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イブニング本誌立ち読みプラス前作「アルキヘンロズカン」が面白かったので購入。敗れ逃げることの辛さと苦しさ、逃げたあとにするべきことをしっかり伝えている良い作品でした。
敗走の果てに。今作品の主人公シカイズは30代後半人生の分岐点をとうに通り過ぎもはや生き延びることに精一杯の男です。だからこそ、この作品のテーマである敗走がより際立って見えます。逃げることへの恐怖や逃げた後の他人の目が気になってしまうほどの後悔。そうした持てるであろう負け組マインドを作品に反映して描いてたいのが心にズシリときました。それでも、敗れ走り去る道中で出会った人や体験、思いは生き延びたあとに繋ぐことの大切さも描いていたのも良かった。
自分は正直まだ敗走中の人生と思っていますが、この先いま感じていることが役に立てばいいなと虫の良いことを思えるぐらいには救われました。一応1巻表記になっているので次も敗走をテーマに描くのかな。十人十色といいますから人の数ほどある敗走をこれからも描いて欲しいです。
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内容は帯に書かれた通り,「関ヶ原からの島津の敗走路をたどる」話。
あまり有名でない作者(自分も本作で初めて知った)が吐露する悩みや鬱屈にかなり共感できる。ネガティブな表現は控えた方がいいのではと思うが,それゆえに本心でありリアルなのだと感じられる。道中で会う人々の言葉も光る。今後おそらく何度も読み返すであろう良作。
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敗走記読んでいたらこんな時間に…。中盤からグイグイ面白くなっていったなぁ。カラスヤサトシの芸風にも通じる、中年漫画家の悲哀が当時の敗走と重なっていくのが面白い。
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なんというか…共感が半端ない。それもこれも、作者の方が勉強と言う下積みをしっかりしてきたからでしょう。
そして、ひじょーにずるい(いい意味で)演出がうまい!!!2読目で気づいて、泣きそうになったり。
島津についても、エッセーとしても、良作です。