電子書籍
ライトノベル風?
2015/02/04 11:09
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:philia - この投稿者のレビュー一覧を見る
一人の人物に、二人の魂
この設定に違和感を感じるかどうかで評価は分かれると思います。
しかし、決して著者の作風から大きく外れているわけでは無いと思います。収録してあるどの物語も、「横山さんらしい」展開ですし、ファンなら恐れず買ってもいいです。
泥棒を主人公にしたものがもっと読みたいなと思わせるほどよく出来ていると思います。
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ユニークな発想!
2019/12/02 14:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆうと - この投稿者のレビュー一覧を見る
横山さんの話は、暗そうなんだけれど最後まで読むと、あったかくなるんだよね。
この小説もそこに期待して読みました。
期待通り!双子の兄弟の会話も、なかなか面白いし、かなり冷たい感じの主人公が人情に流されて泥棒を重ねていくところが、微笑ましい。
法律が必ずしも正ではない、そんな風に感じた一冊でした。読んでよかった!
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横山秀夫をずっと読んでいた人間なら異色の作品だったかもしれませんが、横山作品は刑事、警察官の立場から見たストーリーが売りだがこれは犯罪者の視点から見たストーリー。死んだ一卵性双生児の弟と耳の中で会話するなどサスペンスの中にファンジー??が入っているのだが、それがスパイスとして効いている。影踏みという名前はそれから来ている。
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ぐっ、ときた。
亡き弟との会話から始まるこの物語、ともすればファンタジーの匂いで覆われてしまうのではという危惧を抱きながら読み進めた。が、それも杞憂に終わった。これは、横山さんのまさに真骨頂とも言うべき作品である!
思うに、内耳に響く弟啓二との会話は、或いは修一自身の自己との対話でもあるのではないだろうか。文中にも“双子は互いの影を踏み合うようにして生きている”という。
また、人はみな様々な過去を背負いながら生きていかなければいけない。そういう意味においても、この『影踏み』というタイトルは、なかなかに絶妙である。
短編で構成されているものの、それぞれが緻密でずしりと重い本格的ミステリーであり、いずれもハズレのない秀作!
くどいようだが、ぐっときた。
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警察小説のイメージが強い横山秀夫にしては珍しい、ノビ師(泥棒)を主役にした小説。もっと珍しいのは、彼の頭の中で聞こえる死んだ双子の弟の声という設定。それが本当に聞こえる声なのか彼の自責の念による妄想なのかということは明らかではないけれど(でも弟の特殊技能を使っているんだけど……)、この兄弟の会話が面白い。15年前に母親の放火で死んだ弟と、それが原因で法律の道を断念してノビ師となった兄。葛藤に満ちた終幕にいたるまで、設定の面白さで読ませる。そして内容としては兄が探偵役となる推理短編集なのだけれど、その着眼点の細かさもさることながら、列挙される盗みの手口だけでも背が寒くなる。防犯意識の点からも読んでみる価値はあると思いますよ。
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さすが横山秀夫さんで、説教くさく感じることなく読み進められましたが。
なんていうか、あまり続きが気にならない小説でした。
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両親と双子の兄弟を火事で亡くした真壁。
それ以来、真壁の耳の中に、双子の亡くなった啓二が宿る。双子同士で同じ女性を愛していた為、真壁は自分の気持ちを抑制したまま、泥棒生活を続ける。
天才的な能力を持つ、真壁の泥棒術が色んな事件を解決していく。
その行動を見ている中で啓二は、真壁の
本当の気持ちを読み取り、真壁から離れる。
切ない純愛を隠しもった真壁の男気ある行動が、読み応えあった!
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警察よりも、罪を犯すものの視点から書いている作品。だからかな、いつものような臨場感はあまりみられない。それよりも、切なさとかかな…。個人的にはいつもの 感じのほうが好き。
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さすがに「ハズレの無い横山秀夫作品」・・実に面白かった。
これまでは警察内部から犯罪者を客観視している作品が多かったが、この作品は正反対の犯罪者の立場から描いている。
主人公の真壁は法曹界を目指していたのに、何故ノビ師(人が寝た頃に忍び込む泥棒のこと)になったのか。
いくつかの短編を読み進めるうちに、その事実が明らかになってくる。
そして真壁の心の中には、双子の弟「啓二」が住んでいるのだ。
双子って、テレパシーのようなものがあるのではないかとよく言われることだ。
しかし、実際の双子であるオレの立場からすると・・・そんなのはやはり無い(笑)
切ない過去の事実が明らかになり、真壁が影を踏むような陽の当たらない人生を歩く理由が読者に判明する。
世の中には善人なのに「魔が差した」という理由で、犯罪に手を染めてしまう人もきっといるだろうな。
犯罪は悪いこと・・それは当たり前のこと。
しかし、この小説を読む限りでは犯罪者にもある程度情状酌量の余地があるかもしれない・・そう思えてきてしまう。
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同著者の作品なら、以前K氏に薦められた『第三の時効』や『半落ち』の方が、私には面白かったかな。根本の設定が設定だから、リアルさが少し剥離したのかもしれない。
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(´-ω-`)ンーちょっとファンタジー入っているので、それに最後まで慣れなかった。でもそれがキーポイントというか、最大のテーマみたいな(・ω・ )?ワタクシには合わないみたい。
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耳の中には、火事で焼け死んだ弟が住んでいる。
出所したばかりのノビ師真壁が自分が望む望まざるに関わらず事件に巻き込まれ、泥棒特有の能力を使って解決していく。その過程で死んだ弟との掛け合いがおもしろい。
短編が連なり、最後に辿りついた結末は…
全体的にダークではあったけれど、後味はすっきりとしていた。
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横山氏といえば警察内部の視点からと
いう本が多いですが、これは犯人側からの
視点からどうやって巻き込まれた事件を解決していくかというお話。
耳の中に亡くなった弟がいて、一緒に
事件を解決していくという内容。
短編でさくっと読めます。
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2007/3/31 読了
他の作品と同様の安定した面白さ。
本作は警察ではなく犯罪者の視点から描かれているが、緻密なプロットや物語のの展開のテンポ、意外性などいささかも劣ることは無い。肉親の死に心の傷を持つ真壁。おそらくは泥棒以外の何をやってもそれなりの人物になりうる、知性と胆力を持つ男である。主人公は仕事(泥棒)をしながら
降りかかってくる事件を解決していく。一話ずつでも充分面白いが連作を一気に読むと物語に奥行きが出てくる。最後はちょっと切ないエンディングだ。
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横山秀夫の短編集。警察ものではなく、「ノビ師」と呼ばれる泥棒さん。帯の売り文句はくだらないけど、中身はうまいです。設定がちょっと変則な部分があるので、好き嫌いはあると思いますが。全部で7作収録されてますが、「使徒」が一番好きです。