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いや、これは素晴らしい。うちのようなコンサバな職場にどう展開するかは問題として(イノベーションという言葉におどらされがち)、本書に示される発想、視点は十分にありと思われる。もう一歩、日本向けの内容を追記いただければ幸い。ただ、シリコンバレー系の指向で行くと、だいたい潰される。その回避の例も、最近は国内で沢山出ているはずだ。それをリサーチして2、3章に分けて分析されれば、本書はまさにイノベーションの指南書となるのでは?(えらそうにすいません)
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本来はデザイナーとかプランナーと呼ばれる人達向けに、イノベイティブな商品やサービスを生み出すための手法、コラボレーションのお作法について書かれたものだと思うが、私はそういった方々を支援する側の人間、という切り口で読んでみた。
つくり方が変われば、当然支援の仕方も変わるわけであり、参考になった。支援者側の役割として「元々持っていたものを引き出す。能力が発揮されることを妨げていたものを取り除く」という考え方は明日から実践しよう。
フィールドで観察する、自由なアイディアをブレストを通じて作り出す、プロトタイプを作って考える、物語を作る。
デザイナー・・・これまではインハウスが当たり前
テレビはテレビ、車は車、食器は食器ばかり
→ある意味職人だが、製品はサービスの全体をデザインすることは出来ない。
連携
従来型発想・・・協働で作業するルールや責任の範囲を決める→失敗のリスクを減らそうとするもの
+お互いのリズム・ペース・特徴を確認、尊重しつつしながら作業すること、
すなわち、作業時間を共有するためのもの。
新しいプロジェクトで新たな価値を出そうとすると、互いの価値を出し合ってブレストしていかないと先へ進めない
PMの役割
元々持っていたものを引き出す
能力が発揮されることを妨げていたものを取り除く
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奥出先生にお話を伺った後に、読了。先生がおっしゃっていたように、デザイン思考を身に付けるためには実際に実践して身体知で捉えないといけないと感じる。読むだけではいまいち表面的な理解しかできない。
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フィールドワーク、プロトタイプ作製、異部門との共創という3つのステップ(デザイン思考)にてイノベーションを創出せよという本。
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・慶應大学院の教授が書かれた本ということで、難しいのかな?と思ったら、章立てが絶妙で、とても解りやすいです。きっと一流の教授になると、難しいことを噛み砕いて説明するのも上手いのでしょうね。
先に手に入れた『クリエイティブ・マインドセット』に手をつけないうちに、また新しい本を手に入れてしまいました。著者の奥出直人先生は、慶應義塾大学院メディアデザイン研究科の教授で、多くの企業にイノベーション・コンサルティングをおこなっているそうです。
#いつのまにか忘れられてた手法?
①現場に行き直接消費者を観察する。②観察をもとに仮説を立て、プロトタイプを繰り返しつくって考えアイデアを出すことでコンセプトを明確にし、物語をつくる。③何を省いて何を実装するか考える。④出来るだけ早く商品やサービスを市場に出して反応を見る。というデザイン思考…
1970年代の終わりから1980年代の初め(37~39年前!)にかけて、桑沢デザイン研究所で工業デザインの教育を受けた私にとって、③までのプロセスは、普通のこと、このようなアプローチは、当たり前だろう!と思うようなものなのですが、多くの会社のトップ・マネジメントは、経営の効率化とマーケット・イン思考なんですよね。
デザイン思考は、商品・サービスの開発が、販売を目的とする初期のマーケティング手法によってコントロールされている企業で、いつのまにか忘れられてた手法なんですね。
#トップ自身がデザイン思考でないと
エンドユーザーに使っていただく商品やサービスを提供している企業であっても、中長期的な開発方針を立てるでしょうし、次の期が始まる3ヵ月前に新製品の開発にかかる予算を決めなければならないと思いますので、デザイン思考に求められるフットワークの軽さを実現することが難しいでしょうね。そして何よりも、デザイン思考を実行しイノベーションを起こすことが出来る組織は、トップが気がついているんですよね。
> 現在消費者は映像や音楽などのコンテンツとハードウェアの継ぎ目のない関係を求めている。
#顧客はドリルではなく、穴(孔)を求めている。
という話に通じると思いますが、モノそのものを求める時代から、コミュニケーション(表現)を求める時代(モノは手段)に変っているんですよね。顧客が求めているのは、自分のファンをつくる手段なのかもしれませんね。
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サービス(触れることができないもの)を目に見えるものに変える。
イノベーションの領域①財務②プロセス③商品・サービス④デリバリー
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デザイン思考の道具箱
イノベーションを生む会社のつくり方
著:奥出 直人
ハヤカワ文庫 NF398
おもしろかった
コンピュータと人間の、デザインを行うことを、「インターラクション・デザイン」といっています
インターラクションとは、対話性、相互関係といった意味です
インターラクションをデザインするためには、時間とともに展開する物語を語らなくてはいけない
本書は、イノベーションを起こすためには、ものづくりのプロセスを見直し、プロトタイプのやり方を変えていちはやく、商品やサービスを市場投入しなければならない
そのためには、コンセプト・モデルの構築を行う《ここがキモ》
その方法がインタラクション・デザインである というのが主旨かと思います。
段ボールや粘土をつかって、疑似商品をつくる
どううごくかを考えながら、絵コンテをつくって、ビデオにとって編集する がキモです
ダーティープロトタイプといっています
気になったのは、以下です
・優秀なエンジニアや科学者は、アメリカや日本だけでなく、労働力の安い国にもたくさんいる。
したがって、知識と技術の優秀さだけで商品を開発していたのではこれらの国からやってくる商品と市場で競争できなくなる
・21世紀に生き残るためには、先進国の企業は、創造的にならなくてはいけない
・イノベーションを推し進めるための活動
①観察:市場を観察する
②仮説検証:観察をもとに、仮説を立てる
③デザイン:実際に商品やサービスを市場投入するには、なにを省略し、何を実装すればいいのかを考える
④市場での検証:できるだけ早く市場投入し、市場の反応を見る
・ティム・ブラウン
人間に関わる問題を解決しながら、ビジネスを成長させ、競争に勝つためには、創造性の強化しかない
そのためには、R&Dの先端を消費者ニーズに結びつけるしかない
・創造のプロセス
①哲学とビジョンを構築する:哲学とビジョンが必要である。哲学とは問題意識、ビジョンとは欲望である
②技術の棚卸とフィールドワーク:現場にいって自ら驚き、不思議に思うことが重要
③コンセプト・モデルの構築 《ここがキモ》
粘土をつかって、プロトタイプを作る⇒フォームプレスという
段ボールや木材などを使って、実物大のプロトタイプを作る⇒ダーティプロトタイプ
次にここを押せばこうなるといった動作を、ビデオ撮影する⇒ビデオプロトタイプ
そのためには、絵コンテをつくって、インタラクションを確認できるシーンを用意する
④デモンストレーション用プロトタイプをデザインする⇒ダンボールなどでは金がかからない、やるべし
⑤実証
⑥ビジネスモデル構築
⑦ビジネスオペレーション
・師匠・弟子モデル 人を勝手に師匠に仕立て上げる方法⇒どうなんでしょう?⇒プラクティスと読んでいます
①自己紹介
②トランジッション 師匠にやり方のルールを説明する
③コンテクスチャル・インタビュー 師匠に疑問におもったことを聞きまくる、電話する
現場で質問する
濃い記述を心がける:ラップアップ
5つのワークモデル
①フローモデル:複数の人間の役割分割と、調整をワークフローとして表現
②シークエンスモデル:行動手順の時系列化
③アーティファクトモデル:絵や写真にコメントがかかれたもの、構成、戦略、目的を示す
④文化モデル:行動がおこなわれている環境の文化を影響者と影響の形で図示する
⑤物理モデル:行動を行う現場を描いた図を作る
・アイデアをおもいついたら、すぐ、プロトタイプをつくってみる
議論よりも、なによりも、まず、つくる (段ボールとかでといっています)
プロトタイプとは、技術を見せるデモではなく、製品やサービスとはどんなものかと表すもの
それから考える
・プロトタイプには2種ある
①コンセプトが有効かどうかを検証するもの
②製造コストなどを考慮して製品化可能かどうかを検証するもの
⇒本書であつかっているのは、前者①のプロトタイプである
⇒それも、段ボールなどをつかってつくる、ダーティプロトタイプである
・ダーティープロトタイプの作り方
①フォームプレスト:
形をつかった、ブレインストーミング
ブレイクスルー:フォームブレストの結果をメモ書きして、アイデアを出し続ける
②ダーティープロトタイプの検証ポイント
・スケール感
・インターラクション
・特徴のディテール
③ビデオプロトタイプ
映像制作
絵コンテ
ロケハン
キャスティング
編集
・3Dプリンタなどを使う
・ものづくり塾、ものづくり道場などをつくって、啓蒙する
・創造の方法、3つの階層
①哲学+ビジョン+オペレーション 実際の社会に直面 トータルデザイン
②コンセプト+ビジネスモデル 商品開発+売る仕組み ソリューション
③デザイン+実証 実際に手を下して商品を作る ダイナミックデザイン
目次
序章 デザイン思考前史
まえがき
第1部 デザイン思考で経営する時代
第1章 知識から創造性―経営戦略が変わる
第2章 デザイン思考の試み―IDEO、Dスクール、そしてiPod
第2部 デザイン思考の道具箱 創造のプロセスとプラクティス
第3章 創造のプロセス―デザイン思考の道具箱
第4章 経験の拡大―創造のプラクティス1
第5章 プロトタイプ思考―創造のプラクティス2
第6章 コラボレーション―創造のプラクティス3
第7章 イノベーションを評価する―創造のプロセスの下流
あとがき
補論 デザイン思考の未来
解説 日本企業にこそ必要なデザイン思考/米倉誠一郎
ISBN:9784150503987
出版社:早川書房
判型:文庫
ページ数:320ページ
定価:700円(本体)
2013��11月15日発行