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あらゆる作品の、電化製品の描写が含まれる箇所を引用して紹介するという、一風変わった書評本。
あいかわらず文才たくみで おもしろかった。
豊崎社長も解説でおっしゃってましたが、ものの説明、形状描写がうまい。
サラサーと書いてるように見せるけど、このサラサーと読める文章を書くのって結構すごいことだと思う。のに、すごいと思わせないのがすごい。
書評の対象も、わりと現役の方々を取り上げているので記憶に新しい作品ばかりでとっつきやすい。
なかでも私は高野文子が大好きなので
「奥村さんのお茄子」特集(なぜかこれだけ前後編だった)は、よくぞ取り上げてくれました!!と、興奮。
でもよく考えれば、ハードカバーの表紙は高野さんだったんだよな。
シュレッダーやレーザーディスク、電気アンカ(これは自作から抜粋)など
取り上げる電化製品にもこだわりが見えた。テレビやラジカセは取り上げない、とか。なんとなく、わかる。
最小限の説明で、伝わる。
「あ、この作家と相性いいな」と読了したときに いつも思う。
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http://blog.livedoor.jp/masahino123/archives/65713686.html
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家電芸人ならぬ家電作家長嶋有氏の書評エッセイ。作品内の家電製品の描かれ方を軸に文学を語るということで、類を見ない斬新な評論になっている。
あとがきで自らの作品に描写した「蚊取りマット」のことに触れられているが、小説の奥深さを知ることになる。
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小説、漫画、映画などの作中の電化製品について語りながら、実は文学そのものを語っている。軽妙な文章でいて読みごたえ十分。
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帯の惹句がとても的確。曰く「家電製品を軸に、作品世界を解き明かす斬新かつ珍妙な書評エッセイ」。
長嶋有については『猛スピードで母は』を読んだもののピンとくるものがなかったので以来手にとることなかったのだが、Twitterでこの『電化文学列伝』の好評を見かけて目を通してみたら何これイイと目を白黒させてしまった。
あとがきで豊崎由美がこれまた的確に紹介しているけど、背景小物にすぎない電化製品をレンズにするという縛りのなかで、決して牽強付会にならず、今まで誰も指摘していない作者の魅力を浮かび上がらせ、それでいて、言われてみると確かに納得の作品評になっているという奇跡のような技。
どれもよかったけど、私の印象に残ったのは、小川洋子の『博士の愛した数式』のアイロン。作家が言葉を紡いで作品を丁寧に作り上げていく過程と、最低限の衣食住の少し先にあって、家電製品のなかでは操作する人の能動的な関わりが比較的多いという特性をぴたりと小川洋子とその作品に見立ててみせる。
こういう視点を持つと、同じ小説を読んでもその味わいが何倍にも深くなる。作品世界の奥行きが幾重にも広がる。そういう意味でもいいブックガイドというか読書ガイドになっている。オススメ。
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父から借りた本
一時期トイレに置いてあって家族全員がトイレに長居をする原因をつくった本。
長嶋有が好きになった作品。
文章が好き
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こういう目で小説読んだことなかったなーと目からうろこ。『34歳無職ちゃん』は家電がよく出てくるから長嶋さんは読んだほうがいいと思う。というか、たぶん読んでるだろう。
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電化製品が登場する小説、まんが、映画等々についてのエッセイ。
川上弘美の「センセイの鞄」とか、吉田修一の「日曜日たち」とか。
既読のものもあったが、まだ未読のものも、もちろんあって。
好きになった作家さんのエッセイを読むと、自分の読書界の視野が広がって、うれしい。特にこういう、本についてのエッセイだったりすると。
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芥川賞作家である著者が書評をします。
しかも電化製品が出てくる作品に限って。
面白い切り口で語られています。
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小説の中に出てくる電化製品を取り上げてつらつら語る…だなんて、なんてエキセントリック! とわくわくして読みました。スキな作家のスキな作品が結構取り扱われているので、そんなところあったかな〜。もう一度読みなおそう! という気に。高野文子の「奥村さんのお茄子」は興味深かったので、再読します。
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電化製品の出てくる文学作品/映画/マンガについて、そこで占める電化製品の役割を語りつくす、という面白い書評集。
読む価値あり。
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家電を軸にした、長嶋有の着眼点てやっぱり面白いな〜って思わされる書評。
めちゃくちゃ多く語られているであろう「センセイの鞄」の書評も、この人に語られたらこんな風になるのね。
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家電を描く、ということは日常をありのまま写しとっているということだと思う。
この世界に、この社会に生きているという現実感。分かち難く、逃れ得ない。
そこには生活がある。
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現代文学の中で、家電が登場するシーンを取り上げて評した異色の本。
コンセプトにひかれて手に取った。
家電というピンポイントから、その作品全体が見える...というようなところを期待したのだが、それはちょっと虫が良過ぎたか。
川上弘美「センセイの鞄」の電池は、電池の固執するセンセイのたたずまいを象徴的に表現したものだという長嶋さんの説に納得できたが、他のはどうなんだろうなあ。
100年くらいして、ここに取り上げられた家電がいずれも姿を消したとき、資料的に参照される本になるのかも。
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これは長嶋さんをまだ女性だと思ってた頃に読んだ本で、おもしろいと思ったのに文庫を買ってなかったとは!
改めて読んでもおもしろい。物語の中でも「家電」に目をつけて、それを語る。だけど書評。非凡な人だなあと思う。
家電にも新たな目を向けられそう。
確かに、うるさい家電(掃除機など)と静かな家電(ホットカーペット)って、あるなあとか。
これを読んで、読みたくなった作家さんが数人現れました。