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現実は常に厳しい。しかし、すべてのハプニングが自分の人生の良いスパイスになる。野生動物を美味しそうに食べるくだりは、人間何でも食えるようになるのだなと驚きがあった。探検からの帰りに、干し殺しになりそうになるくだりは、私もそうなるのだろうか理性の力でおさえられるのでは、いや、やはり無理かと考えさせられる。
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UMA。いたら良いな、とは思っても本気で探そうなんて普通の人なら思うまい。早大探検部のコンゴでのテレ湖探検フィクション。
本気で探そう、と思うほどUMAにはまっていなくて良かったと心から思った。
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早稲田大学探検部がコンゴの奥地に住むと言われている伝説の怪獣ムベンベを探しに行くという冒険記。
すごく面白い。
実際に冒険に出るまでのあれやこれやとか、冒険に出てからの現地でのあれやこれやとか、まさに経験者でしか分からないことが様々描かれていて、これを読むと冒険心が刺激されてしまうこと間違いなし。
現地の言葉を事前に習得していたり、各種有名企業からスポンサーを募って機材を準備したりとか、事前にできることはやろうとして、けっしていきあたりばったりではないところとか、すごい。
こういうことに魂を奪われる時って誰にもあるでしょうが、それが本になって沢山の人に読まれるということがすごいと思います。
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夏に買った本ですが、一度最初の方だけ読んで「あんまり・・・」と思って積ん読状態にしてありました。
年に数回訪れる私の中の「在庫一掃キャンペーン」の季節が来て読み始めたところ、あっというまでございました。
夏には、なぜあんなに読みにくかったんだろう…。
コンゴの暑さと夏の暑さが重なって、暑苦しかったんだろうか。
ネッシーみたいな幻の生き物、「ムベンベ」を探しに出かけた早大探検部+α。
最初は私も、「本当にムベンベ、なんているのかなぁ。探検部の人たちは見つけられるのかなぁ」と、そっちの方を気にして読んでいたのですが、だんだんムベンベなんてどうでもよくなり、コンゴの人々と日本人とのやりとり、ドクターのアクの強さ(笑)なんかがおもしろく、一気読みでした。
「カヌーに横たわるゴリラ」という写真で、私は「あらあら、人間が誰もいないときに来て、昼寝でもしちゃったのかな」なんて思って「プッ」と笑ってしまったのですが、全然違いましたね……。
探検部の中では、マラリアにかかってしまった田村君(きっと年上だけど君付け)が一番辛かっただろうなぁ……。
ジャングルの奥地で、しかもマラリア。
「最・悪」という感じでしたでしょうね…。
助かってよかったです。
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80年代に、国交もないコンゴへ行って、いるのかどうかも分からない「恐竜」を探す話。
ここのところ、ずっとヘビーな本ばかり読んだので、アホな本が読みたくなったのだ。。。期待を裏切らないアホさ加減!
ネットもない時代に、少ない情報を集め、フランス語や現地の言葉まで勉強し、アフリカと手紙をやりとりし、現地では濁り水を飲み、ゴリラやチンパンジー、その他あらゆる野生動物を食べ、変な虫やら病気にやられ、結局何の成果もなく帰ってきた。。。なんとバカげたことだろう!
そしてまた、この高野さんという人の文章がとてもチャーミングで、どんな状況でもユーモアあふれている。
私は大学というところに行ったことがないのだけれど、この人たちは夏休みでもないのに、2か月以上「部活動」でアフリカに行ってて、授業はどうしたんだろう?だから卒業するのに7年とかかかってるんだ、ということなのか。。。それだけ家庭にも余裕のあった時代だったんだろうなぁ。。。
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高野秀行さんの本は何冊も読んだが、幻獣というタイトルが荒唐無稽だったのでしばらく読まずにいたが、あんまりいろいろ読み感化されてきたので
処女作も読んでおこうと思い読んだ。
学生時代から語学の学習能力もスポンサーから機材を集める能力もまた
探検部員をオルグする力も文章力も観察眼もあったのですねぇ。
英語が話せる学生の少なさにも驚くが、基本的に一人で(もちろん回りにささえれながら)ズンズン突き進む姿は爽快ですらある。
ばからしいなんてさめていないで、日本人はみなこの本の読んで 障害があってもズンズン進んでほしい。
進むことでしから得られないものがたくさんあることをこの本は教えてくれる。
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「ムベンベ?!」、衝撃的なタイトル。そして、、、作中では全然ムベンベ追ってません(笑)いや追ってはいるんですが、UMAなんてほったらかした人間臭いエピソード満載。特にアフリカ人の交渉シーンは「なんじゃこりゃ??」状態です。
登場人物は全員物凄く真面目で、死にかけたりしているのですが、なぜか笑ってしまう探検記です。
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デビュー作にはその作者の全てがある、とはよく言ったものだが、高野さんのムベンベはまさにそれ。ココから先の高野さんの著作にある要素が全て洗練されないまま凝縮されている感がある。今まで読んできた高野作品と違い、かなりの大所帯での探検であるためか、病気であるとか、諍いであるとか、非常に人的トラブルが多い。なんというか、ある種の達観というか、諍いだとかそういった概念を超越してしまっている人間ばかりというイメージだった早稲田探検部としては意外であった。とはいえ、良く考えてみると、部員同士の対立は一切なかったし、マラリアで寝込み続けた田村も友人関係に絶望しただけで、対立にまでは至っていない。時代もあるのかわからないけども、早稲田ってすごい。絶対真似出来ないし、したくはないけれど、つい羨ましいと思ってしまう不思議。高野さんの人間的魅力がなせる業か。また、じめじめしてウジやハエだらけのテントの中で、食糧もロクにない中で言語の勉強を何時間もできてしまう高野さんは、なんだかんだで勉強が得意な部類の人間なんだな、と感心した。高野さんの外国語習得能力は努力できる才能ゆえだったんだなぁ。
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内容(「BOOK」データベースより)
太古の昔からコンゴ奥地の湖に棲息するという謎の怪獣・モケーレ・ムベンベ発見を賭け、赤道直下の密林に挑んだ早稲田大学探検部11人の勇猛果敢、荒唐無稽、前途多難なジャングル・サバイバル78日。子供の心を忘れないあなたに贈る、痛快ノンフィクション。
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早稲田大学探検部の猛者たちが アフリカのコンゴ奥地の湖に棲むという幻の怪獣「モケーレ・ムベンベ」を探しにいくノンフィクション。
若者の一時のノリと勢いだけの話では決してなく、計画・準備にしろ実際の調査にしろ、「やれることは全部やる」という徹底した姿に感服。
ソニーの井深大に手紙で直訴して協力を募ったり、現地語の習得に励んだり、コンゴ人に翻弄されたり、24時間体制の観察で心身ともに疲弊したり、ムベンベ情報に一喜一憂したり、コンゴの生物(魚、ヘビ、カワウソ、野ブタ、サル、ゴリラetc.)を片っ端から食べまくったり、マラリアで死にかけたり……おそるべし早大探検部。
20年以上も前の話ということを差し引いても、あの情熱と行動力、そして忍耐力は凄すぎる。むんむんした熱気が伝わってくるかのような冒険談。
探検部メンバーのその後を記したあとがきのほか、宮部みゆきによる解説も必読。
それにしても、巨匠・宮部みゆきの文章がかすんで見えるくらい、高野氏の観察眼と文章に勢いがある。これがデビュー作とは底知れない……
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出張帰りの東北新幹線で読了。
まさにサバイバル。クダラナイ事・それ自体に意味の無いことに
命をかけられるっていうのは、とても贅沢でとても素敵な事だな。と。
山登りしかり、スノーボードしかり、ツーリングしかり。そんなんばっか。
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同著者の本は、昨夏に読んだ『アヘン王国潜入記』以来2冊目。面白いと聞いていたことに加え、舞台がアフリカであることに興味を惹かれた。
アフリカ云々は後述として、先に大まかな感想を書く。
面白さは『アヘン~』が勝る気もするが、こちらも十分おもしろい。アフリカの奥地にある湖に棲息するといわれる未確認生物”モケーレ・ムベンベ”を、実際に現地に赴き探すというアグレッシブな物語。
小さいころ、UMAやUFO、心霊写真などについてテレビ番組を見ることが幾度かあった。単にテレビを見ることが少なくなったこともあるが、こうした話題が取り上げられることは、少なくなったような気がする。数字が取れていないのだろうか、こうしたモノへの興味が失われてゆくのかな?と思っている。この探検が行われたころは、「いるかも!」と考える人もたくさんいたのだろうか。といっても、「いるかも!」と思ったとしても、こんな行動力のある人もそうそういないとは思うけれど・・・現地へ行ったって、神経質な私では一日で参ってしまうだろう。
でも、未知の領域があるかもしれない、そこに挑むことができるということは、どれほど楽しいだろう。GoogleMapで見れば単なるひとつの湖でしかないテレ湖も、実際にそこに立てば、人類の知らない何かの息吹を感じ取れるのかもしれない。万巻の書を読んだところで、そこには誰かによって認知されたことしか載ってはいない。
UMA発見という目的がかなりぶっとんではいるが、「ばかばかしい真剣味」(文庫版あとがき)の持つ推進力の強さが羨ましかった。
アフリカについて。自分自身、アフリカについて知っていることなど無きに等しい。差別的かもしれないが、未開というイメージを持ってしまっている。
「アフリカではいつも、今いる場所の論理に支配される」(p.73)
「それにしても彼らの信仰には改めて驚かされた。——伝統的なことになると人間が変わってしまう。」
こうした文を読むと、現地の人たちが、どういった価値観・世界観・物語の上で生きているのか興味がゴポゴポと湧いてくる。そんなわけで、積読になっているエイモス・チュツオーラ『やし酒のみ』を、早めに読むことにする。
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早稲田大学探検部によるコンゴの湖に生息するといわれる謎の怪獣探検記。大学生による探検ごっこかと思いきや本格的な探検もので驚きました。いやあこんな無謀なたびもいいなあ、しないけど。
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真剣にアホなことやれる人って憧れる。無為な大学時代を過ごしてしまった自分からすると、読んでて少しだけ嫉妬もした。早稲田大学探検部、面白そうだあの頃知ってたら入っただろうか。
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高野さんの本、文庫はほぼ全部読み切り、これはなんとなく最後にとっておいたんだけど。評判どおりすごくおもしろかった。これが大学生のときに書いたデビュー作だとは信じられない。かつ、若くてデビュー作だからこそみたいな勢いがある感じで、読みだしたら止まらなかった。
早大探検部でコンゴの奥地の湖にいるといわれるネッシーみたいな幻の獣をさがしにいった話。わたしは探検も辺境もバックパッカー旅行も未確認生物もまーったく興味がないし、むしろ避けてるくらいなんだけど、ものすごくおもしろく読めた。探検っていうと秘境の地でなんか発見したり遭遇したりって派手なことばかり想像するけど、実際に現地に行くまでにすごく地道な根回しとかたくさんして、その国の政府にかけあったり取引したり、ジャングルの村でも偉い人にかけあったり、ポーターやガイドを村で雇ったり、それにお金の問題がからんだり、すっごく現実的な政治的なことがあるんだなーとよくわかった。けっしてファンタジーではないのだ、と。そのへんの話もおもしろかった。
そして、高野さんが大学生なのに、そんな政治的かけひきをしたり、なんかこう呪術っぽささえ感じる現地の村人とやりあったり、そして大学生の探検部をまとめたりできたってこともすごいと思った。そういう能力があるんだなあ。
あと、個人的にはなぜかマラリアにかかった田村くんの話があとがきの部分も含めてやっぱりすごく衝撃的だった。あんな経験をして人間不信にまでなって、でも、高野さんも書いていたとおり、そのあと臆病になることなく、ずっと似たようなことを続けてるって……。
これが高野さんのはじまりなのかと思うと、もう一度、いろいろな高野作品を読み返したくなった。