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今週の欧州サッカーリーグではあちこちで日本人選手が活躍していた。期待の若手・宮市はレンタル先のボルトンで漸くプレミア・デビューを飾り、ブンデスリーガでは香川がドルトムンドの決勝点を挙げ、シュツッツガルトの岡崎も久し振りのダイビング・ヘッドを決めていた。得点を挙げるだけが活躍ではないが、前線の選手にとっては得点が何より喜ばしいことだ。
だがしかし、彼らが欧州のトップリーグで活躍するのは日本サッカー界の底上げという観点では良いのだが、諸手を挙げて賛成するわけにも行かないのは彼らを送り出したJリーグのクラブだ。
昨年のこの時期、岡崎が清水エスパルスを「契約満了」に伴う「フリー・トランスファー」で、即ち無償でシュツッツガルト入りしたのだが、移籍金を清水が取れなかったのは理不尽なのか、それとも仕方ないのか。一方で、やはり昨年にはチェゼーナにレンタル移籍しその後インテルへ完全移籍するのに伴い、長友の場合にはキチンと移籍金が取れている有る意味稀有な例もある。
日本でもFIFAルールが適用され、契約満了時には自由に移籍できるようになったという事を契機にJクラブも否が応でも其れへの対応を取らなければ何時までも移籍金も取れず貴重な戦力を失うだけで再投資もできないという悪循環に陥る可能性がある。
欧州リーグでの日本人選手が活躍すればするほど世界が注目するし、FIFAルールの中に飲み込まれていくわけで、Jクラブも選手の海外挑戦を後押ししつつもそうした選手獲得・育成に要した投資を回収するモデルを構築することが必要となるわけだ。
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移籍に関する日本と欧州との比較が主な主題。
その中で基本的にはJのルールでダメなところを記載しているが、欧州が何も全て良いというわけではなく、Jの方がよい部分もあることも記載。
数人のインタビューもあり、内容充実。
サポーター側としても何を考えるべきかも書いてあるのでJ好きの方には特におすすめ。
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Jリーグが20年を迎え、これからどう進んでいくのか。
切り離せない問題なのが、選手の移籍やGM制度の不備…。
筆者は、
●日本人選手以外も「育てて売る」
●アジアのトップリーグを目指す
●欧州に合わせたシーズン、契約期間の導入検討
●代理人文化の醸成…などを提言。
変わっていくものを追いたいよな。
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サッカージャーナリストの小澤一郎さんの新しい著書。
最近のフットボールは監督の哲学をビジネスになぞらえるものが多い中、フットボールビジネスの特に選手の移籍に特化したすばらしい問題提起の内容となっている。
長友の移籍に伴う成功事例や岡崎の移籍に伴う騒動や問題点を浮き彫りにしながら、様々な関係者への取材などでより事実関係を埋めていくという内容。
現時点での移籍の地位向上はすばらしいが、その実が「0円移籍」である事実が強調される。
たしかにこの点は早急に対策が必要であり、選手との契約関係の見直し方や結び方などをしっかりと取り組むべきだと思った。
その辺の専門家が少ない点など、個人的にもそういったビジネスに興味があるので、とても参考になった。
まあ、欧州の移籍市場もボスマン判決以降徐々に変化していき、様々なフットボールビジネスのマーケティング施策などに押し進められ、今のようになっているので、焦ることはなく着実に進めていけばよいだろう。
また、著書の中でスペインでのソシオクラブであるオサスナの事例が出てくるが、まさかオサスナがソシオ制だったとは知らなかった。あとビルバオも。(まあ、バスクの雄は想像できるが。)
たしかにこういった中堅クラブの戦略はよいケーススタディになるし、私の愛するジェフなどはそういった戦略からJ1中堅まで戻ってくれないかなぁと考えているのだが。。。
とにかく、すばらしい内容でした。
ただ、ある程度サッカーの移籍に理解がある状態で読まないとあまり面白くないかもしれない注釈付きです。
目次
●第一章 いまJリーグの移籍市場で何が起きているのか?
●第二章 Jリーグ移籍の内実
●第三章 日本における海外移籍、国内移籍の現状とあるべき姿
●第四章 海外の移籍ビジネス最前線
●第五章 選手の価値を高めるマネジメント
●第六章 エージェントの存在意義
●第七章 選手とクラブの幸福な関係とは?
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いわゆる優秀な選手の0円移籍騒動から問題を定義し、Jクラブが如何に今後の世界の移籍ビジネスを戦って行くかを考察しつつ、そもそも欧州の移籍マーケットはどんなものなのかをも解説している。またそれらはJリーグフロントや代理人、そして選手にもインタビューしているのでより多角的な面で書かれており、この問題を考えるには最適の一冊ではないだろうか。 そして、いわゆる欧州ありきの上から目線の書き方ではないので、Jクラブサポーターでも素直に読めるのでお勧め。
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移籍の仕組みについて、知っているつもりでも色々知らないことがあったことがわかり、大変興味深く読んだ。
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グローバルスタンダード(FIFAルール)への移行期でJリーグに起こっている移籍ビジネスの問題点に突っ込んだ本。
ブログはこちら。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4153053.html
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小澤さんの新作を読了。メルマガ読者の方は基本的には不要だと思いますが、そうでない方は是非読んでみてほしい一冊。ゼロ円移籍に関するメカニズムがよく分かります。
小澤さんのいいところは、決して欧州崇拝ではないところですかね。スペインの話ももちろんあるんですが、本書のベースとなるのは代理人の田邊さん、清水の社長、川崎Fの稲本など、国内利害関係者のインタビューが中心になっています。
「で、どうしたらいいんだっけ」というのは、表に出にくい契約の問題でもあり、またケースバイケースでもあるので、なかなか難しいところですが、基本的な主張というのはもう少しあってもよかったのかなぁという気もしないではないですが…。まぁ、それも含めて読者(特にサポーター)にゆだねるというのも分からないでもないですが…。
まぁまぁとにもかくにも、スポーツビジネス関係者はいろいろなひらめきが出て来る一冊だと思うので、ぜひお読みください♪(2012.04.01)
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0円移籍、岡崎問題、中田浩二移籍などはすべて日本のクラブが損をしている現実がある。
長友の移籍は勿論本人の努力があってのことだが、結果オーライとなった、狙えないでしょうレンタルからインテル移籍は。
例えば、清武がオリンピックで活躍してヨーロッパからオファーがあったとして0円移籍させるか?という事だが、それは無いでしょう、いくら本人が欧州でのプレーが夢であっても。
5億円のオファーが届いたとかJリーグマーケットが活性化して欲しいものだが、所謂ビジネスなのでクラブ活動感覚だと駄目なんでしょう。
読み物として知らない事も多かったので面白く読めました。
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Jクラブを応援する身としては感情的にならずに読むようにしないと、少し腹の立つ部分もある。ただ移籍事情について知らないことも多かったし勉強になった。この本を読んでる間ずっとキヨがどういう形で欧州移籍を果たすのかっていうことを考えてた。
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スペインから帰国して以来、精力的に活動している小沢一郎氏の一冊。
ニュースとして「点」としての存在する移籍に関する情報を、「線」につなげて、さらには日本のサッカー界への提言へと持って行っている。
選手や選手エージェント、各クラブのGMの声なんかも拾っているので、多角的に情報を得られる。
サッカービジネスに詳しい人ではなく、「なんでJリーグクラブには移籍金が入らないんだろう」なんて思うファンの人たちにはおすすめしたい。
通して読んで思ったが、日本サッカーにはまだ「日本サッカーとして戦略的に海外に売りだしていこう」という動きや考えがないように感じる。今年から始まった東南アジア戦略も事務局の一部が走っているだけのようにも見えるし、各クラブ同士の足並みもバラバラ。「いかにしてJリーグクラブが世界のマーケットにおいて存在感を示せるか」ではなく、「いまのままではお金が取れないから困っている」という嘆きから脱していない。この本を多くのJリーグ関係者が読み、本気で考え直してくれることを期待したい。
この本のデメリットを上げるとすれば、著者の正義感が強すぎる感があるところ。少し押し付けがましいかもしれない。
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日本(Jリーグ)の移籍制度はあまりマスコミは報じないので、この本で初めて知ったことが多かった。とても貴重な一冊。
著者は「日本のサッカーを向上させるには、日本のクラブも交渉力をつけて世界のマーケットに参加することが必要」という立場。一方、現場のクラブはそれが理想だと理解しつつも「そうは言っても現実的には厳しい」つまり、日本のサッカービジネスまだまだ成熟していないので、今グローバルマーケットに参加しても食いつぶされるだけだという意見。本書ではそういったクラブ幹部や、そのクラブからボロクソに敵視されている(笑)代理人、そして一番の当事者である選手まで、色々な立場の生の声が聞けるのが素晴らしい。
それぞれの立場でそれぞれの正論があるので誰もがハッピーな道はない。読者は日本サッカーやJリーグのサポーターだろうから、その読者も他人事ではないはず。究極的には、クラブと選手どちらをとるかの選択。日本人ファンは選手を尊重する傾向が強い。しかしそれでは日本のサッカーは成長しない、と著者は主張する。
さあ、僕自身はどうなんだ?───ただ読んで「面白かった」だけでなく、読後も自分なりに考え続けさせるほどの力を、本書は持っている。
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契約があるうちは移籍など考えれない!契約を満了してから移籍すべき!などという人もいると思うが、私は育ててもらったチームにお金を残せない方が不義理であると思う。
夢もあるだろうが、本当に必要と考えてくれるチームであれば金を払ってでもとりたいと考える。そういうチームに行く事が選手にとってのやりがいではないだろうか。今は日本の名を売る時期で致し方なしとも考えるが、近い将来、移籍金を取れる選手が増えてほしいと考える。
こんな本が読みたかった。
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再読の価値あり!!
日本人の0円移籍問題に切り込む!
ロベルト佃のホントの並読をオススメ。
マドリーの2トップエージェント
・ホルヘ・メンデス(ポルトガル人)
→モウ、Cロナ、ディマリア、ぺぺ、カルバリョ、コエントラン
・ドイツ在住、イラン人のファゼリ
→エジル、サヒン、ケジュラなどをマドリーへ。
トルコ系ドイツ人のパイプを持つ。
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サッカー代理人は転職エージェントに似てる側面があるな。
転職が成功した場合、転職した職場の給料のx%を得る。
ただ、サッカー代理人は次の移籍先のみならず、基本的に選手のキャリア全体を見る点が異なるからより長期的に、戦略的に考える必要がありそう。
以下、気になった文を本文から抜粋。
エスパルスは、株主、ファン・サポーター、スポンサー、選手、スタッフなど多くの人々に支えられており、FIFA規則に則らない今回の移籍手続きを認めることは、こういった皆さまに対する責任放棄であり、できないことであると考えております。
→クラブも株主が最初に来る。
当初からチェゼーナとFC東京の間では次のステップとしての「売り手」がイメージされており、その売却先が見つかった場合にチェゼーナが買取りオプションを行使して売却。そこで得た移籍金の何割かがFC東京へ買取りオプション代として支払われる取り決めがあったというのがこの長友の移籍例に見るFC東京の移籍戦略の概要だ。
→チェゼーナをトランポリンクラブとして、インテルからお金を得る移籍スキーム
代理人というのは日常的に 「いかにして選手の価値を創り 、そして上げるか 」を考えている 。
クラブにもエ ージェントにも 「選手を飼い殺しすることが最大の利益損失 」という考えがあることは見逃せない事実だろう 。選手の価値を高める 、移籍金を上げるためには選手がピッチ上でいいパフォ ーマンスを出していなればいけないのは誰の目にも明らかである
監督が簡単に変わると選手にとってリスク
→ 中田浩二の例
→チェルシーなど、監督が頻繁に変わるチームに移籍することは選手にとってリスクなのでは?