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投稿者:FAT - この投稿者のレビュー一覧を見る
貨幣愛に起因する不況という理論自体は、ケインズの一般理論にもあることなので、その復活という意味では政策的意義、特に日銀の金融政策に対する意義は大きいが、それ以上ではない。一方、本書の学問的に重要な点は、乗数効果の全面的否定ということであろう。さらにここから含意されるのは、マクロ経済学の財政政策へのツールとしての意義の消滅、少なくとも半減である。著者の言葉に拘らずに、財政政策への含意をまとめると、
「失業があるときには、その失業を埋めるだけの仕事を公共事業として行うことは、資源の浪費・遊休を減少させることとなり、経済的に意味がある。しかし、公共事業の中身は資源の浪費にならないように、精査しなければならない。」
ということかと思う。
新古典派的思考の中和剤にはなると同時に、改めて「公共事業には、その額以上の価値がある」という高度成長期の思考の残滓も払拭するものとなっている。つまり、奇をてらった論理のマジックが消えて、素朴な常識論に戻るということ。
特にマクロ経済学的に重要な点は、乗数効果を全面的に否定していることにあるとするのは前述のとおり。このような過程を経て、日本のマクロ経済学がもう一段、政策科学として進歩することを期待する。
「夕張市の失敗」は「彼らの失敗」だったのだろうか。
2007/07/17 01:26
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Living Yellow - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画好きなもので。タランティーノ監督もいらっしゃって、故石井輝男監督をはじめとするカルトな映画の話をしまくるという「ゆうばりファンタスティック国際映画祭」にいつの日か参加してみたいものだなあ、と思っていた。どうやら関係者の奮闘で、縮小して存続が決まったようで、ほっとしている。
しかしTVで映し出される「夕張市」の「無駄遣い」したお金はどこに行ったのであろうか?夕張のおじちゃんおばちゃんがみんなして、持って行った訳でないだろう。
東京の「代理店」、「プロデューサー」、「コンサル」に膨大な金が流れ込み、それが「ゼネコン」に配分され、札幌あたりの下請けに回されて、ワゴン車で市外から兄ちゃんたちがやってきて、寒い中セメントこねて一生懸命「ロボット博物館」とかを作っていたんじゃない?無論問題はそこに十分に外部のお客さんが来なかったことであるが。
でも、それ本当に「夕張市」だけのせい?たしかに「ロボット博物館」は行く気もしない。しかし本当にそれは「夕張市」が自分で発案したものだろうか。上に挙げた中央の人たちが、十分な収益予想も立てず、うまく「夕張市」をから「コンサル料」とかを引っぱり出して、カニ喰って帰ってそれっきり、今頃どっかで「ロハス」なイベントとか、「あなたも~ソムリエ」フェアとか仕組んでんじゃねえの?という感じを消せないでいる。 市民の税金を委ねられながらだまされる方は勿論悪い。 でも炭坑がなくなった「夕張市」が立てた、「観光振興」(ハードからソフトへ)という大枠では正しいはずの方針に、つけ込んだ人々がいるはずだし(全部の施設・イベントがじゃないと思うけど)、今後「官から民」、「地方の自立」の流れの中で彼らがますます「活躍」するんじゃないか?という懸念が本書を読んで、高まってきた。
前置きが長くなりすぎました。本書は「需要が供給を生む。生産力が向上する中で現代では、需要が不足する事態が発生する。そうすると非自発的失業者が発生する。その余った労働力を吸収・活用するには、「やる意義」のある公共投資が必要である」という、昨今では旗色の悪いケインズの根本テーゼの再評価を試みている。
ケインズの著作自体にある「消費関数」、「乗数効果」や「穴を掘っても意味がある」などの現在では通用しない概念と整理し、「供給が需要を生む。自発的失業者は市場原理によって吸収される」という現在、支配的な新古典派のテーゼと丁寧につきあわせ、「流動性の罠」(低金利政策の元では、資産を「現金」(流動性資産)のまま、持っているほうが、物価の下落と相殺してプラスになるので、充分に「国内」に投資が向かわないか、高金利の海外に流れていくという現象)などの現在の日本の「奇妙な好況」の背後にある現象の分析を通して、近年一般的な「公共投資」=NO、「構造改革」=YESという論調にていねいな、数学的記述をなるべくおさえた(ここは逆につっこまれてしまうところかもしれない)、部外者にもわかりやすい記述で異議を呈し、今現在の日本における「有効な公共投資」の必要性を訴えている。
わかりやすい上に、脚注などを見る限り、理想論者の根拠に無関心な立論とは、距離を取った手堅い一冊である。朝日を読んでも日経を読んでも、それぞれに腑に落ちないモヤモヤを抱えた方にお勧めしたい一冊。
しかし、紙幅の関係であろうか、国際経済への言及が少ない。できれば本書の視点で「グローバリゼーション」を分析した続編を待望します。
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小野氏の著作として読んだものは、これ3冊目かな。自身独自の思考を「ケインズ」の「一般理論」と論理的に格闘して自らの「不況動学」理論を確立しようという研究的意欲作。小野氏のマクロ経済的姿勢は、非新古典派、非ニューケインズというところだろう。公共投資は、必要ではあるが、価値ある、長い目で見た社会的効率を促進する公共投資は必要だとする。公共投資のケインズ的乗数効果は、論理的にないとする。その点が、ケインズ的政策提案とは、「大きく」異なるところ。で、新古典派、「供給派」の論理の「非」を突いているが、その指摘はあまりに至当であると思う。
が、私目には、著者の説く不況動学がどうも理解できなかった。インフレとデフレの単純な比較でいうと、デフレなどより弱インフレ、「完全雇用」下でのインフレ率<賃金上昇率であるほうが、民間企業にとって国内投資機会が増え、金融機関に対しての資金需要も増えることになる、また、人材募集も増えることになるから、インフレの方が実質の経済成長率<名目の経済成長率でとなる本格的経済成長になるのだという視点が抜けている、と思われる。よって、インフレターゲットはデフレ下では量的金融緩和を伴ったつまりは市中間にマネーの供給が溢れるインフレターゲットが効果を持つのであり、またインフレ下では、インフレ期待、あるいはインフレ予想、あるいはインフレを計算に入れた実質金利の計算を頭に入れた消費行動に刺激を与えることまで否定するの現時にはかなり引っ掛かりを持った。
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ケインズ理論と、相対する新古典派の考え方の違いを提示し、どちらの理論をとっても、経済的不況を改善するには、少しずつ、都合の悪い点がある事がわかった。
現代は主に、ケインズ経済学に沿った政策提言がなされているそうだ。自分の語彙力不足で、頭の中が、うまく整理できていないので、基礎がわかるレベルの本を読んでみたいと思う。
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需要不足による現状の不況を、ケインズ理論を批判的に解釈しながら分析した本。面白いのでもう少し理解したい。要要要再読。
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理系の僕にもわりと理解できたし、経済に興味を持てた。経済政策が「不況を脱する」ためのものではないということが新鮮だった。
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少し疑問点。著者は「構造改革派が言うように、投入額より小さい価値しかうまないからやるだけ損、ということにはならない。出来たものの価値は加わるから、少しでも役に立つ物やサービスならやった方がよい。」(P73)としているが、減税の乗数効果との比較をしないといけないのではないだろうか?でも減税の方が乗数効果低いのかな?あとそして赤字国債での公共投資は効果が半減するし(マンデルフレミング理論)、そのあたりについての言及も欲しかった。
著者はP148で夕張市を擁護しているが、個人的にそういう側面もあると確かに思った。
ただ、遊園地やらなんやら流石に行き過ぎじゃないかとも思うけれども。(主観ですが)
私感ですが、著者は政府にはある程度の判断能力が備わっているという前提で政府は補助はもちろんのこと、時には主導もしつつ市場の力をうまく引き出すべきだという主張のようですが、自分は競争にさらされず、報酬も罰則も限定的な政府という組織は無能(個々の方々は無能と言っているわけではないので悪しからず)と化すので、出来る限り市場の力を活用しつつ、政府は補助に徹するべきだと考えているので、政府の役割をどこまでの範囲にするのかという度合いは異なってはくるのですが、これに関しては個々の主義主張の範囲内であると思います。
P155では「個人や企業は経済全体のことなど考えず、自分自身か自分と利害を共有する集団のだけことを考えるからである」としていますが、なかなか耳の痛い話です。個人的には「ことだけ」を考えているわけではないのですが…(誰しもがそう考えていないことも願っていますが)個人的には価値を0から生み出して成功するような人(いわゆる起業家)に関しては、成功しても4割所得税をとられてしまうのなら、誰も挑戦をしないでしょうし、途中でそこそこ成功すればいいやとなりかねないとは感じています。それに関してもおまえがそうだからだろ、と反論されればまあそうかもしれないとしか言えないのですが…。
P166「こうして手っ取り早く人々の人気を得ることが出来る純粋なバラマキ政策、すなわち減税や補助金、果ては地域振興券(1998年)なるものまで実行された」
とおっしゃっていますから、減税の乗数効果は公共事業より大幅に劣るとの認識なのでしょう。ただ、低所得者は消費性向が高いのだから、低所得者向けの減税に関してはある程度の乗数効果が認められるのではないかと言う個人的な仮説はあります。
それに公共事業が常に清廉潔白な人格者が主導出来ればよいのですが、そうはいかないのが現実のようですし、政府支出によって本来は淘汰されるべきゾンビ企業が生き延び、市場の働きを歪めるという問題もあるのですから、それらの問題が発生しにくい減税というのは、公共事業とどちらが有効か長期的・短期的な視点の両方から比較されて良いように思います。
P182では「この改革が日産だけにとどまるなら(中略)日産1社の業績が改善するだけに終わる、しかし日本中の企業がこれを見習えば、(中略)失業が増えてデフレ圧力が高まり、日本全体の消費意欲が減退して物が売れなくなるから、各企業の��績もかえって悪化してしまう。」確かに著者の仰るとおりだと思いますが、この件に関して日産はどうすればよかったのでしょう?賃金が限界生産性を上回っている人員は解雇してはいけないと言うのでしょうかね?解雇出来ないのであれば、コストにおいて国際競争では不利になります。それこそ本末転倒になりかねないかと。
--気になった言葉--
需要刺激策を支持する根拠として、ケインズ自身は社会正義から見た再分配という側面を強調してはいない(P27)
労働者は実質賃金ではなく貨幣賃金の動きに注意を払うからであり、その理由は他の労働者のと相対的賃金水準を期にするからである(P40)
貨幣の持つこれら三つの特殊性、すなわち、簡単に増やすことができず、代用が難しく、たとえその量が増えても人々がその保有に感じる価値が簡単には下がらない、という特徴はすべて、勝ち標準となる資産が持つべき望ましい特徴であると考えられている。皮肉なことに、まさにこれらの特徴こそが、貨幣を他のどれよりも魅力的なものにして、流動性プレミアムを高止まりさせ、購買力を底なしに吸い込んで他の財や実物資本への需要を抑え、不況を生み出してしまうのである。(P118)
ケインズ的需要創出政策も新古典派的市場主義も、その目的は効率化であり、それが本当に効率化をもたらすか否かは、総需要が不足しているかどうかに依存する。(P199)
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[ 内容 ]
長期にわたった景気の低迷に対して、小泉内閣が行った「構造改革」は有効な措置といえるのか。
経済学者間の意見は対立し続け、経済学への信頼までも揺らいでいる。
ケインズは一九三〇年代の世界不況を目の当たりにして主著『雇用・利子および貨幣の一般理論』を執筆した。
本書はその欠陥も明らかにしつつ、ケインズが論証することに失敗した「不況のメカニズム」を提示し、現代の経済政策のあり方を問うものである。
[ 目次 ]
第1章 ケインズ経済学の基本構造(二つの不況観;需要不足のメカニズム ほか)
第2章 失業と需要不足(新古典派経済学の特徴;貯蓄と投資の不一致 ほか)
第3章 利子と貨幣(投資の決定要因;何が利子を決めるのか ほか)
第4章 景気循環と経済政策のあり方(賃金の変動と景気循環;不況下の経済政策)
第5章 不況理論の再構築(何がわかり、何が残されたか;新しい不況理論 ほか)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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菅総理に影響を与えていた小野善康 阪大教授の2007年の著作。貨幣への執着が起こす景気後退(守銭奴的流動性選好?)。需要不足による不況の解説。寺田寅彦の『津浪と人間』が引用され世代交代がもたらす問題を指摘しているのが印象的。
ケインズ概論としても読める(^-^)
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ケインズ経済学と新古典派とを比較しながら、ケインズが主張したかった(十分に主張できなかった)経済理論を『不況動学』という視点で展開する。新古典派の主張は、供給サイドが決定されればそれに応じて需要が決まるというものである。すなわち、基本的に非自発的失業のない状態(完全雇用)が実現できている新古典派では、需要不足や需要不足による不況は否定される。しかし、著者は需要不足こそが日本の不況の根本原因だと主張する。
需要不足は、①消費の時間選好と②流動性の罠(貨幣保有願望)に起因する。特に、貨幣保有願望は、貨幣が非常に特殊な財ゆえに起きる貨幣そのものに対する需要であり、「将来に不安を持てば益々貨幣保有欲求が高まる(=消費が増えない)」という点には実感としても納得がいく。
不況を脱するためには、十分な雇用を創出する規模の公共投資が有効であり、まずは働きたい人に働ける場を提供することが重要である。すなわち、少々効率が悪くても、余った雇用を吸収することが先決であるということである。一方、インフレターゲットは、人々に正しいインフレ期待をどのように持たせるかという点が不明確であリ、その点で効果が乏しいと指摘する。また、本格的な景気回復には、(過去の経験を持たない)世代交代が不可欠であると主張する。
需要不足が何故生じるのかという点を、消費と投資の面から考察した本書の主張は興味深く、不況のメカニズムに関する著者の主張は納得性が高い。しかし、具体的な景気回復策という段になると、やや説得力は落ちる。特に、著者の主張する『良い』公共投資をどのように判断するのか、「良いか悪いか」の効果測定、優先順位づけを事前にどのように行うべきなのかがよく分からない。
もっとも、デフレや不況から簡単に立ち直る特効薬のような「経済政策」など存在しないわけだから、著者がそれを十分に説明しきれていないことは批判には当たらないだろう。むしろ、「通貨を大量発行すればデフレは解消して景気が回復する」といった類の考えがいかに無責任極まるトンデモ理論であるか、本書を読むことで再認識できると思う。
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歴史に残る世界恐慌の時代にケインズが発表した『雇用・利子および貨幣の一般理論』当時の経済学では説明出来なかった不況のメカニズムを世に示した
ただ不況のメカニズム「不況動学」は不況を経過し好況のサイクルに進むと人間は都合よく忘れ批判の的にすらなる
先進国には投資機会がなく「豊富のなかの貧困」が起こる
総需要を増やす目的の投資はその場しのぎ
生産性向上の効率化ではなく需要創出のための効率化が重要
貨幣保有の願望(貯蓄)がデフレを引き起こし貨幣の存在が需要不足の理由とも言える
不況のなか政策の方向性として「構造改革」か「財政出動」は必ずテーマとして上がるが日本最大の資源とは労働力である
そしてリストラによってスリム化させる効率化では失業手当が増えてしまう
つまりは不況期においては財政出動して仕事を与えることこそが効率化である
資本の縮小化・リストラ・構造改革・・・これら残された者だけを救うノアの箱舟ならばはじかれた者は・・?失業手当の費用が増すだけである
さらに失業手当を支払われても不況期には所得から貯蓄へのマインドが高いから穴を掘って埋めるだけの仕事でもマシになる
100投資して30の便益が残せなくても便益がゼロになるまで財政出動したほうが良い
(この部分が公共事業のすすめとなり誤解されケインズの批判に繋がる)
これは民間企業だと100投資したら100以上の利益がないと実行されないのと違い国でしか出来ないことなのだろう
この本では自分なりに常識としていつの間にか覚えてきたものがガラガラと崩れ落ちた
いままで100冊以上の数えきれないほどの本を読んできたけれど超オススメの一冊
これは一読するべきです
ケインズの一般理論は読んだことないし難解なパズルとも言われるが小野教授のこれは理解しやすい
そして不況動学とは不況というサンプルがないと研究が進まないし未だ完成されていない学問だろう
だからこそ今回の歴史的な不況が不況動学の発展となり今後の政策に活かされることを心の底から望む
ただ不況期を乗り越えた頃には相変わらずな人類は高リスクな行動に向かい
同じような過ちを犯すのだろうけれど。
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わりと難易度は高かったが、面白かった!
社会保障論の最後の課題図書。ケインズの理論を修正しながら、新たな不況動学を作る試み。
キーワードは流動性選好、時間選好率。
消費関数と乗数効果を否定。
非常に深い議論だった。
しっかり武器化するには、あと数回は読まねばなるまい…
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同じ著者の「成熟社会の経済学」と基本的に同じ論旨であるが、こちらは必ずしも成熟社会を前提としていない。という事は需要不足不況は何も成熟社会で欲しいものがなくなったからではなく、人々のマインドセットが悲観的に染まっているからと言う事になる。何しろケインズの時代から需要不足不況(デフレ)はあるというのだから。
こちらの方が先に書かれたものらしいが、どちらかと言えば本書の説明の方がしっくりくる。また本書には安易な不況脱出の処方箋が書かれていないのも好感が持てる。
デフレの根本原因が人々の悲観的なマインドセットにあり、世代が入れ替わらなければマインドが変わらないというのであれば、何をやっても不況脱出はできない。いくら市場に金をジャブジャブ注ぎ込んでも、一部の金持ちの銀行口座に積みあがるだけである。また公共工事による雇用の創出も非自発的失業者の絶対数から見れば正に焼け石に水であるし、著者が言うほど雇用の流動性があるとも思えないので、公共工事による非自発的失業の解消⇒需要の創出に至る景気の転換は起こりそうもない事は理解できた。
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ケインズの経済学の話なので難しかった。後半から実社会での出来事を検証していたので、だんだんわかってきた。
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新古典派とケインズの主張の比較をし、ケインズの矛盾点があればそれを指摘し、解決案をしている。なぜ不況になるかを論証している。完全雇用環境でなければ、消費不足が不況に引き起こすという。なぜ消費不足になるかといえば、経済の先行きへの不信である。その克服には世代交代が必要だという。公共投資、税金による失業者救済などの効果も論証している。