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就活をテーマにしていますが、日本の社会と会社の転換期について書かれた本ともいえます。5つの社会変革の提言は、3・11以降、ビジョンというよりTo Doリスト化していると思います。本書の問題把握が本質的であればあるだけ、新しい世代のこれからは大変!「年長世代の自明性を破る提案を連発しつつ、相対的に人間関係を台無しにしないで済ませる能力」なんて、なんとスーパーなコンピテンシーか…しかし、試行錯誤しながら他者性を獲得しようとするしたたかさはこれからの時代に本当に必要な力であるともいえます。ただ、就活世代に求めるだけではなく、会社がどう変われるのかも同時に問われているのだと思います。「就活原論」の続編として「リクルーティング原論」も読みたい!
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原論」と名のつく通り、内定をもらうための小手先のテクニックを書いた本とは真逆の骨太な内容。タイトルに「就活」と入っているが、大学3年生だけでなく、むしろ高校生、大学1年生が読むべきものだと思う。また、社会人が読んでも、自分のキャリアを考えるための良い教材になると思う。
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就活についての本のようにも見えるが、仕事と生き方の本である。
一度就職した今では、就職活動が遊びに見える感覚があるが、それは視点が「就職する」から「どんな仕事をするか」に移ったため。
本書は、大学生が就職をするための先に視点を移す事が出来る良い本だと思う。
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後輩たちの「2カ月遅れ就活開始日」記念。
本書は「就活本のバカヤロー!」と、就活マニュアルを批判しつつも、本書自体が一種の就活マニュアルの様相を呈しているのが否めない。
「『最適の仕事』なんてない」
「そもそも仕事は実現の最良の方法ではない」
「『絶対内定』式の自己発見の方法は表層的には役に立たない」等々語られている割に、
「常に人生の最終目標を思い出せ!」なんて書いてあったりする。
大抵の学生は「人生の最終目標」なんてものを持っていないし、それを見つけようと「自己分析(笑)」に走る人が多いのが現状なのでは?
むしろこの発想は「絶対内定」に近いような?
「中小企業を狙え」という本書の主張は他の就活本にも書いてあったりするけれど、日々新聞で「不祥事を起こしたり巨額損失を出しても、巨大企業なら潰れない」という現実を目の当たりにされればそりゃ大企業を目指したくもなるわな。
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とはいえ共感できた部分もちらほら。
「最近の若者は、『摂氏25度から30度の間では極めて高性能に作動するが、それ以外の温度では使い物にならなくなる』というように、作業限界がとても狭くなっている」
「コミュニケーション能力は文脈をコントロールする力を含む。たとえば『自殺したい』と友人から打ち明けられた場合、真っ向から「生きていれば良いこともある」という類の表層的な発言をすると相手を余計に死に追いやることになる。「お前が死んだら俺は悲しい」というような言葉がリアリティを持つほど信頼関係が築かれていないのなら、「とりあえず腹減ってない?何か食べてから話そう」と文脈をずらす能力が必要になる」
「学問の学問性は、対象によってではなく、方法によって決まる(故・小室直樹氏の言葉)」
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【リード】
社会を空洞化させる企業行動・人生を空洞化させる仕事の仕方
【内容】
○ 10年後に企業が何を作っているか、どんなサービスを提供しているか定かでない。そのために、「適応」ではなく、「適応力」が求められるようになっている。
○ ホームベースがあるものは燃え尽きずにモチベーションを維持できるが、ホームベースのないものは、途中でモチベーションを失う
○ ワークライフバランスとは自由な時間に趣味を楽しむという意味じゃない
○ 内定を取りまくるのは、「自分は何でもやれます。実際こんなことをやってきました」という学生
【コメント】
『日本の難点』の著者。首都大学東京の元就職支援委員長。
キャッチーな帯だったので、リクルータに選ばれたこともありジャケ買いしてしまったが、内容はかなり骨太。
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タイトルこそ就活だが、内容はそんなものにとどまらない。就職とは全く関係ない自分が読んでも非常に面白く、ガツンとした衝撃があった。良書。
1.「任せて文句垂れる社会」から「引き受けて考える社会」へ
2.「空気に縛られる社会」から「知識を尊重する社会」へ
3.「行政に従って褒美を貰う社会」から「善いことをすると儲かる社会」へ
4.「国家と市場に依存する社会」から「共同体自治で自立する社会」へ
5・「便利と快適を追及する社会」から「幸福と尊厳を追求する社会」へ
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就職してしまった人が読んでもオモシロいと思います。職場のメンタルヘルスチェックを受けているような気持ちになりました。自分には帰る場所がある。仕事以外に、打ち込めるものがある。自分は周りから理解されていないと感じる?チェックをしていけば、適職を見付けないと!という幻想に苦しめられず、職を持つのことの考え方も変わっていくような気がします。
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巷に溢れる就活マニュアルとは全く違い、<脱>就活マニュアル的な本。
就活が適職があるという幻想に踊らされていることや、自己実現の最良の方法でないことを明晰に示している。他のことを疎かにして就活だけうまくいくはずないということ。たとえそれで就職できたとしても持続できない。
この本で自分が大切だと感じたのは、仕事がどうであろうと自分が自分でいられること。自分を入れ替え不可能な存在として承認してくれる人間関係さえあればどうとでも生きていける。依存せずに自立できるためのホームベースを獲得できるように、就職の意味を再検討するための一冊。いや、幸せになるための生き方を見つめなおす一冊。
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個人が攻撃呪文だけじゃなく、防御呪文と回復呪文を発動出来る環境作りこそ必須。個人と環境、どちらにも働きかけたい。
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著者が批判する「就活マニュアル」や「自己啓発本」をそもそも読んだことが無いのでその辺の話はよくわからないが、まだ就活を考えていない院志望の自分にとっても興味深い内容だった。
むしろ、就活を考える前にこの本に出会えたことを嬉しく思う。
「本来の自分」をホームベースに置き「仮の自分」を職場に置くという著者の理想。
「仕事による自己実現」を謳い「共同体の空洞化」を招いた就職の現実。
僕が就活をするときにはどちらにバランスが傾いているだろうか。
でもそれは悩んでも仕方ない、社会が決めることなので、僕らは黙って自分を磨いてりゃいいんでしょうね。
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宮台という人は、何かに対するアンチテーゼの取り方がうまい。
頭が良いという評価は、
・否定という行為
・提示する新たな結論の妥当性を問わせない
という方法によって、成立するのかな。
形あるものをぶっ壊し、
形無いものを作ったりする。
作品を壊して、壊した残骸をもって、これが新たな作品だと主張する。
あと、現代というものの捉え方は文化人たちはある程度一定したスタンスをとっているんだなというのが、最近その手の方々の本を読むようになってきて、思うことであります。
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社会学の流れを踏まえて就活についての具体的な手法ではなく、就活への取り組みの「心構え」についての本。
現状が良い社会かどうかは置いておいて、とりあえず現状を正しく認識させようという感じ。
特に「ホームベースを持て」というのは、社会学者ならではの助言だと思う。
ただ難点としては、これを最後まで読める学生は満足な就職ができるんじゃないの?っていう疑問。
つまり、救われない学生に対する「救いの手」になっているかどうかは微妙だと思う。
(「最後まで読む」という程度の努力ができなければ満足な就職は難しいとも言えるが)
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最近就職関連のことを調べてるため色々読んだが、この本が一番実が詰まっていると思う。
抽象的な議論に終始せずに、具体的に述べることができてわかりやすい!
良い本だと思います
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先日、金沢での集まりで話題となったので、早速、読書!
筆者は、首都大東京(昔の都立大)の教授で、女子高生の援助交際研究で話題となった人。彼が就職委員長として活躍していたときに感じたことをまとめたもの。
金沢では、学者先生の独りよがりな指摘が多いものの、現場に立つと感じることが多いと話されていた。確かに自分も学生に『自分の頭で考えろ!!!」と思わず言ってしまうことも多く、共感する点も多かった。
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ボランティアとか会社家庭に依存しない第三のホームがこれから生きてく上でPriorityが一番になっていくしそれで幸せになるしかない