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小林泰三のホラー短篇集。
『異形コレクション』に掲載されたものが3本、その他が2本、そして書き下ろしが2本収録されている。
書き下ろし2本はどちらも小林泰三らしいグロテスクホラーだったが、『密やかな趣味』の方がオーソドックスなネタながらより楽しめた。
グロ度だけ見ると表題作の方が上で、これが一番『らしい』短篇。小林泰三はミステリもSFも面白いが、やはりこの路線が好きだ。
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短編七つを収めた一冊なのでそれぞれの感想を述べようと思いましたが、いかんせん文章力がないのでタイトルの作品のみの感想だけ記述します。
泰三節の出てる短編作品の中ではベスト3に入る好きな話。
テーマが『融合』ということと、小林泰三さんという事でファンの方々なら直感的にどういう流れになるのかはワクワクという気持ちと共にわかると思います。未読の方はドキドキしながら世界に浸ってください。
さて融合。セックスや心の繋がりという面以外での(むしろそれを含む)融けて一つに合わさる行為、ある種、究極とも言える。
世間一般でいう普通という単語を使うなら、それは子を産む事に同意する。ただ、この作中では子はいない。普通に擬える為に、妻は融合を欲したのだろう。
これ以上書くとネタバレしそうなのでこの辺で。
他6点の作品も面白いので、是非。
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かなりグロい。
特に密かな趣味なんて、想像をしながら読むと、かなりヤバイ。
でも、グロい方が楽しめるからいいか。
初読みの作家さん。
アリス殺しなんかも読んでみたいわ。
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シュールなホラーの短編集。
お気に入りは「密やかな趣味」。一見ストーリーのオチが分かりやすく思えたのですが。ラストの一行でまんまとひっくり返されてしまって愕然。ええ? それってつまり……!? しかしどちらにしてもこれは怖いぞ。
「兆」もいいなあ。不吉な雰囲気漂いっぱなしの作品。ぞくぞくしました。
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なんだこれ?おおミステリーか、いやグロい、ひゃーどんでん返し!と一冊でいっぱいおいしい小林泰三らしい1冊。
**ネタバレ**
・ショグゴス
わけわかんない生命体と人類との戦い。わけわかんないのにこわいのは敵と味方が曖昧だからか。クトゥルー神話は知らないので知ってたらもっと楽しめるのかも。
・首なし
だって好きになってしまったのだから仕方ないのです。あのひとじゃなきゃ嫌。だから私を守ってくれたこのひとはあのひとに違いない。狂気に満ち溢れていて悲しいのに美しい。何をそこまで好きになってしまったんだろう。
・兆
SFチックで好きじゃなかったけど壊れていく感じ、表と裏の使い分けは好き。
・朱雀の池
良かれと思ってしたことが上手くいかないのは後味が悪くて、もうほんとに、ああ。虚しさと不快感が素晴らしい。
・密やかな趣味
オチは読めたけれど(読めていたから?)残酷な描写が痛くて痛くてこわかった。普通のひとがやりかねない、一歩踏み込んだだけの裏側だって思うと一層恐ろしい。いちばんグロいから好みは分かれそう。流し読みで勘弁してください。
・試作品三号
かっこいー。バトルものっぽくてアニメにできそう。密やかな趣味で強張った心がほぐれていった。圧倒的な強さの前には何もできない。何故か妖怪ウォッチのキャラが浮かんでしまい微笑ましくなった。
・百舌鳥魔先生のアトリエ
生きているってなんなんだろう。私たちはなんで生物なんだろう。そういったことを訴えかけてくる君の悪さがあった。綺麗にまとめたな、って感じで気に入りました。
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グロとSFとホラー、堪能させていただきました。
「ショグゴス」のSF要素多めは大好き。
「試作品三号」はいかにもヤスミンなオチ。
「兆」は怖かった。ぶるぶる。
ひとつだけ、よくわからなかった。
他三編はわかりやすいグロ展開で満足。極彩色。機械的臓物。
でもこれ夜中に読んでしまったので、今夜は絶対悪夢だな。褒め言葉です。
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■ ショグゴス (★★☆☆☆)
ブラックジョーク強めの SF 作品。いかにも小林泰三っぽいストーリー。裏を返すと、あまり印象には残らなかった。
■ 首なし (★★★★☆)
小林泰三というと現代から近未来のイメージがあるのだけど、本作のように舞台設定が近代 (明治?) なのもなかなか良いじゃないですか。
オチは分かりやすいものの、首なしのイメージが強烈で楽しめた。
■ 兆 (★★★★★)
「ゆがんだ闇」で何度も読んでいる本作。個人的に「本」と並ぶ小林泰三の最高傑作の一つで、やはり抜群に面白いです、はい。
ちなみになえ子が兆と対峙した本当の日は 8/4 ということで良いのですかねえ。
■ 朱雀の池 (★★★☆☆)
「京都に原爆が落とされなかったのは、その文化的価値がアメリカに認められていたからだ」というデタラメな俗説を小林泰三流に切り捨てた、これまたブラックジョークの強い作品。
作中にもある通り、「胡蝶の夢」も題材になっている。このおかげで、これまでの小林泰三作品とはまた違う、何とも不思議な感覚を覚えた。
■ 密やかな趣味 (★★★☆☆)
最初のページに注意書きを載せても良いくらい、猟奇的な描写が激しい要注意作。ほぼすべての小林泰三作品を読んできたが、本作は読むのが相当しんどかった。
流し読みをおすすめするが、最後の一行を読むのをお忘れなく。
過去作の「吸血鬼狩り」と同じく文章だけからはどちらでも解釈可能になっているが、恐らく「吸血鬼狩り」と逆のパターンだろうということで、読後感は結構和らいだ。
■ 試作品三号 (★★☆☆☆)
ハード SF テイストの怪獣 (というか妖怪) 作品、ということで「ΑΩ」に近いか。個人的にはこのノリにいまいちついていけない。
■ 百舌鳥魔先生のアトリエ (★★☆☆☆)
表題作だけど、うーん、劣化版「玩具修理者」という印象しか受けなかった。
■ 総評 (★★★★☆)
良く言えば原点回帰、悪く言えばネタ切れ感を多少感じた。
しかし、近年の小林泰三作品の中では歩留まりの良い良作だと思う。
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ーーー「あなた、百舌鳥魔先生は本当に凄いのよ!」妻が始めた習い事は、前例のない芸術らしい。言葉では説明できないので、とにかく見てほしいという。…(表題作)。他に初期の名作と名高い「兆」も収録。生と死の境界をグロテスクに描き出す極彩色の7編!
小林泰三のホラー短篇集
読み進めていくと、いつの間にか今までの理屈が通じない"関節の外れた世界"に迷い込んでしまうこの感覚はやはり秀逸。
収録されている七篇の中では『兆』と『密やかな趣味』が良かった。
どちらも寒気が背筋を走る瞬間があって素晴らしい。
もう血の色は消えかけていた。
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やっぱりホラー読む人間としてはクトゥルフは嗜んでおくべきだよなあ。そしてこんなグログロ書いているのに『海を見る人』みたいな透き通った青が見えるSFも書けるのだから小林先生凄い。
なのに表題の短編読みながら飯を喰っていた自分の感性のなさにがっかりする。
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久方ぶりのスプラッターぶりに、泰三らしさを感じてなぜか安心。目を背けたくなるような描写をしてくるよ、ホント。特に「密やかな趣味」はエグイ。もう読んでいられない。でも最後の肩透かしにはちょいと感心。
オチのわかりやすい作品が多かった本書。正直、「朱雀の池」や「試作品三号」には失礼ながらやっつけ感すら感じてしまった。そんな中でのお気に入りは、やはり表題作。おぞましくて不愉快な物語は、印象に残るのに十分すぎるほど。うん、さすが小林泰三。
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小林泰三の短篇集。傑作と名高い「兆」が目当てだったけど、他にもホラーかつSFチックな面白い短篇ばかりで楽しめた。お得意のクトゥルフ神話ネタとグロ描写は、今回も冴え渡っていた。
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長らく絶版になっていた小林泰三の初期作品を含む傑作短編5編を再録、新たに2編の描き下ろしを加えたグロテスクホラー短編集は初球からいきなりストレート。
南極での戦闘、地底に眠っていた生物、海百合っと読めば、≪その方面≫のファンならば、もうニヤリが止まらない第1話「ショグゴス」
ファンサービスを兼ねた江戸川乱歩真っ青のエログロ描き下ろし短編の第2話「首なし」
初期の短編で傑作の誉れ高い正統派ホラーの第3話「兆 KIZASI」
大戦末期、京都が爆撃されなかった真の理由と、古都の守りを汚した事で祟りが現実になってしまった第4話「朱雀の池」
小林ファンの為にあるエログロ&ブラックの極致!描き下ろし第5話「秘めやかな趣味」
SFゴシックホラーの傑作。第6話「試作品三号」
究極のスプラッターとグロテスクな描写で生理的な嫌悪感を抱かせ読者の感情を激しく揺さぶる表題作の第7話「百舌鳥魔先生のアトリエ」
の収録は小林泰三ファンにとっては感涙もの。
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ああ、気持ちが悪い!読んでいて吐き気を催しました(小林泰三に対する最大級の賛辞)
特に「首なし」がお気に入りです。頭部のほとんどを失った男がそのままの状態で生きながらえているという怪奇小説。まるで見世物小屋の出し物みたいだなと思っていたら本当に見世物小屋の出し物にし始めたので笑った。
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2015年、30冊目は小林泰三。
今年に入って、『忌憶』『目を擦る女』と読んだが、イマイチ当たってない印象。果たして今回は……?
短編七編収録。今回はランダムに(というか、『兆』は既読なので、最後にとおもったため)よみました。では、極々簡単に内容を……。
「ショグゴス」共生と従属関係の話。ユーモラスな面もある、SF系。
「首なし」近世日本が舞台の猟奇的ヤンデレ話。
「兆」いかにも、小林泰三らしい作品。『ゆがんだ闇』以来、約1年ぶりに読んだが、やはり好き。
「朱雀の池」ドッペルゲンガー(?)な歴史曲解(?)モノ。
「密やかな趣味」ブラックな、だからこそ超絶極まりないスプラッター。
「試作品三号」SF妖怪譚。エヴァのフレーバーも少々。
「百舌鳥魔先生のアトリエ」グロ系小林泰三全開。気味悪くも引き込まれた。
個人的好みとしては、「兆」「百舌鳥魔先生~」「密やかな趣味」「首なし」の順かな。残り三編は横一線。ソレでも★★★★☆評価
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「密やかな趣味」と「百舌鳥魔先生のアトリエ」は、いつもの?小林さんらしいグロっぽさで良かった。
特に「密やかな~」は、完全にオチが分かりつつも、グロいのが書きたいだけなんじゃないかという、流れの不条理感が何とも言えなかった…