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『ドゥームズデイ・ブック』が面白かったので手に取ってみました。が、テイストは全然違いました。こちらはとにかくギャグとペダンチックな雰囲気がぷんぷん。乗れればいいでしょうがそうでないと…、というオックスフォード伝統(?)の文学をある意味シニカルなほど受け継いでいます。まあ、たぶん『ボートの三人男』と「ピーター・ウィムジー卿」シリーズはおさえておいた方がいいのかな(どちらも未読)。
面白いですよ。おもわず笑いますけど。
でも、主人公が眠れない話は、疲労が伝染してきてつらいです。
以下下巻。
あ、一つ。「ドゥームズ…」で思ったのだけれど、現代から中世にヒロイン救助にむかう際、ヒロインの降下直後にポイントを設定すれば、彼女は中世での苦労をしないですんだはず。それをやらないのは、理由を読み飛ばしたか、と思ったのだけれど、このお話では、ほとんどそれに近いことをやるシーンがでてきます。
あれ?
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「ブラックアウト」「オールクリア」「ドゥームズデイブック」の順で読んで、本作。思いっきりドタバタコメディ。「ブラックアウト」の出だしもこんな調子だったな。後半物凄くシリアスになったけど、本作は徹頭徹尾この調子みたい。どっちもコニーウィリスの持ち味なんだね。
「ドゥームズデイブック」の姉妹編との謳い文句だから、またまた泣けるのかと思ったらトンデモナイ。大森望先生のあとがきの如く『ヴィクトリア朝タイムトラベル、スチャラカラブコメ大作戦!!』 下巻に続く!
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『航路』『ドゥームズデイ・ブック 』の
シリアス路線とは一味違うコメディ。
語り手、主人公が疲労困憊で混乱気味なので
最初の方は混乱に付き合わされて読みにくいが、
周りの見えないマイペースな登場人物、
当初自分すら見失っている主人公、愛すべき動物
に魅力的なヒロイン。ドタバタコメディラブロマンス
にならない方がおかしい、娯楽作の要素たっぷり。
数多く繰り返される引用、ヴィクトリア朝、
知らないことに興味をひかれて調べるのも副作用。
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SFは総じて導入の設定を読み込むのが大変。なのでこの本に限ったことではないけれど最初がしんどい。けどそこさえ乗り越えてしまえばぐいぐい読ませるお話でした。タイムトリップが可能になった時代に空襲で焼けた大聖堂を再現しようと躍起になった女王?政治家?金持ち?権力者に振り回され、そのせいで起きた時代の齟齬を直すためにさらに振り回され………上巻なのでまだ先わからず。主人公可愛いヴェリティ可愛いフィンチがいちばんすき。そしてトシーの赤ちゃん言葉は最初は本格的にイラついてたけどだんだん愛らしく感じられてくる病気。
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ヒューゴー賞とローカス賞のダブル受賞を果たした本書は、コニー・ウィリスの人気シリーズ<史学部シリーズ>の第2弾。
いったいこのシリーズだけでどれだけの賞を受賞したのか気になるところです。
全2巻。シリアス路線だった前作「ドゥームズデイ・ブック」と異なり、今作はどたばたコメディ。抱腹絶倒もの。
そして単なるどたばたコメディではなく、SF、ミステリー、そしてラブロマンスも兼ねそろえた充実ぶり。こういうと、ごちゃまぜな感がありますが、うまくバランスが保たれているのは、著者の技量によるものか。
ウィリスのシリアスな作品も好きですが、どちらかというと「まれびとこぞりて」のような作品が好きな自分にとっては、もの凄く楽しく読み進めることができました。今回は結構笑ったなぁ。
相変わらず「人の話を聞かない登場人物」の存在が強烈。もはや様式美ですね。
本書では、前作に比べてさらにドギツイ登場人物が登場します。それはもちろんレイディ・シュラプネルとミアリング夫人(他にもたくさんいますが…)。なかでも烈女シュラプネルの理不尽を通り越した要求の数々には、怒りを通り越して、思わず笑ってしまうほど。この女、殆ど登場しないのにかなりの存在感。苦難苦悩、紆余曲折を経てようやく見つけた主教の鳥株に対して彼女が投げ掛ける一言には、「こんのクソババア!」と返したくなりますが、これもまあ彼女らしいといえば彼女らしい。
一方、肝心のSFの部分では、カオス理論を基軸とするタイムトラベルの仕組みが少しばかり明らかになるところも。
ここでのタイムトラベルは、過去に戻って出来事を変えることにより、未来を変えることが「できない」とされます。したがって、未来を大きく変えるような過去での行為は、そもそも「過去では行えない」か「その後の調整により無効化」されます。「その後の調整により無効化」とは、最終的な結論が同じになるよう、未来に大きな影響がない範囲で途中のプロセスが改変されること。こういった幾つかの制約、そして神の見えざる手により、未来は保全されるのです。
ところが、本書ではタイムトラベル上では「できない」とされていた行為が行われてしまいます。
それは過去の「モノ」を現在に持ち込むこと。
なぜ実現不可能な行為が行われてしまったのか、そしてその影響とは…?
このあたりの謎を解明することが、本書のミステリー要素の核となる部分。そして、本書の終わりに明らかにされる壮大な仕掛けは、「おおきな風呂敷を広げたなぁ」との印象が拭えません(笑)。なぜかヴォークト「イシャーの武器店」のラストを連想したこの大風呂敷。果たしてきちんと閉じられるのでしょうか。
さて、文庫版の装丁にもなった犬のシリルと猫のプリンセス・アージュマンド。
この2匹にとにかく癒される本書は、頁数の多さが気にならないほどストレスフリーに読み進められる傑作でした。
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ドゥームズデイ・ブックと比べると感動がない
表紙 6点松尾 たいこ 大森 望訳
展開 6点1998年著作
文章 7点
内容 700点
合計 719点
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出だし、なんか意味がよくわからなくてあまり進まなかったのだけど、あとがきを読んだらそれは当然のことだったらしい(笑)。主人公の任務というか、休暇のため送り出されたのに話がかえってややこしくなっているんだということが明らかになるころからぐんぐんおもしろくなった。
犬猫に振り回される主人公がなんともおかしい。ていうか、教授にも、まわりの人たちにもひたすら振り回されているんだよね。いいのかそれでw
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2057年イギリスのオックスフォード大学が舞台。
過去へのタイムトラベルが可能になり、歴史を学ぶ学生は過去に潜入して研究していた。
最初は読みにくかったけど後半になるに連れてどんどん引き込まれる展開に。
過去の時代の風習に戸惑ったり、強烈な個性の人に振り回されたり読みながら笑える場面が多いです。
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文章と相性がよくないのか、独特のコメディ要素にいまいち乗り切れていないせいか、あまり楽しめていない。話の大きな流れの先が気になるので読んでいるという感じ。
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犬を勘定に入れないなんて酷い!と思いつつタイトル買いしたものだが、シリーズものだと気付いて長いこと積読されていたw
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航時部シリーズ。過去にタイムトラベルして歴史上の出来事を調査などしている。今回はコベントリー大聖堂の主教の鳥株を探すというミッション。今回は(少なくとも上巻では)何かパニックになるのではなく、ビクトリア朝のイギリスに降下して、テムズ川を下って歴史の齟齬をなくすミッションだ。その他光景が、ジェローム・K・ジェロームの著作「ボートの三人男 犬は勘定に入れません」につながる。本書を読むのなら、こちらを先に読んだ方がより楽しめる。クスクス笑いながら読めるだろう。なお、航時部シリーズは浮き足だった感じで物語が進行するのが多い。ただし、本作も基本的にはそうなのだが、「ボートの三人男」のようにゆったりとした感じもある。そこが異色かな。
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SFの世界を楽しむには、いや、なんというか真の意味で?楽しむにはまだ100年早い、と感じずにはいられないわけだけど。この本が有名な賞を受賞して、みたいなのを読んでもまぁへぁあぁそう、だけど。
でもこのシリルとプリンセスはなかなか良い味を出していて、うん、そこだけは分かった。やっぱ動物が入り込んで、なおかつコミュニケーションできてると場が和みますわ。
概ね説明とか難しすぎて頭に入ってこなかったけど、やり取りが楽しげで満足なので、とりあえず分かったふりだけする。
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暴君の上司にこき使われて休む暇のない主人公が、ひょんなことから現代に持ち帰られてしまった猫ちゃんをヴィクトリア朝時代に戻しに行ったけど…という話。
題名からもわかる通り、「ボートの3人男」が話に絡んでくる。私はこの話が大好きなので、じゃあ読まねばならん!ということで購入。読み始めはそんなに「3人男」は出てこないし、「3人男」みたいに笑えるわけでもないし、個人的に主人公のように(は言い過ぎか)仕事がハードだったりして、そんなに読み進められなかったけど、後半、ある貴族の家を訪ねたあたりから笑いも出てきて楽しく読めた。と同時に、猫が持ち帰られたことで起きそうになっている歴史の齟齬はこの後どうなるのか、暴君上司からの無理難題の品は果たして見つけられるのか、そして主人公は休めるのか、などなど、後半に向けて楽しみなところも出てきた。続きも読みます。