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最新の研究によると昆虫は甲殻類の鰓脚類と同じ祖先から分岐したとのこと。甲殻類に近いというより、「側系統の甲殻類に内包される」(wikipediaより)というべきものらしい。
残る謎は多足類の出自だ。海で祖先が見つかってない。
また、最初に上陸した節足動物は多足類とされる。かつて体長2m以上のヤスデ(アースロプレウラ)が地上を歩いていた。
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とても装丁がきれいで,生物学・進化史学の面白さを一般に広めてくれるものと大いに期待できる新書.著者から贈られてきた.僕の和文総説から図を引用してくれている(動物の染色体進化の図).
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約5億年から4億年前の間に生物が陸上へと進出した事件が起きた.本書はその事件の主人公たちがどのような進化を経たのかを,化石の記録や現在の生物のDNAに刻まれた情報を読み解きながら解説している.情報がわかりやすく整理されており,また,読みやすい文章である.
本書は,植物,昆虫,そして脊椎動物と,上陸を果たした順に解説が進む.それぞれの系統でどのような進化が上陸前後に起きたのか,上陸はどうして可能だったのか,に焦点が当てられている.
文字,行間ともに大きい.驚いたことにフルカラーである.化石の写真はなく,古生物はすべてイラストで描かれている.古生物以外も写真はきわめて少なく,その代わり,イラストが充実している.系統樹や解説で使われているイラストはわかりやすく,読者の理解を促進させる.特に巻頭の生きもの上陸作戦絵巻は,8ページにわたる生物の上陸にまつわる様々な出来事が横方向を時間軸にした絵巻である.これは素晴らしい.科学本ではイラストが重要であることを再認識させられた本である.
この本,どうやらJT生命誌研究館の展示にあわせて執筆された本らしい.この本を読んで,ぜひとも展示を見てみたくなった.
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46億年前の地球誕生後、生暖かい海で単細胞生物が生まれ、やがて植物に。
捕食者から逃れ、生きていく場所を求めて海から陸へ、更には空へと居住空間を広げて来た生物。
その進化と上陸の過程。
植物・昆虫・脊椎動物が、お互いに関係し合いながら生まれた見事な生態系。
それによって生かされている人間。
母なる海、ひいては全ての生命を司る大自然に対し敬虔な気持ちになった。
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高槻市にある生命誌研究館。しばらく訪れていませんが、京都市内に暮らしているときには繰り返し通ったお気に入りの場所です。小さな科学館ですが、実験・研究されていることを一般市民に分かりやすく展示・表現されています。人も少なく、ゆっくり落ち着いて見て回ることができます。映像ブースも充実しており、たっぷり時間をかけて生命のふしぎを味わうことができます。さて、本書はその研究館で展示されている「生きもの上陸大作戦」を1冊の本にまとめたものです。生命誕生から生きものが陸に上がり、そして恐竜が絶滅するあたりまでの話です。特に興味深かったのは前段階での適応という話。具体的には、生きものが陸に上がる前から肺ができ始めていたり、足ができ始めていたり、指ができ始めていたり。近々陸に上がることを予感しているかのように準備が進んでいたということです。もちろん、その準備が整ったからこそ陸に上がれたとも言えるのでしょうが、海の中が生きものでいっぱいで、何とかしたいと思った幾種類かの生きものが、知ってか知らずか、もちろん自分で肺をつくろうなんて考えたわけではないでしょうが、しっかり上陸のための準備を進めていたのです。とてもふしぎです。久しぶりに研究館にも足を運びたいと思いました。