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亡くなった恋人への復讐のため、化物と化した男の物語。女性2人が焼け死ぬという残虐な事件真相が被疑者や関係者への取材という形で明らかになる。しかし、最後に大どんでん返し。ページをめくり返すことになる。
善悪を超越した悪の存在といえば、『掏り』に登場する木崎を思い出す。彼は悪にすっかり毒されていたようなイメージだったか、今回は図らずもその世界に足を踏み入れなければならなくなった男の悲哀めいたものを感じた。
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狂気にからめとられる一読目。突き動かされるようにすぐに再読、そして二読目のページをめくり終えたとき、そこに全く別の物語が現れていたことに愕然とする。
うかうかと魅惑的な狂気に耽溺していると足元をすくわれる、そんな小説。
欲望から狂気へ、そしてそこから生み出された新しい何か。足を踏み込んではいけない世界、もっと見たい、その世界をもっと見たい、そう思うのはすでにその世界に染まっているからか。
作者が仕込んだ罠にまんまとはまる快感に身もだえした。
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内容紹介
『掏摸(スリ)』で話題沸騰の中村文則、
2013年唯一の書き下ろし小説!
「僕はあなたについての本を書くと決めたのです」
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。事件の全貌及び被告の素顔をあぶり出し、ノンフィクション作品として刊行することを出版社から依頼されたからだ。
被告の職業はカメラマン。その才能は海外からも高く評価されるほどのものだが、被写体への異常なまでの執着が乗り移ったかのような彼の写真は、見る物の心をざわつかせた。
彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けている。だが、何かがおかしい。調べを進めるほど、事件への違和感は強まる。そして、関係者たちの精神的な歪みが「僕」をのみ込んでいく。
彼は一体なぜ、女たちを殺したのか? それは本当に殺人だったのか?
何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かを失くした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し、事件は混迷の度合いを深めていく。
事件の真相に分け入った時に見えてきたもの、それは――?
日本のみならず世界がその動向に注目する中村文則氏、渾身の書き下ろし小説!
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うむむ、誰が誰について語ってるのか混乱して、途中休憩してしまった。
再読したらわかるかもしれないけれど、体力に余裕のある時にしよう…
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中村氏の悪のその先が知りたくて、ついつい新刊購入。本作と並行して「凶悪」を読んでいたので、今自分は悪に染まっています。
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一言で言えば、「模倣」というテーマを、作品内でも、メタレベルでも追求した作品。
読み終わったあと、気持ち悪さにテンションが上がるほど。もう一度読み返したいと思いつつ、その勇気が出ないでいる。
ミステリは苦手なので、お好きな方から見ると破綻など気になる点はあるのかもしれないが、破綻も含めてこの作品が表現したかったことだと思ってしまうのは、いささか作者に傾倒しすぎているだろうか。
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読後の感想としては、少々寂しいような、不満足感、「無理」。
死刑囚雄大にむしろ同情してしまうのは、作者の策略にはまってしまったのだろうか。
雄大の素直な性格、不足しているものへの焦燥はなんとかわかるような気がした。
死刑囚の姉は、結局どんな人間だったのだろうか?語られきらない彼女にもっと深く入り込んだ欲しかった。
距離感を出したいということだったのだろうか?
登場人物それぞれが、今少し、描かれてもよかったのではないだろうか?
姉の元交際相手であった弁護士の心情であるとか、栗原百合子の心情(きわめてあっさりと描かれているけれど、本来彼女の存在はかなりこの小説において重要な位置にあると思うんだけれど。)は、もう少ししっかりと描きこまれていたらと思う。
吉本亜希子しかり、人形師鈴木しかり、鈴木のもとにいた女性しかり。
語り手のフリーライターしかり。
もしかしてそれさえも、作者の意図なんだろうか?
ところで、最後にある、イニシャルは誰のこと?
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初中村文則さん作品を読む。
なんだか期待値の高かっただけにイマイチ。
途中から一気に真相にきてオッッとは思ったけど。
そんなに好きではなかった。
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掏摸に続いて中村文則2冊目。
掏摸が、私にとってはちょっと雲をつかむ感じで・・・難しくて、
わかりそうでやっぱりわからない。でももっと他も読んでみたい。
そんなだったので、新聞の広告で見かけたこれを2冊目に選んでみた。
何冊も読んでる方のレビューを見ると「変わってしまった」的な感想が多かったけど、
私は、好きだった!掏摸で諦めなくてよかった!
バシバシ伏線を回収してくやられた感のあるミステリーじゃなくて、
逆に、どんどん迷い込んで、自分の頭の中で組み立てていったものが揺らいでしまう。
それが全然嫌じゃなかった。
そういうのが気持ち悪くなるときもあるのに、
わからなくなっていくのが心地いい感じだった。
でも怖い。でもそれも好きだった。
よし、また次も読んでみよう。
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王様のブランチでの紹介が素敵で思わずその日のうちに買ってその日のうちに読んでしまった。久しぶりのミステリーだったけど、文章がシンプルでとても読みやすい。あれ?どういうこと?ってそわそわするのがミステリーの面白さだなあと思った。
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以前テレビで紹介されてるのを見て、気になっていた作品。雰囲気は好き。内容としては、もうちょっと書き込んでくれても良かったかも。出だしが良かった分しりすぼみに感じてしまった。
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王様のブランチに乗せられて購入。うーん、やっぱりミステリタッチの純文学って無理があるのかな。ミステリにしてはオチや動機がありふれているし、純文学にしては人物の内面にもう一歩欲しい。ただ、他者の欲望に欲望するという主人公のありかたは興味深かった。
藤原可織の「爪と目」の「あなた」も、夫の亡くなった妻の欲望に欲望していて、自己が空虚でありながらも欲望するという人物像に興味があったんだけど、結局、人の欲しがってるものが欲しくなるっていう、ジラールの「欲望の三角形」で説明ができてしまうのかな。ううむ。もうちょっと考察したい。
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土曜日寝起きでぼんやり王様ノブランチ見ていたら、すごくほめていたからさ。領域、ってキーワードに引かれて読んだけど、ポイント領域じゃなくて、作者の面白い思いつきを一冊の本にした感じ。あーっこう思わせといて実はこうか!ってよくあるけど、新鮮さも意外性もなかった。ポイントでフォント濃くしたり、濁点打ったりするのはやめたらどうかな。読みやすいってより馬鹿にされてる感じ。わかりやすすぎて真犯人が登場とともにわかってしまった。
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少しわかりにくかった。
事件の種明かしはどんでん返しの様相があるものの、それをしてしまうと、最初の「覚悟はある?」のセリフがすごく薄く感じてしまう。
嵌められた男の吐くセリフじゃないよなぁ。
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脳みそ疲れるなぁ。文体が好みだったら二度目、三度目と読むとドンドン面白さがジンワリとクルのかな、と思うが生憎と俺には好みじゃない、かな。