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『純情きらり』はこれからどうなっていくのか原案と比べながらすごく楽しみ。達彦さんは死なずに戻ってくるかな〜?
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ドラマとは違う魅力。登場人物が多いにもかかわらず、ひとりひとりの人物像を丁寧に描いていると思う。「家族」とは何か?を考えさせられる。
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『純情きらり』ファンにとっては上より下のほうが面白いかも。あー、この場面あったなー、とドラマを思い起こしつつ楽しめること請け合い。
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書き手は姉弟の間を移り、思い出は膨大だけれど、何か一本貫かれたものを感じるのは、姉弟の血か、故郷の名残か。人間を描き切る著書の真摯さに、読者である私は姿勢を正したくなる。人間の命は引き継がれていく。一生懸命に、あるいは無心に。
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「純情きらり」原案、なんていう帯を読まなきゃよかった。おおよその筋を除き、まったく別のストーリー。非常に現実的だけど、時にくどいようにも思う。読み応えは普通。読んで特によかったとも思えない。現実的な、ある家族の記録。
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凄まじい大作だった。
上巻では、津島佑子らしくない創造力で意外性を見たが、後半は正に女性讃歌の一冊だった。
有森家の女衆の1人、桜子の魅力が物語を牽引している。彼女の顛末に関しては本作はおろかここ最近数作の中のハイライトだと思った。
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読むのに苦労した上巻とは打って変わって、随分と読みやすく感じた。
富士の裾野に住む有森家の年代記とはいえ、物語のほとんどは語り手である勇太郎の父である源一郎と、彼の子どもたちについてである。
上巻は父・源一郎を中心に、何の不安もなく過ごした故郷での子ども時代の幸福な日々に大きくページを費やしているため、その後の家族の闘病や死別が続く下巻が、敗戦の混乱も含めて理不尽に感じられる。
だが、大きく時代が変わるときに、精神的支柱の父を喪い、今まで通りの生活が送れるわけはない。
最終的に有森家の人間はだれ一人として甲府に住み続けることはなかったのだ。
そして、勇太郎自身アメリカで生涯を過ごし、その娘はパリで子どもを産み育てる。
有森の血は世界を舞台に流れているとも言えるし、甲府に足を据えて生きてきた一族の血は薄まったともいえる。
命をつなぐというのは、そういうことなのだ。
甲府を離れながら甲府を思い、時に、亡くなったはずの父や兄姉たちが青空の中を馬で駆っていく姿を見たり、過去を思い出していると亡くなった姉たちの会話が聞こえてきたりと、軽くマジックリアリズムを思い起こさせる部分がある。
そう言えば土地に住み続ける一族の話だし、似たような名前が繰り返し出てくるし、おさすりさんのような科学では解明できない力を持つ者がいたり、自然災害の脅威にさらされたりと「百年の孤独」を彷彿させる箇所が多々ある。
かと思えば、姉の一人で、一番勇太郎には厳しかった笛子の夫・杉冬吾は、明らかに作者の父である太宰治がモデルであるとわかる。
津軽の大地主の息子でありながら、生活能力が全くなく、ただ酒と煙草と芸術と女に依存して生きる男。
現実の太宰がどこまでそうだったのかは知らないが、心身があまりにも脆弱で、自分のなしたことに責任を取ることなどできない無責任な臆病者でも、芸術の才能さえあればすべてが赦されるものなのだろうか。
文章や構成に色々と工夫が凝らされているのだけど、それがどれほど作品によい影響を与えているのかは疑問。
もっとシンプルな方が断然読みやすいのに。
例えば
”桜子はまだ二、三時間、麻酔からさめないと言われたので、私たちはインキュベイタアに入った赤ん坊を見届けに新生児室に行った。人間の赤ん坊とは思えないほど小さな赤ん坊がいろいろなテュウブを取りつけられ、巨大なオムツをつけただけの姿で、ガラスの箱のなかでゆるやかにうごめいていた。”
書いていることが理解できないわけではないが、カタカナがいちいち障害となって立ちはだかり、読書に急ブレーキがかかるんだよね。
つるつる読める文章がいいのかと言えば、そういうわけでもないけれど、これはあまりにも甚だしくて、もう少し日本語に寄せた標記にして欲しかったわ。
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やっと読み終えた感じ。
何度もギブアップしかけた。特に上巻では。
どういう意図で書かれたのか、今もわからない。
妙な注釈が記入されているのは海外向けの用意だろうか。
「純情キラリ」を見ていないこともあって、語り部が次々と変わるのは感情移入が難しい。
下巻は敗戦を主軸とした一家離散滅亡への物語と読んだ。
人は必ず死ぬ。血もまた拡散されてしまう。
この物語の中には画家として登場する太宰治が居る。
娘から見た太宰の姿は目新しい。
拾いものである。
太宰治論に何か影響がsるのだろうか。
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投げ出してしまいたくなるほどではないものの、少々味気ない話が続き、下巻の中頃までは作品の意図を掴みかねた。しかし、桜子によるメモが挿入されることでこの作品が持つ意義が分かりやすくなった。石を巡る作品であったことに改めて気が付かされたのである。石にもそれぞれ名前がある。同じ土地から産出したものでも、含有成分や構成によって異なる輝きを、美しさを見せる。そうしたこまごまとした石の美しさを再発見すること、それによって有森家(石原家)の生を後世に残るかたちで復元することがこの作品の達成であると言えるだろう。
中上紀氏による解説は作品のあらすじや構成、特徴などについて十分に整理されているが、通読した前と後ではかなり違った印象を受ける。