紙の本
一芸一能は最強を超える
2003/06/10 22:31
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投稿者:鬼島 空 - この投稿者のレビュー一覧を見る
連載第一回を読んだとき、これはくると思った。クレバーな構成。十分な画力。質の高い少年マンガだ。
だが、わたしが何よりこのマンガが素晴らしいと思うのは、「欠如からはじまる」という構造を持っているという点だ。登場人物たちは、皆、オールマイティーなヒーローではない。主人公のセナは、ひ弱ないじめられっ子だ。だが、驚異的に脚が速い。それも、小さな頃からパシリで鍛えられてしまったから、という理由で。主人公を圧する存在感を持つキャラクター、セナをアメフトへと引きずり込むヒルマは、戦略を考える頭脳も練習によって支えられた正確なパス能力もある。だが、彼の作り上げようとするアメフト部は、連載開始時、二人しか部員がいない。温厚なラインマン・栗田。彼はパワーはぴか一だが、如何せん脚が遅すぎるし、さほどのテクニックがあるわけではない。ライバル校、王城高校の桜庭。ルックスも背の高さも、そこそこの脚の速さもある彼は、だが、アメフトに専心する心の強さがない。
最近のジャンプの連載作品を読んでいて、割と最初から何でも持っている少年が主人公の話ばかりだと思っていた。天才的な身体能力。偶然授かる奇抜な能力。霊力。英才教育。特別な生まれ。素晴らしい教育者が特別扱いしてくれる。確かに読者としては、そんな主人公の超人的な活躍を見れればスカッとする。マンガの世界でくらい、辛気臭い思いはしたくないものだ。だけれど、現実の人間の誰だって、それ程までに恵まれていた試しがあろうか。そんな恵まれた少年たちの物語は心に響こうか。何もかも持つ主人公ではない現実の私だから、挫折から、欠如から、立ち上がり、自分にできることを始めようとする登場人物たちの物語が胸に響くのだ。
この巻では、捕球能力だけはあるが送球やバッティングはからっきしのモン太が、一度野球部で挫折することで、アメフトの世界に入る。「ひとつのことしかできないようなやつはいらない」総合力勝負の野球に対して、アメフトは、「なんかひとつできる奴が欲しい」「専門職のゲーム」だ。このマンガでは、その専門性が、キャラクターの個性化につながり、アメフトというスポーツ自体の面白さを描くことに成功している。「欠如からはじまる」という構造は、アメフトというスポーツ自体の持つ特性が存分に活かされた結果なのだろう。
そしてこの3巻の圧巻のシーン。セナたちのライバル王城高校のエースであり、パワーも高校最速の脚も持つとされる最強の男・進清十郎は、このマンガで唯一欠如のなさそうな人物だが、そんな彼が一度だけ、セナに抜かれる。欠如が一芸一能を生み、困難を突破する力を与える。誰より脚が速ければ、誰より力がなくたって、きっと道は開ける。冒険は始まる。逃げるためだった脚の速さが、戦うためのものになる。
欠如から立ち上がり、走り出すこと。「アイシールド21」は、このテーマを幾人ものキャラクターを通じて、くりかえし描く。そのシーンは、幾度見ても、良質の娯楽作品が持つ素直な力と勇気に充ちている。
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この漫画の全盛期はここまでだと見てます。セナが進を逃れる「4秒2」のあのシーンはいつ何度見てもゾクゾクする。
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もう少しで…。対王城戦、50点と点差は開き勝機を失った泥門。だがセナの内には、進を抜きたい、勝ちたいという感情が湧き上がっていた。その情熱は、音速を越える光速の世界を見いだすことができるのか…!?
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ほんとにはまったアメフト漫画。
最近の展開はちょっと納得できないところもあるけど、初期は本当に大好きで何度も読み返しました。
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プロローグ終了。そして物語は核心へ・・・
うまくいったの始めだけ。
徐々に実力差で点差が離される対王城戦。
それでも決意を胸に立ち向かう主人公セナ。
痛みをこらえ、死力を振り絞り、そして・・・
光速の世界―――
それは史上最強ラインバッカー進が初めて見る、自らの力が及ばない世界。
試合は王城が圧勝したものの、敗北感を植えつけられた進はセナに言い放つ。
全国大会決勝(クリスマスボウル)に行くのは王城だ
それは敗北した主人公セナにとっても、また新たな目標になるのだった。
結局試合に負けてしまった主人公の泥門デビルバッツ。
初めての決意を胸にアメフト部の試合に参加した主人公セナ。
試合後、放課後の教室で、試合の興奮を思い出すと共に初めての敗北を実感し、そして・・・
終わったんだ、もう
たった2週間の・・・夢みたいだった
もしうちが強ければ、まだ大会はずっと続いてて
今だってフィールドに・・・
それは多分、主人公の初めての悔し涙。
じわっとこずにはいられません。
そこに引用される、テキサス大フットボールコーチのダレル・ロイヤルの手紙。
フィールドでプレーする誰もが必ず一度や二度の屈辱を味わわされるだろう
打ちのめされたことがない選手など存在しない
ただ一流の選手は
あらゆる努力を払い速やかに立ち上がろうとする
並の選手は、少しばかり立ち上がるのが遅い
そして敗者は、いつまでもグラウンドに横たわったままである
雨の中、泥まみれになりながら一人練習する主人公。
新たな決意がここに
そして新たな仲間、モン太がデビルバッツに参加。
野球部に在籍しキャッチの才能を持ちながらも、総合力がなく悩むモン太。
総合力ではなく専門的な能力が必要となるアメフト。
その狭間で葛藤し挫折を経て、新たな地平をデビルバッツに求めアメフト部に入部。
すいません!
俺、野球選手にはなれませんでした。
でも今は初めて
俺のことチームに欲しいって言ってくれる奴等がいるんス。
俺・・・そっちで頑張りてえ!
モン太を加えたデビルバッツの次なる相手は、不良ばかりの賊学。
頑張れ、デビルバッツ!
勝利、敗北、才能、努力、後悔、挫折、決意。
様々なキャラクターの様々な感情がいかんなく描写されるこの第3巻。
プロローグの終わり、そして次への始まり。
新たなデビルバッツの活躍に期待です!
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セナの頑張りには胸を打たれるものがあるなあ~……
進から逃れたとこは地味に感動したよ(´;∀;`)
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もう少しだ…もう少し速く… 逃げる? 違う! 勝つんだ!
フィールドでプレーする誰もが必ず一度や二度屈辱を味わわされるだろう 打ちのめされたことがない選手など存在しない ただ一流の選手はあらゆる努力を払い速やかに立ち上がろうとする 並の選手は少しばかり立ち上がるのが遅い そして敗者はいつまでもグラウンドに横たわったままである
理想とは違っちゃったけど 今のがもっと楽しい そういうことだってあるよ!
決勝で待つ
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「王城ホワイトナイツ」と対戦している泥門は、進に攻撃を封じられ負けが確定した。アイシールド21は進と戦いながら、試合中にどんどん成長していく。
春の大会に負け、ここからがスタートといったストーリー展開だった。
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モン太でてきた!
進に正体もばれた!
しかし他の漫画だとヤン車の改造とか適当なのにこの漫画だとやたらリアルなのなんでだろw
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進清十郎には一矢報いたものの敗北を喫する泥門デビルバッツ。落ち込むヒマもなくクリスマスボウルを賭けて争う秋季大会に目標を移し、部に不足しているレシーバーを探す。野球の道に挫折した雷門太郎のキャッチング能力に目をつけたヒル魔は彼を拉致。嘘八百を並べ立て部に引き入れることに成功する。まともに入部した奴がいない。しかし野球が好きなせいかモン太の諦めきれない姿には結構ジンときてしまう。無力感と孤独感に苛まれ涙する桜庭もいい。進清十郎アクションスター化。渋い彼の姿に興奮するセナとモン太が微笑ましい。江戸テレビのカメラマンが畜生。この三人も好きなキャラだけどね。
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「勝ちてえのか?進に」そのための努力を全く惜しまないのが蛭魔のいいところやね。そして1度目の挫折をした桜庭はいつ立ち上がるのか。試合を撮りに来てた江戸テレビのスタッフはクソだけど、身長差30cmのミスマッチであそこまで競れたセナに眼をつけたディレクターさんっぽい人は有能。あと、首大事。
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ついに進が出て来てボコボコにされながら、気持ちで負けないセナ。かっこいい!
モン太も加わり、またひとつ強くなりました。
しかし進、なんでアイシールド21だって分かったんだろう。ひったくり犯はご愁傷様というしかない。
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ヒル魔がもう上がるって言った時に「クォーターバックの代わり誰がやる?」って話してるの、石丸じゃん……。あいつ良い奴すぎるな……。
こんな序盤から既にムサシ出てきてるの、伏線の張り方本当に凄いな……稲垣先生天才だな……。
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セナの心に、「進に勝ちたい」という思いが生まれたのと、それに対するヒル魔の対応がとても良かった。
モン太の仲間入りにより、更なる成長を遂げる泥門デビルバッツを早く見たい。