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いわゆる「非実在青少年」で話題になった東京都青少年健全育成条例にまつわる解説。この、「〇〇はなぜ△△なのか」というタイトルの付け方は最近の流行に沿ったのかもしれないが、その質問の答えが示されているわけではない。むしろ副題にあるように、「マンガはいかに規制されてきたか」と言うべき内容だ。
著者は規制反対の立場であるため完全に公正中立な内容とは言えないが、事実の提示と著者の意見は一応区別できる記述にはなっている。従って、この問題について考察するための資料として使える本だと思われる。
条例の内容や推進派の主張について思うところは多々あるがここには書かない。彼らが規制によって具体的に何を実現しようとしているのかが不明なので、できればそれを述べた本でも読んでみたいところだが、そういう本は見当たらない。多分、漠然とした嫌悪感以上の理由はないのだろう。
本書の初版発行からちょうど1ヶ月後に都議会は条例改正を可決した。施行は今年7月からだが、石原都知事の人気はその前に切れ、選挙が実施される。石原氏が出馬するかどうか現時点では不明。やれやれだぜ。