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名作『わたしを束ねないで』を生んだベテランの詩人の最新作。いつまでも枯れぬ恋心がテーマ。絵がきれい。
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ある日
私は映画を見ていました
人間と人間ではない何かのラブストーリー
2人の海より広く深い想い
ラストシーンでとある詩が読み上げられた
明るくなる映画館
呆然とする私
素晴らしいものを見ると人は
その感情を表してくれる言葉を探してしまうのか
ふらふらとしながら歩く私が向かったのは
田舎にある水上図書館
詩集コーナーをあさり
そこで見つけたのが
『千度呼べば』新川和江
私が探していたものだと分かった
感情は言葉にできない
でもその不可能に立ち向かい
言葉を生み出す人たちが確かにいる
私の溢れる形がなく扱えない感情に
少しだけ縁を与えてくれた
感情を自由に扱うことは決してできない
しかし縁取られたものは人に寄り添ってくれる
そんな気がする
この感情と生きていける
きっと
長々と何が言いたいかというと
最高の詩集です、装丁も美しい
手に取って貰いたい(できれば新品かってね)
美しいブルー
そして開けば
美しい言葉の数々
最近流行りのJPOPのような感じではないけれど
こういう強く重めな愛を取り扱ってくれる
作品集もっと増えないかな
これがあるから無理にとは思わないけどね
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『ひとに手紙を・・・』
ひとに手紙を書こうとして
書きなずんでいると
灯を慕ってか クサカゲロウがはいってきて
白いびんせんの上に とまる
うつくしい哀しみのような
みどり色の そのうすい翅
ああ わたしが告げたい思いも
そのようなもの なのだけれど
クサカゲロウは文字にはなってくれず
いよいよ翅を透きとおらせて ふるわせて・・・・・・
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