説はどこか似たような空気が流れているように思います。登場人物の行為は、必ずしもそうとは言えませんが、読者はこの2つの小説の中に確かにリアルを感じるでしょう。
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主人公の私と太っちゃんは同期入社。入社してすぐ一緒に福岡支社に配属になります。不安を抱えながらも、見知らぬ土地でガンバって働くうちに、ふたりの間に同期特有の連帯感が生まれ、深まっていきました。仕事を通して結ばれた男女の友情。。。。。(同期入社の場合、みっともないところまで知られている分、けっして恋愛感情は芽生えないのだそです)
ところが、ある日突然、太っちゃんが亡くなった。主人公は、ふたりの間で交わされた秘密の約束を果たすために、主のいなくなった部屋へ忍び込み・・・・・・。
かつて会社勤めをしていた絲山さんが、自らの体験をもとに書かれたそうです。新社会人のガンバリとアタフタぶりが、臨場感豊かに描かれてます。
?沖で待つ?という言葉が、この小説を読み終わった後、なんだかもう、胸にシミジミ沁みてくるのです。
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これで、芥川賞。
かつての恋人に、
これと同じ依頼を持ちかけられ、
互いに死んだ時にはそれをしようと
言い合ったことがあった。
こういう類の本を読むような男の人ではなかったし、
安請け合いで、何の気なしに引き受けていた、
昔の自分を思い出しながら、不思議な感慨に浸る。
こんなに壊すのが大変ならば、私は彼のハードディスクを
壊してあげることはきっと出来なかっただろうと今、実感している。
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芥川賞作品とは全く知らず・・
時代背景は1世代前だけど同じ働く人間として共感できる部分が多くて「そうだよな~」と呟いてた。
わたしが初めて入社したときは同期が100人いたけど、強い絆で結ばれた同期はいなかったので、ちょっとうらやましい。
他篇「勤労感謝の日」の方が簡潔でインパクト強し。
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<あらすじ>
仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。そんな同期の太っちゃんが死んだ。約束を果たすべく、私は彼の部屋にしのびこむ-。仕事を通して結ばれた男女の信頼と友情を描く ― 「沖で待つ」
37歳にして無職。職安に通う主人公。近所の人からお見合い話を勧められ、することになるが ― 「勤労感謝の日」
<感想>
「勤労感謝の日」と「沖で待つ」の2作を収録した、2006年芥川賞を獲った小説。
それだけで敷居が高く感じられ、読み始められなかったけど、数ページ読んだ瞬間から止まらず一気読み。読んでる途中から、すごい作家を見つけた!と思った。こんな感覚は山本文緒さんの小説に出会って以来。
なんと言っても私は絲山さんの文章がとても好きだ。言葉の転がし方が絶妙にうまい!言葉に出して読みたい日本語なんて本があったけど、私にとってこの小説は声に出して読みたいと思う程の絶妙なリズム感のある文章なのだ。その上、女だと言うことを受容しつつ、諦めつつ自立しているとこがいい。
「勤労感謝の日」の小説の中の一場面。
お見合い中に、相手の男が「負け犬論」をどう思うかと主人公の恭子に聞く。
「知ってますよ。あれで言うと私は立派な負け犬ってことになりますね。」
「そうじゃないんですよ、負け犬って自覚してればゆるされるんですよ」
なんでこんなカスに許してもらわなければいけないのか。(小説より)
この感じがたまらなく私にフットする。それはきっと、私が絲山氏と同期だからだろう。私が生きてきたバブル時代など書かれている背景がダブるから尚、おもしろいのだと思う。
今後が楽しみな作家である。
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12/11
「勤労感謝の日」の方がよかった。
表題作は、絲山の毒々しさがなくて、芥川賞なのにむしろ一般受けしそう。
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いいなあ、こういう話。表題作も「勤労感謝の日」もすごく好きな話です。恋愛小説とかドラマとかで、職場恋愛でウジウジやっているのを見ると、「仕事しろよ!」って言いたくなるんだけど、そういう違和感が全然無い。男も女も必死に働いていて、みっともなくて、滑稽で、でもかっこいい。主人公の女性はオトコマエで破天荒。私の妹と同世代。高度成長前の日本も知らず、バブルの恩恵をもろに受けて、楽しいことばかりの世代だと思っていたけど、男女雇用機会均等法施行直後って、見た目の華やかさとは別に、大変だったんですね。笑って、ほろっとしました。自分の経験をこういう形で小説に生かせてしまう作者がすごいです。
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表題の芥川受賞作品のほか2話
働く人の悲しみ、喜び、孤独と連帯感が描かれており、
働いていた頃を思い出した
同期でもこんなに深い絆で結ばれた人間関係が築けるなら、辛い仕事も働き甲斐があるというもの
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ブックオフで100円で購入。
数年前の芥川賞作品。
評判がいい作家さんのようなので、期待して読む。
とても読みやすい!
けど、好きじゃなかった。
残念。
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表題の沖で待つは、なんとも不気味に思えて仕方なかった。男女の友情なんて、実際あればの話だけど物語や言葉にして表そうとすること自体野暮すぎでしょと思ってたんだけど、これ読んで一個だけ思った、ひとつたとえられるとしたら、波のようなものだなって。ちゃぷんちゃぷん、って音たてるやつ。以上。
超短編だけど、異様なオーラ放ってるねぇ。
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「勤労感謝の日」
就活中の三十路女性のある日。
話の流れは淡々としていて、特に何か残るわけではないが、
最後の飲み屋のシーンがよかった。
「沖で待つ」
これも淡々と静かな話。
恋人でも友達でもない、"同期"という関係。
ある大卒女性の中の"女性総合職"という一面で
数年間の生活を見たのかな。
新しい視点があったから芥川賞を取れたのだろうか。
特別な感慨が残らなかったので受賞理由が書かれた
選評を読みたくなった。
「みなみのしまのぶんじろう」
絵本調で書かれているが、主人公が
石原慎太郎はパロディであることは明白。
絵本にしては長いけど、絵本らしい終わり方。
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淡々と綴られているのに読後には大きな感動が待っている。そんなお話でした。
かなり読みやすく、長さも短いので、手にとってみると物足りないのかなという感じがしましたが、そんなことはなかったと思いました。
社会人の女性と男性が友情でも恋愛でもない不思議な絆でつながっているというお話です。