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前作文庫版の書下ろしの事件が出てくるので文庫版でも読んでおいてよかったです。前作から5年経ち失踪中の彼らがどう関わってくるのか楽しみに読み始めましたが、100ページで息を飲むことになりました。前作と同様に当時の英国の温度や湿度まで伝わってきそうな繊細な描写。いろいろな伏線が一本につながり過去と現在の事件が明らかになった時、切なさとやりきれなさに押しつぶされそうになりました。こんなに残酷で哀しいのに、手が震えそうなラストの一文で残ったのは美しい恋の情景。どうかこの後の彼らが救われることを祈ります。
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『開かせていただき光栄です』の続編。
今回も死体の謎だけど、解剖とかはあんまりなし。
ファンタジー的な、宗教色あるものかと思ったけどそうでもない。
サー・ジョンたちとバートンズがわちゃわちゃしてるのは本当に好き。
伏線は全く見破れず。切ないラストでした。
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『開かせていただき光栄です』続編。
外科医で解剖学の先駆者、ダニエル・バートンの解剖学教室を舞台に起きた連続殺人事件から5年。
愛弟子のエドとナイジェルが出奔し、解剖学教室は閉鎖中。元弟子たちもそれぞれの生活を送りながらも、変わらず先生を敬愛している。
ある日、盲目の治安判事として知られるジョン・フィールディング卿の元に、胸に暗号を刻まれた“天使の屍体”の情報が舞い込む。
調査のため、そしてバートン先生に屍体を提供すべく現地に向かった元弟子たちが発見したのは、消息不明になっていたナイジェルの屍体だった…
前作のラストのほろ苦さを思い出しながら読み始めたら、登場人物紹介リストの筆頭は「ジョン・フィールディング」となっていて、軽くびっくり。
「バートン先生と愛すべき弟子たち」のシリーズとばかり思っていたんだけど、実は「盲目の判事ジョンと男装の令嬢アン」シリーズだったのかぁ。
またまた屍体が増えたり消えたり、暗号に導かれてナイジェルの過去や、幻の楽器にまつわる悲劇、過去のスキャンダル…と、複雑に物語は交錯。
登場人物が多すぎる…!
そして、前作のようにクスッと笑える場面がほとんどなく、腐敗しきった権力者たちがさらにおぞましく、何人もの悲劇がただ重く、やるせない。
もうさすがに続編はない…んでしょうね。
バートン先生、さびしいねぇ。
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最後のあの文章を読み終えたときのあの静かで哀しい、美しさすら思わせる脱力感。
エドと一緒に生きたくても、理解されたくてもそれは無理だと分かっていても最後の最後にそれを望まずにはいられなかったナイジェルが切ない。ナイジェルは…天使だよ……
『U(ウー)』文庫版の特典往復書簡にあった続篇のお話、期待してやみません。というかここまでの量のストーリーで、しかも続篇なのに更に面白いって一体どういうことなの
皆川先生、健康に、末永く執筆活動を(でも、無理なく)続けていってほしいものです
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再び18世紀英国へミステリの旅をしてきました。
『開かせていただき光栄です』の続篇です。
一つの事件を発端に広がる謎…。
登場人物のそれぞれの過去や起こった出来事などなどなどの線。
その線の繋がりや謎が後半になると徐々に解れていく快感が私には堪りませんでした。
途中途中得意の相関図を描いて頭の中を整理しながら読み進めましたよ^ ^
もはや皆川ワールド!
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終盤、かなり息切れしてしまった。
光の速さで畳まれまくる風呂敷に着いていくのに必死。
まあこれは私の頭が悪いってだけの話なのですが、登場人物が元々多い上、ビリー、ブルース、ブッチャーとBから始まる名前のやたらと多いこと(撹乱?)そして真実があーでこーだもんで脳内大混乱スマッシュバートンズ。
大きく3つ(4つか?)のクエスチョンを同時に追っていくのでそのあたり脳のリソースの配分を間違うと死ぬ。
そんなわけで話は複雑濃厚で脳の使い甲斐があり非常に読み応えがある。
ただ、ミステリーではあると思うけど推理小説ではない、かな。
終盤てんてこまいになったのは謎の解明場面が語りで終わってしまったからかも。
セリフの多さが功を奏して読みやすいし、前作に引き続きガイ・リッチーに監督して欲しいわあなんて思えるけど、
ちょっとスタート地点から哀しみが付きまとって、前作みたいにエキサイトできませんでした。。
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物語的には伏線も全部綺麗に回収されて、すっきりさっぱりさすがの構成なんですが、登場人物たちはみんな翻弄されまくっていて辛い。
判事と一緒にモヤっとしてしまう。
法が弱者を守ってくれない中で、エドが出した最善の答えだったのだろうけど。
エドとナイジェルの間にあったこととか、お互いにどう思っていたのかとか、言葉にされない部分がもどかしい。エドはあの絵をどうしたんだろう…
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開かせていただき光栄です。続編。
生い立ちやら、どうにもできない流れやらにのまれた哀しさ、やりきれなさ。
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前作に引き続き、謎が解けていく中での爽快感と痛みがありました。
ただ、私の頭が悪いせいなのですが、この人物は何の人だっけと振り返りながら読み進めたため、少し読了するのに時間がかかってしまいました。
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続編ということだが、登場人物は重なるものの連続性はあまり感じられない。今作は非常に辛い展開であり、ラストも希望というよりさらなる悲劇への序章に感じられてしまう。
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続編は肩透かしも多いけど、前作越え!
ナイジェルは死んだと見せかけて、本当は生きてるんじゃないかとおもったけど、そこは深読みしすぎた。が、出自を知るにつけ、彼には強かに生きてほしかった。ここでまたポーの一族に頭シフトさせると、アランポジションだから?!
事件のピースの繋がりかたが、現実はそんなにうまくいかないよね、とは思うけど、謎の開陳がスムーズで気持ちよくて、次をどんどん読みたくなる。
人物が生き生きとしていて、読んでいて物語にうんと惹き込まれる。
改めて、研究馬鹿のダニエル先生好きだな〜!
アルの大活躍も、ネイサンの成長もニマニマしながら読める!
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『開かせていただき光栄です』の続編。またあのみんなに会えるという期待で読み始めた。その中身はあまりにも哀しくてつらい、ナイジェルの半生を辿る物語だった。
知っているようで全然知らない。ベドラム出身であることが判明した瞬間は鳥肌が立った。その内外で起きた非人道的な仕打ちに言葉を失う。目を背けたくなる描写の一つ一つに息を止めて嘆く。
美しいと感じたのはグラス・ハープ。この音色の表現が、私の記憶の中の音と符合して、耳に聞こえてくるようでうっとりとした。
腐敗を少し正し、殺人の罪を自ら負い、カップルは再出発、ベドラムからの解放、判事も元の通り仕事をする。ハッピーエンドだけれど失ったものは大きい。純粋に弟子たちのやり取りを楽しむ日々がもう訪れないことは確かだ。
ナイジェルは死者の世界で満足を得ただろうか。
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陰鬱な展開が18世紀ロンドンの雰囲気と絶妙なアルモニカ。大作すぎて登場人物が覚えきれなかったのと、前作『開かせて〜』がネタバレで2作目から読んでしまって勿体なかったのが心残り。他も探してみようかな。
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法律があってないようなもので、公の警察もいない…イギリスにもすごい時代があったんだと、当時の人達は怖かっただろうなと思った。前作からの登場人物に加え、今作での事件が合わさり謎が謎を呼ぶ内容だった。そんなところとそんなところであの人とその人が繋がっているのかい…と頭がこんがらがるし、完全にハッピーなエンドではなく何となくモヤッとする感じに、この本らしさが現れているなぁと思いました。
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前作以上に真実に行き着くまでの壁が幾重にも張り巡らされているように感じた。また、前作の登場人物プラスαになるのは仕方ないが、かつ外国の名前というのもあって、読み進めるのに頭が疲れました。
ナイジェルの手記の最後の文を読んで、涙が出そうになりました。