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女子のあまり見せたくないような心理がほんと上手に描かれてる。
同性だから妙に主人公とシンクロするすごい変な感覚。
ケータイのメールのくだりとかぞぞっとする。
なんていうか、錦矢りさは以前他の作品を読んでも思ったのだけど、なんていうか女子のなんともいえない心理をさらけ出すというか…。その描き方がねっとりしててなんともいえない。
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恥ずかしながら初めての綿矢りさ。蹴りたい背中とか読みたいなと思っていながらまだ読んでないんだよね。でもこの本も面白かったし、近々読んでみよっと。やっぱり女の人の気持ちとか葛藤が丁寧に描写されててさらっと自分の中に入ってくるし感情移入しやすかったな。もし自分だったら気が狂っちゃう!というかもっと前に暴れてるだろうな笑
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綿矢さんの作品を読むのは『インストール』『蹴りたい背中』に続いて3作目。読むのを忘れていたようで、部屋で発見。綿矢さんの作品はいつもタイトルがいいんですよね。タイトルを編集者がつけていないのであればコピーライターのほうが向いてそう。なんて言うと綿矢ファンに怒られますね。自分と違う世代の感性なのだな…と思い、気が向いたら読んでみます。
表題作は「かわいそう」という気持ちは善か偽善か。その是非を問う物語。「かわいそう」って言うことは主観的で失礼だと教育されている人も多いですよね。自分は「かわいそう」という感情が芽生えた以上、それはかわいそう以外に形容するしかないと考えて「かわいそう」と発言しますが。
具体的には彼氏が同情心から元カノと同棲するという三角関係の物語。元カノは「かわいそう」な自分を武器に闘い、彼女も元カノの状況を「かわいそう」と思い込もうとして苦心し、最終的には破綻します。
すみません。ディテール描写とかあまり好きじゃなくて、読み飛ばしながら読みました。最後の関西弁、自分も激怒すると関西弁になるのでわかるのだけど、、、なぜだか好きじゃなくて、恥ずかしくて読みたくなかった。醜い感情に対面したくなかっただけなのか。それとも、文章的になんだか違うから恥ずかしかったのか。
とても美しいカバー写真は馬場わかなさん撮影(この写真好き)。装丁は和久井直子さん。へし折られたパールピンクのミュールは元カノ・アキヨのものですね。。
同時収録の『亜美ちゃんは美人』は美人の友だち亜美ちゃんと親友さかきちゃんの物語。こちらのほうがムダなく面白かったかな。学生時代の学校カーストとかは『桐島〜』的です。最終的に美人が「なぜこんな人を選ぶのか?」という結論を導きます。ネタバレしますと自分のことを嫌いな人を選ぶんですが、これって綿矢さんの実体験も入っているのかな?と思いました。(作者はめちゃくちゃ美人!というわけではないけど、若い頃からチヤホヤされただろうから。)道重さゆみさんでドラマ化するとよさそうです。
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恋人が元カノと一緒に暮らすと言い出した。恋人はそれが許せないなら別れると言い、樹理恵は渋々受け入れる事に・・・まず設定がすごいです。
そしてその状況に何かと理由をつけたりしながら悶々とする樹理恵の心理が良い。共感できます。もし私がこんな状況になったら、同じように考えるかも。
途中の共感度もいいのですが、何よりも最後樹理恵のキレっぷりが最高。まさかラストでこんなにスッキリできるとは思っていなかったのでめちゃくちゃ楽しくなりました。
タダの地味目な女だと思っていた元カノの本性もいいですね。そりゃブチ切れるわ。
そして「亜美ちゃんは美人」もすごく良かった!!
ものすごく美人の亜美ちゃんと一緒に居て常に比較されるさかきちゃん。
さかきちゃんの亜美ちゃんに対する心情の変化が良かったなぁ。なんかホッとしました。
最後のさかきちゃんのスピーチは泣けた・・・
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綿谷作品はいつもドロドロしてるし、これもドロドロといったらその通りなんだけど、まだラストが爽快でよかった。
女の本性見抜けない男ってほんとバカ。
こんな女(元カノ)ばかりじゃないけど、こんなのに捕まる男っているんだろうなぁ。
でも、ラスト爽快ではあったけど、私的にはなんか不完全燃焼で終わってので厳しめ評価に。
表題作じゃない「亜美ちゃんは美人」の方が好きだったかな。
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10年前に読んだ「蹴りたい背中」以来の綿矢りさ。
主人公の感情が、独特の比喩で表現されていたのが印象的。
最後のキレっぷりにはスカッとした。
ただどちらかといえば「亜美ちゃんは美人」の方が面白かった。
愛と孤独という相反するはずの感情が両立してしまうなんて思いもよらなかった。
美人ならではの心理に、考えさせられた。
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なんだったの?!って突っ込みたくなる。ハッキリしないモヤモヤした展開。主人公の心情が描かれており、共感できる人はできるだろうけど、私にはイマイチ。
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どちらのお話も面白かった。「かわいそうだね?」のほうがとくに面白かった。「亜美ちゃんは美人」、私は美人ではないけれど亜美ちゃんのようにさかきちゃんのこわい話をいい話だと思ったのだった。
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2014/3/23綿谷さんが江国さんの本の解説を書いていたときがあった。どうやら刺激を受けているようだった。この本の中に少し江国さんの書きそうな描写があった。でも基本的には若者言葉を使い、きっとおじいさんのような読者にとっては読みにくい親しみにくい本なのかもしれないと思った。女の世界は恋愛が絡むと本当に面倒くさい。
アキヨ見たいなキャラクターの女の人、いやだなあ。
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「かわいそうだよね?」
樹理恵と隆大、そして元カノのアキヨ。へんな三角関係に疲れ、樹理恵がブチ切れ。最後はスカッとした。
「亜美ちゃんは美人」
美人の亜美ちゃんと友達のさかきちゃん。亜美ちゃんは同性からも異性からもチヤホヤされて、そんな周りの人を本当に好きになれない。小池くんの冷静な観察とさかきちゃんの心理が気になってどんどん読み進めた。
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『かわいそうだね?』はたたみかけるようなテンポが素晴らしく『亜美ちゃんは美人』は同感の嵐。涙が溢れそうになりました。悲しいんじゃなくて、ふと浮き輪に乗って開けたところに出たような、あぁここに居場所があったというような安心感から生まれた涙です。久しぶりに読んだ。読んでよかった。
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併録の「亜美ちゃんは美人」も面白かった。
「友人を理解する」と言うことがどういうことか。
自分を理解してくれている友人がいると言うことの僥倖をあらためて感じた。
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近年の綿矢りさは切れ味抜群と噂を聞いて興味を持って手に取りました。
うわあここまでとは。これはすごい。
女という生き物の生々しさと情念、いやらしい部分がこれでもかと畳み掛けるようにイキイキと描かれて迫力満点。
人の感情の生々しさと力強さにぐいぐい迫る畳み掛けるような描写にあらゆる意味で「うわああ」となりました。
好きか嫌いかと言われると判断に困りますがキレッキレで強烈なパンチ力溢れる作品でした。
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良い。
『かわいそうだね?』は、
洋服は高いもので着飾り、大好きな恋人のために自分を曲げる主人公・樹理恵と、その大好きな恋人・隆大とモトカノ・アキヨの三角関係の話。
かわいそう、だからという理由で、隆大はアキヨを自分の部屋に住まわせる。
なんやかんやいいつつもほだされて、「かわいそう」だから仕方ないよね、と納得した主人公。
しかしアキヨのしたたかさに気付いたとき、彼女はブチギレる。
アキヨのしたたかさに気付くまでとその後、そしてブチギレて関西人に戻るところ三つで読み応えが違う。
特に気付いた後。
流れるような樹理恵の思いに圧倒される。そして最後はすかっとする。
アキヨはあれだな、源氏物語の夕顔。
嫌いなタイプだ。
『亜美ちゃんは美人』も好き。
いるいる、こういう人、と納得した。
亜美ちゃんほど美人じゃないけど、
冷たくしているのにまとわりつかれること、多々あります。
私はサカキちゃんだったんだな。
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表題作より、「亜美ちゃんは美人」の方が面白かった。やっぱり綿矢氏らしく、表現は秀逸だし読みやすいし、女性の同性に対する複雑な心境や、美人の心境も少しかいま見えた。表題作は解説、ちょっと褒め過ぎじゃない? と思ってしまった。ラスト、痛快と書いてあったけど、どうも描写が地味? だからかそこまでスカッとする感がなかったのが残念。あれだけ長いのをダラダラ読まされて、え、これがラスト? みたいな。関西人が切れた時、新喜劇のチンピラの口調になるわけないやん、私は関西弁を封印したことはないけど、きっとそのままの地が出ると思うんやけど? 冒頭とラストの地震の描写も必要だったのだろうか? 主人公にもタカヒロにも相手の女にも、誰にも共感できずにもどかしいままに何も解決せずに終わってしまって、私の中では救いようがなかった。