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まず、最初の感想としては「読み物として非常に面白い本」です。
日本株に失われてしまった爆発的な成長力を持つ新興国の情報が詰まっています。
外国株の魅力が語り尽くされています。
外国株への投資を検討するに当たり、投資対象の国をよく知る必要があります。
この本には各国の経済状況や代表的な銘柄が記載されており、非常に魅力的な国が多いと感じました。
テレビの報道のみの情報で「治安が悪くて、経済もボロボロ」だと思っていた国が、実は爆発的な成長を遂げていたりという情報があったりと、作者が各国に訪問した生の情報があるのだと感じました。
一方で、日本の証券会社から投資できる国というのは限定されています。
ほとんどの証券会社はアメリカとアジアの一部ぐらいが関の山でしょう。
でも、この本は日本にとってマイナーな国の情報まで紹介されています。
(私も聞いたことがないような国もありました。)
ですので、この本に書かれているすべての国に直接投資ができるかと言えば、個人投資家では到底無理だと思います。
個人投資家がアクセスできない国への投資の現実的な解決策として、ADRやETFが紹介されていましたが、ETFを買って「世界各国に投資したぞ!」というのは、ちょっと味気ないですね・・・
自らの足で世界を旅する圧倒的な行動力と各国に投資をするほどの語学力がある人こそがこの本を使いこなせるんじゃないかと思います。
また、この本は「新興国・フロンティア株式はすごくいい!」と主張されていますが、今はQE3の出口が見えていて、新興国から先進国へのリパトリエーションが起きてる真っ最中なので、地合いもあまりよくないですね。
地合いは著者がコントロールできるものでもないので仕方ないのですが。
ただ、QE3が完全にクローズした後で新興国株式が安くなった時には、この本の真価が発揮されるのではないでしょうか。
円高になったタイミングを見計らってADRやETFを買いまくると数年後には大きな利益が出ているのかもしれませんね。
実際に紹介されていた国に投資できるかは置いておいて、私にとって外国株のエントリーの背中を押す本になりました。