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扮装続くパキスタン、女子の教育向上を訴え、タリバンに狙撃されつつ一命をとりとめ、ノーベル平和賞を受賞した十代の少女の手記。現代版アンネの日記といったところ。
日本人からすれば教育水準が低いと思われがちな途上国。
女子は就ける職が限られている。それでも、こんなにしっかりした女の子がいるとは。父親は学校の校長だが、個人経営の学校。家は貧しく、けっしてエリート階級ではない。
にもかかわらず、十代で国の政治や歴史について的確に述べている。ジャーナリストが加筆しているとはいいつつ。
ソ連のアフガニスタン侵攻で武装勢力タリバンと化したイスラム教徒。その隣国パキスタンでは、インドから独立するも、冷戦時代の煽りで、軍事政権はアメリカと急接近。同じ民族、同じ教徒でありながら、政府軍と武装勢力との内戦によって、日常が脅かされる。向学心にあふれた少女は、活動家の父にならって、海外メディアを通じ平和を訴えるが、その勇気ある訴えが近所から誤解されたり、学友たちの妬みを買うことも。
やがて、マララを含む三人の少女が狙撃されて負傷。重体だったマララは奇跡的に一命をとりとめるが、決して健康体とは言えない。
受賞や輝かしい賛美が欲しいわけではない、彼女が願ったのは、女性蔑視の古い慣習の打破のための教育の普及。
同時期に戦時中の日本を描いたものを読んだので、どこの国でも為政者のなすことは同じなのだと実感した。戦争は人を盲目にさせる。
夏休みの指定課題図書なので、多くの子どもたちに読んでほしい。
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この話は物語などではなく、今も世界のどこかで起こっている出来事ということに衝撃を受けました。生まれたときから、教育を受ける事が当たり前で、女の人でも意見できる平和な環境で育った私たちには想像もできない環境で育ったマララ。そのような環境にも負けずに人には教育を受ける権利があると声をあげつづけているマララ。世の中はこんなにも進歩し続けているのに、なぜ人々は争いを止め世界を平和にすることができないのか。国連のスピーチを見たときは衝撃を受けましたが、マララはいい意味で普通の女の子。人一倍勇気のある女の子です。
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この本は、マララさんの生まれてからこれまでを追うものですが、パキスタン、とくにスワート地方の歴史や風土や文化や宗教といった、背景を濃く知ることも重視しています。そうでなかったら、マララさんの境遇や訴えなどが薄っぺらくなってしまう。また、外国の伝記作品ではけっこうそうなのですが、本書でも、マララさんその人の父や祖父など、代を遡った記述にも多くページを割いています。
「“タリバンに撃たれた少女”だとは思われたくない。“教育のために戦った少女”だと思われたい。そのために、わたしは人生を捧げるつもりだ」
ぼくはこの本で、あらためて自分の世界の狭さを知った。日本の中という狭い世界。マララさんには共感するし、彼女の考えや主張を支持する思いです。
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パキスタンで女の子が教育を受けられるように活動する少女のお話。タリバン政権にターゲットにされ、銃弾を受けるも多くの支援者からの愛で一命を取り留めた少女。
パキスタンやアフガニスタンで起きている現実、貧困や教育の実情、紛争の現状が1人の少女から見た視点で書かれている。
日本にいると麻痺する当たり前の幸せ。
でも世界の現実はそうではないこと。
子供たちが紛争に巻き込まれ、貧困のための労働力とされ、教育を満足に受けられないケースもある。マララたちのように、女ってだけで学校に行けないケースもある。
偏見や不平等がはびこる社会。
せめて、どんな子供でも安心して学校に通える社会を作りたい。
武力ではなく、知力や思いやりで支え合う社会になったらいいな。
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現代のアンネフランクを作りたいのだろう。
価値観が西欧的、啓蒙的すぎて、国内で理解されるのが難しいのはわかる気がする。
そして、西欧的、啓蒙的すぎて、ヨーロッパにはとても親和性があるところも難しい問題だ。
ここまでくるとパキスタンの価値観の外部だから、もう彼女の声は外部の敵の手先の声として聞こえてしまうのかもしれない。外部になったら、ただの宣伝マシーンになってしまう。難しい。
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同じ地球に、これだけ違う文化、生き方のある国があるとか
、もはやファンタジーの世界。日本に生まれた幸運を感じずにはいられない。
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15歳。日本では中学3年生から高校1年生くらい。学校へ行くのが
当たり前の日本だけれど、世界にはそうではない地域もある。
路上生活をする子供たち。家計の足しにする為に働かなくては
ならない子供たち。貧困層ばかりではない。
学校もある。勉強も出来る環境もある。それなのに、女性に生まれ
て来たというだけで、教育は不要と言われる子供たちがいる。
その時、彼女は15歳だった。2012年10月9日。学校から帰宅する
スクールバスに顔を隠した男が乗り込んで来た。
「どの子がマララだ?」
男が持ったいた銃は、彼女に向けられた。一瞬の出来事。マララ・
ユスフザイは重傷を負い、後にイギリスの病院で治療を受ける
ことになる。
世界中がこの銃撃事件に注目した。彼女はこの銃撃事件が起きる
前も闘っていた。そう、彼女から、彼女の仲間たちから教育を取り
上げようとして来たイスラム原理主義者たちと。
本書はマララが銃撃され、イギリスでの生活を余儀なくされるまでの
手記だ。共著者の筆がどれだけ入っているのかは不明だが、銃撃
以前のマララの活動や、リベラルな父の影響を受けてすべての子供
たちに教育の機会をとの活動に取り組んで来た軌跡が描かれている。
日本では銃撃事件以降のことしか報道されないが、それ以前にも
彼女はいろんな活動をしていたし、父共々、何度も脅迫を受けて
いたんだな。
性別が違う、宗教が違う。そんな理由で教育を受ける機会を取り上げ
られる理不尽な世界。日本では当然の権利だけれど、そうではない
地域も数多く存在する。
先日、テレビの情報番組を見ていたら日本の小中高校で不登校の
児童・生徒が増えているという。そのなかで高校での不登校の理由
で多かったのが「無気力」だった。
学べる機会が与えられているのに、それを自ら放棄しようとすること
は、マララたちの世界からは贅沢以外の何物でもないだろうな。
学校、辞めたいな…なんて考えている子供たちがいるのなら、是非
とも本書を読んで考えてみて欲しい。勉強を続ける為に、闘い続け
命の危険に晒されている少女たちがいることを。
それにして不思議なのはパキスタンという国。この国のお偉いさん
たちは、本気でマララ襲撃犯を捕まえる気があるんだろうか。
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伝記、一般向け。
女の子の誕生を喜ばないパキスタンで、主人公マララは父親の祝福を受けて生まれた。
マララが生まれたのはウッディヤーナ(庭園)と呼ばれていた美しく豊かなスワート渓谷、元々はパキスタンから独立した自治体、藩王国であった。
マララの父は女の子でも教育が受けられるようにするために自分で学校を作り、様々な活動を行っていた。マララはその学校で教育を受け、自分もラジオやテレビで発言をするようになる。タリバンが台頭する前からその活動は始まっていて、タリバンは一掃されたと言われたあと、マララはスクールバスの中で銃撃を受けた。
その後アメリカ、パキスタン、アラブ首長国連邦の支援を受け、イギリスの病院で一命を取り留める。
顔面神経の手術を受け、人工内耳を付けて、マララは第2の人生を歩み始めた。2013年、16才の誕生日のあと、マララは国連本部でスピーチをすることになった。
”本とペンをもって戦いましょう。それこそが、わたしたちのもっとも強力な武器なのです。ひとりの子ども、ひとりの教師、一冊の本、そして一本のペンが、世界を変えるのです。”
タリバンに撃たれた少女の話と思って読み始めたが、一人の少女の歴史だけでなく、スワート渓谷でのパシュトゥン人の歴史について書かれたものだった。島国でない地域の歴史は複雑で入り組んでおり、遠い昔の出来事では片付けられないほど現在に影響している。
歴史部分の記述が多く、ジュニアでもかなりの意思がないと読み通すのは難しいかと思った。
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2019/1/2 詳細は、こちらをご覧ください。
『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1220.html
「1人の子ども、1人の先生、1冊の本、1本のペンが世界を変えることができます。」
2014年のノーベル平和賞の受賞者
パキスタンのマララ・ユスフザイさん(17)の言葉です。
→ マララ・ユサフザイ - Wikipedia
2012年タリバンによって銃撃を受け、奇跡的に命を取り留めたことで 一躍注目されるようになったマララさん。
その生き方や考え方、どうしてそんなに勇気があるのか、それを知りたくてこの本を読みました。
これまで、遠いところとしてあまり実感がわかなかった パキスタンやアフガニスタン。
マララさんは、故郷のスワートの自然や 平和だった頃の暮らしをとても大切にしているのが、この本でひしひしと伝わってきます。
でも、そこに生まれたということだけで、日本人の私達には想像もできない厳しい暮らしを強いられています。
女性(女の子)を軽く見る社会の状況にも 驚くばかりです。
その中で、女子の学校を経営し、娘を一人の人間として小さい時から育ててきたのがマララのお父さんです。
→ TED日本語 - ジアウディン・ユスフザイ: 私の娘、マララ
この本を読んで始めて パキスタンの近代・現代史が少しわかりました。
マララさんは、自分たちの民族の欠点、今の状況を冷静に把握し、信念を持って活動しているんですね。
まだ若い16歳ですが、考え行動してきた質と量は膨大。
今後の活躍に 注目です。
→ マララ基金 Malala Fund
★ → 16歳 不屈の少女 〜マララ・ユスフザイさん〜 2014年1月8日(水)放送 (放送した内容すべてテキストで読めます)
→ 「私は一人の女の子」マララさんの思い | Rotary
→ 学校に通いたい 〜マララ銃撃事件後のパキスタン〜 BS世界のドキュメンタリー 2014年1月13日
→ BS1スペシャル『不屈の少女マララ〜世界を動かす16歳の勇気〜』2014年1月29日
パキスタン北西部のスワート峡谷を中心とする地方 → パキスタン ミンゴラ 地図
→ スワート渓谷|パキスタンみどころ(観光)MAP|西遊旅行
→ KP- スワートと周辺 : パキスタン旅行写真アルバム
2014/10/11 予約 11/8 借りる。 11/24 読み始める。 読み終わる。
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アフガニスタンのパシュトゥン人のジャンヌ・ダルクにマラライがいて、それにちなんだ名前。話の流れがうまいなと思ったら、ジャーナリストが共著だった。
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タリバンという名前はよく知っているし、ニュースや本でもよく聞いていました。
9・11以降のイスラム圏とそれ以外の国での軋轢で、市井の人々が多く被害にあって、安全な生活が出来ていないであろうことは薄っすら感じていました。
そんな中、タリバンに占拠された村で、女性への教育の大切さを訴え続けた少女が、スクールバスに乗り込んできたタリバンの兵士に頭を撃たれます。
彼女マララは一命を取り留めますが、故郷の村へは帰ることが出来ず、亡命したイギリスで暮らしています。2014年にノーベル平和賞を受賞しました。
イスラム諸国の情勢については複雑すぎていくら本を読んでも理解できません。ただ、原理的なイスラム教の中で、女性の権利が著しく損なわれている事は世界中の人が知っています。
そして、彼女は政治的発言により11歳で命を狙われるという、日本では考えられない大人げない話です。
女性が教育を受けることで地獄に落ちる、というチョット何を言っているのか分からないサンドイッチマンのコントのような状態ですが、これを多くの人が真剣に言っているのですから本当に驚きます。
教育というのは国の柱です。子供のころは何でこんなこと習わなければいけないのかと疑問でしたが、知らないという事は、それから先に進めないという事です。選択しを増やし目次を多く作る事によって、色々な知識にアクセスすることが出来る。過去の巨大な知の中から既に通過して解決済みの問題をスルーして、そこから最短ルートを辿ることが出来る。過去に有った過ちから学び、より良い世界を構築することが出来る(実際は出来ていないが)。
日本でも過去女性の参政権が無かったり、教育を受ける必要はないという風潮が有ったりした時代が有りました。もう遠い昔でその頃生きていた人がいない位昔ですが、今まさにそういう時代を生きている女性が無数にいるという事が信じられません。
日本は欧米諸国からのインプットが有った事と、宗教的な縛りが非常に少ない為にスムーズに移行することが出来たのでしょうが、そもそも人間の生き方の規範を宗教で縛られている事で、システムを変えることが難しいのは分かる気がします。
この本を読むとイスラム教がとても野蛮な宗教に感じられますが、「となりのイスラム」などと読むと非常に平和な宗教で、戦争によって教義を捻じ曲げられているだけだと分かります。悪いことをすると地獄に落ちるという事を非常に恐れているので、そもそも人に悪い行いをすることがあり得ないのですが、聖戦、聖戦士のような魅力的な物言いで、悪い人間を殺すことで、天国への道が拓かれるように錯覚させているのが本当の所だと思います。
マララさんはあまりにもビッグネームになり過ぎ、アンチも沢山いる事でしょう。政治家のイメージアップに利用されることも考えられますが、まずこのような年若い少女が声を上げなければならない状況で、勇気を持って声を上げた彼女の事は絶対に認められなければならないと思います。
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●国連本部でのスピーチ
「ペンは剣よりも強」と言う諺があります。まさにその通りです。過激派は、本とペンを恐れていました。そして今もされています。教育の力が怖いのです。彼らはまた女性を恐れています。女性の声が持つ力が怖いのです。だから彼らは人を殺すのです。昔も今も、彼らは変化を恐れているのです。私たちの活動によって、平等な社会が生まれたら困ると思っているのです。
世界中の姉妹の皆さんにお願いします。勇気を持ってください。そんな力がないなんて思わないで。自分には無限の可能性があると言うことに、どうか気づいてください。
言葉には力があります。私たちの言葉で世界を変えることができます。皆が団結して教育を求めれば、世界は変えられます。でもそのためには、強くならなければなりません。知識と言う武器を持ちましょう。連帯と絆と言う盾を持ちましょう。
教育こそ、唯一の解決策です。まず、教育を。
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パキスタンのマザー・テレサ。舞台は、ヒラリーの『困難な選択』、ミシェルの『マイ・ストーリー』とリンクする。オバマ政権においてパキスタンは犯罪国家のように捉えられていたけれど、パキスタンから見れば米国は敵性国。立ち位置を変えれば異なる風景が見えてくる。本には世界が凝縮されている。頭を撃たれた瞬間の感覚の描写が印象的。タリバンが彼女を撃ったことは、結果的に彼女のメッセージを世界に広めることになった。イスラムの世界においても女性も教育を受ける権利がある。世界には未だ小学校にも行けない子供が何千万人といる。学校に通う権利を奪われる子供が世界中に一人もいなくなるように。教育こそが平和な世界の礎となる。読後に裏表紙のマララと父のツーショットを見てじんときた
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☆生まれつき関節が柔らかい。ての指を後ろに曲げて口につけることもできるし、歩きながら足首の関節を鳴らすこともできる。周りの大人たちはぎょっとする。
☆私が生まれた日、村の人々は母を哀れんだ。私が生まれたのは、ちょうど夜明け前、最後の星の瞬きが消えた時だった。私たち場所と言う人は、このことを神の印と考える。ここは、男の子が生まれたら、祝砲、女の子が生まれたら、カーテンの後ろに隠す国だ。女の子の役割は、食事を作って子供を産むことだけ。
☆サフィーナの家でアクセサリーを盗む
☆ 10歳の時、タリバンがスワットにやってきた。指導者、ファズルラーがラジオ放送を始めた。毎晩8時から10時、翌朝の7時から9時にその再放送がある。最初の頃の放送は、人々に良い習慣を流し、悪い習慣を止めさせようと言うものだった。しかし音楽を聴くな、映画を見るな、ダンスをするなと言い出したそういう罪深いことをしているから地震が起こったのだ、それをやめないと再び神の怒りを招くと言う。DVDのお店もなくなった。誰々さんはCDを燃やしたとかYさんがこのところひげを伸ばしているので祝福してあげましたとかXさん自ら進んでCDのお店を閉めましたとかそのようなことをいました。誰々さんは学校に行くのをやめたのでいつか天国に行けるでしょうとか。
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日常が恐怖に変わる様子がリアルに書かれていてぞっとした。タリバンは最初人々に受け入れられていたことは知らなかったし、民衆を支配するやり方がナチスに似ていると思った。どの国にも起こりうることだと思う。イスラム教のことやパキスタンのことをよく知れて、以前よりこの国に親近感を感じられるようになった。