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紙の本
科学では解明できない人間の苦しみを和らげるために。
2010/11/03 00:54
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あれほどメディアに登場していた江原啓之さんの姿を目にしなくなったが、悩める人々はどこに悩み相談に向かっているのだろうかと思っていたら、ちゃんと、こういう沖縄のユタが横浜にいて、人々の悩みに応えていた。そのユタである「はるさん」の半生と相談の事例が盛り込まれた一冊だが、本質的に江原さんが辿ったのと同じ道を歩んでいることに気づかされる。
本書の中でおもしろかったのは、「はるさん」が喫茶店を開いている時のお弁当ランチ。ランチをお弁当箱に詰めて、きちんとナプキンで包んでお客に出すという趣向がおもしろかった。お弁当の楽しみは、「さて、何が入っているのかな」と蓋を開ける瞬間にあるが、その楽しみをお店でやったことに感心する。お客さんのリクエストをキャッチした「はるさん」は流石である。
現代、物質的に恵まれた環境にある日本で毎年3万人もの人々が自殺している。人間関係や目標を喪った絶望感からだが、その昔、「はるさん」のように他人の悩みを聞いてくれる人は周辺に多くいたような気がする。それが今の時代に無いという事は、それだけ人間関係が希薄になってきているということになる。
合理化、効率化、成果と出来うる限りの対策を講じても限りを知らない人間界で生きることに疲れた日本人だが、世界の流れから見ると十二分すぎる合理化、効率化、成果を出していると思う。それでも、と求められて苦しんだ人は、この本を手にすることで気持ちが軽くなるのではないだろうか。
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