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タイトルに惹かれて手に取ったのですが、表題作より併録の「亜美ちゃんは美人」の方が読みごたえがありました。
(「かわいそうだね?」は少し背伸びをしているように感じられたかも)
少し引っ掛かったのがp221の長野さんの反応。
その後触れられることは無かったけれど、てっきり亜美ちゃんと…などと考えた私は無粋だったのでしょうか。
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綿谷さんの最近の恋愛小説って、アラサーの恋愛をとてもリアルに描いてて、痛いくらいというか読んでいて実際痛い。
壊すことに対する恐怖って、歳とともにやっぱりどんどん大きくなってく。
それは、男も一緒なのかな
「かわいそう」という言葉の独特な違和感。
そこに含まれる、偽善感や優越感と、純粋な優しさと、
そういった言葉の違和感をとらえるのがうまいんだな。
不倫小説とか書いてほしいかも。もう書いてるのかな
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いやぁ~面白かった!
今年初めての小説で
ひさびさに一気読みしたなぁ~(笑)
変幻自在の表現力で
キャラクターに命を吹き込む綿矢マジックは健在!
奇妙な三角関係に揺れる1人の女性の苦悩を
(妄想と言ってもいいのかな)
ここまで面白く、最後まで読ませる技量はさすがという他ないですね(笑)
(隠れた邦画の傑作「さんかく」のブラックさを楽しめた人なら、必ずハマります笑)
女性に質問します。
もし、あなたの彼氏が
元カノが家がなく困っているので
その元カノを仕事が決まるまで
自分の家に住まわすと言ったら
どうしますか?
ゴキブリが出ても地震が起こっても、
悲鳴をあげてはいけない
「シッカリ者」という役割を宛てられた主人公の女性、樹理恵(じゅりえ)は、
アメリカ帰りで「ヒーロー肌」の彼氏、隆大(りゅうだい)の不可解な行動に仕事も手につかなくなり、
次第に心惑わされていきます。
樹理恵の恋敵で、隆大の家に居候するアキヨという元カノの
だらしなくて頼りなさげなのに
ズブとさ満開な(笑)KYキャラがまた、
読む者をイラっとさせると同時に
どこか不気味で不安感を煽ってくれる強烈なモンスターぷり。
そして「もし大地震に巻き込まれたら…」に始まり、
「北欧風のお洒落なカフェで
もしパフェのカロリーをアルバイトのウェイターに尋ねたなら…」
など、主人公・樹理恵の
妄想特急が暴走するシーンの痛々しさと可笑しさよ(笑)
自分も含めて普段から妄想家の人たちならニンマリしつつも
自分の姿をダブらせてドキッとしちゃうことでしょう(笑)
自分の正義を貫くため
彼女に無理難題を言う意味不明な男と
男と別れたくないがために
心を殺し、なんとかプライドを保とうとする女。
憐れで愚かしいそんな二人の攻防は
男の思考VS女の思考と見ることもできて、
男女どちらが読んでも
興味深いんじゃないかな。
それにしても
決して口には出さず樹理恵の脳内でだけ繰り広げられる
心の声の切実さと、
的を得た言葉のその切れ味の鋭さには
ホント脱帽です(笑)
時に笑い、時に震撼し、
思いっきり共感してしまったし(汗)(°∇°;)
(特に携帯メールを盗み見るシーンのリアルさと
痛快無比な怒涛のラストバトルと
後半、樹理恵が放つ含蓄深い名言の数々は特筆すべき点!)
かわいそうは危険な言葉です。
かわいそうから出た行動は
人を貶め、優越感や自己満足しか生まない。
明日は我が身!
誰の中にも樹理恵や隆大やアキヨ的なモノは
存在するのかもなぁ~(汗)(・・;)
女の子同士の友情の「真理」を
モテない女の子側の目線で鋭く描いた
同時収録の『亜美ちゃんは美人』も文句ナシに面白かった!
(それにしても今作の綿谷さんの言葉って
、どれも確信に満ちていて名言に溢れてるし、大いに���感してしまったなぁ)
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「痛快!」綿矢りさを読むといつも思うけど、今作も例に漏れず。女子特有の視点。でもドロドロしたりしなくて、痛快。
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作者の表現力が稀有すぎて面白い!私たちが経験する身近な経験を作者が書けばこんなにも豊かな経験と化する。
女の子の微妙な心情や描写を面白おかしく痛快に語ってる本。
何度、電車で吹き出しそうになったことかわからない。特にアキヨとじゅりえの修羅場シーンはアクション映画さながらの迫力と緊張感がある!
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かわいそう、とは。自分より価値が下だという場合でしかない。
女は常に、女を自分と比べて価値付ける。
彼氏が元カノと同棲してても、かわいそうだから、許せるだろうか。
就職が決まってないから。
服だってチープな感じ。
顔だって、私の方が美人だ。
だから、かわいそうでしょ?
でも、女の価値って違うんだなぁ。
アキヨからのメールは、腹立たしいとともに、自分が男だったら捨てられないという気持ちも分かる。
女って、こわい。
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元カノと暮らす男と付き合う女の話。
この男はつまりはどうしたかったんだ。
女はしたたかなほうがいいのかな。
もうわからんよ。。
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「かわいそうだね?」「亜美ちゃんは美人」の二編収録。
どちらも面白かった。
「かわいそうだね?」
阪神淡路大震災の描写が当時を思い出させるほどになかなかリアルだった。
主人公のデパガとしての描かれ方もなかなかリアル。ただ、百貨店の社員がブランドショップの売り子をすることもあるとは思うけど、そのブランドの製造元か代理店から派遣されることが一般的なんじゃないかなと思ったり…。本筋じゃないのでどうでもいいけど、ちょっと気になった(^^;;
主人公の彼氏、なんだか優柔不断で頼りなくて不器用でとことんダメな奴なのに、スーパーマンのように見られていたなんて…恋って本当に盲目なのかもね。
「亜美ちゃんは美人」
ああ、こういう感じの美人っていたなぁ…って思ったり。なんとなく納得しちゃう感じ。
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どちらの話も好き。
アキヨさんみたいに甘えることもできない、亜美ちゃんみたいに可愛くもない私は、じゅりえ、さかきちゃん、どちらの主人公の気持ちも痛いくらいにわかる。
こうやって“一般的な”女の子はこの登場人物に惹かれていくんじゃないかと思います。
個人的には二話目の小林くんのキャラクターと発言が秀逸で、引用もしてしまいました。
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「?」は誰に向けたもの?
やっぱり3人全員なのかなと
綿矢さんはシーンの切り取り方、登場人物の考え方、
例え方が個人的にハマる 凄くよく分かる
最後の関西弁は秀逸
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綿谷りさの魅力は、こんなに可愛らしい人なのに、さらっとこうした恐ろしい話を書けるところにあるんだろう。
「かわいそう」という言葉に隠された発言者と対象者との不可視の関係性を白日の下に曝け出しつつ、女性特有のドロドロした世界を描いたスラップスティックコメディー(だと僕には感じられた)。美人で人から愛されたことしかない友人が、自身を愛さず興味を持たない人と出会ったときにどう変貌するのかを冴えない友人の側から描いた「亜美ちゃんは美人」も良い。
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かわいそう、という言葉について。
対象があってのかわいそうな訳だがその言葉の対象になった人は自分をかわいそうだと思うのか?おそらくノーだろう。つまりは相手に対する優越感からくる完全に自己満足な言葉なわけで…。このお話の中で「かわいそう」なアキヨさんは彼氏の元カノ。そんな人間を同棲させる彼氏は最低だと思うし別れたらいいのに好きだからそんな簡単には割り切れない。わかるわーの連続でしたw
ラスト主人公が関西弁で感情を爆発させる場面はスカッとしたしお見事w
「亜美ちゃんは美人」はさらにわかるわーの連続。
美人の特性というかちやほやされることに慣れた人間の嗜好はこうなるのか…と。本人が幸せならそれでいいと思うけど周りがあれこれ勝手なこと言うのが美人クオリティ。
2作とも女子の特性についてちょいブラックに表現してるとこがよかったです。
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どちらの作品もいかにも現代に生きる者らしい言葉使い・文章で書かれていて、良くも悪くもライトな感じの読み物にあたるのかなと感じつつ読み進めたのだけれど、読めば読むほど一概に軽いとはいえない端々の文章技術に驚かされ、読了後はもう「この人の書く文章は調度良すぎてすごい」の一言に尽きた。
・かわいそうだね?
ワケありの元カノを彼氏の家に住まわせてあげられない自分は、彼氏の意思を尊重できない自分は、心が狭い嫌な女なのでは。と葛藤する樹理恵に共感せずにはいられず、この三角関係、絶対にアキヨには負けてほしくない!と対抗心を燃やしながら読んだので、最後の結末は悔しかった。
それでも彼氏のためにやめていた方言を使ったり煙草を吸ったりする樹理恵の生き生きとした雰囲気は読んでいて爽快で面白くて魅力的で、こちらまでしゃーない!という気持ちでこの作品への感情をきれいに終わらせられた。
かわいそうはエゴで、かわいそうと思うことも思われることもない、そんな人どこにもいない。でもかわいそうという単語があるくらいには人は誰かをかわいそうと思うのであろうから、人って難しいなと感じた作品。
・亜美ちゃんは美人
友人が美人とはかぎらずとも何かしら自分より秀でてるものを持っていると、嫉妬とまでいかずとも似たような感情を持ってしまうのが女性だよなぁ、と共感した。
亜美ちゃんに対するさかきちゃんの感情がメインで、美人でも苦労することはあるし、自分に無い物を補いたくなるのが恋愛だといいたいのかなと読んでいる最中は思ったのだけれど、さかきちゃんはさかきちゃんで入籍予定の毅の言動に浮気してるような描写があるうえに最後には亜美ちゃんの結婚を認めているあたり、さかきちゃんに必要な相手も結局は亜美ちゃん(無い物を持ってる人)だったという意味でもあるのかなと。
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「亜美ちゃんは美人」も含めて素晴らしい。優れた小説は小説というモチーフで世界の仕組みをあぶり出す。この小説は人間の本質の一端を巧みに言語化してあぶり出している。
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途中まではただ結末が知りたいためだけに読む感じだった。だが「亜美ちゃんは美人」の結末に向かうあたりはよかった。目新しいものでもないが、訴えかけてくる何かがあった