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歴史ってこんなに面白かったんだと今更ながら気付かせていただきました。
もし歴史の先生がこんな風に教えてくれる先生だったらさぞ楽しい授業だったろう。
中東やヨーロッパの歴史や地理の知識を知らな過ぎて、読むのに時間がかかったけど、もっと深く知りたくなった。
著者が言う「負け戦をニヤリと受け止められるような、骨太の知性を身につけてほしい」そんな男になりたいと思いました。
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最近、歴史をもっとよく知るためには日本史だけでは不十分ではないかと思うようになり、高校時代、いいかげんにしか勉強していなかった世界史を今さらながら学び始めています。
純粋に日本史、世界史と切り分けて学ぶより、当時のそれぞれの国のかかわりから理解しようとするとますます面白くなるということがわかってきました。おかげで今、さらにワクワクしながら世界史を学んでいます。
この1月から初めて、ゆっくりのんびりで、現在はやっと、アヘン戦争のあたりまできました。本著もちょうどアヘン戦争あたりまでの歴史を著者の独自視点で見直しています。目からうろこなこともいろいろ。
ただ、「仕事に効く教養としての」というタイトルはどうなんだろう?このタイトルだと単純に、「ビジネスに役立ちそうな」内容を期待される方が少なくないように思えます。
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語呂合わせで年号を覚えて入試の対策をする。恥ずかしながら私にとって歴史はその程度の意味しかなかった。歴史に対する私の姿勢に鉄槌を浴びせる一冊。
不思議と、恥ずかしいという気持ちとともに強く後悔する気持ちが湧いてきた。次元の低い語呂合わせのネタにされている歴史の裏で躍動する人間の活躍を完全に見過ごしていた。純粋に面白い。数千年という長い物差しで、今の日本、自分のおかれている状況を見つめ直すと、これまでと全く違った心持ちになる。日々感じている不安感も和らぐ気がする。
新しい喜びに目を向けさせてくれた出口さんに感謝。
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読書仲間の間で話題であった一冊、増税前の駆け込みで購入しました。何気に出口さんの著作はお初だったりします、ふむふむ。
“世界のこと、過去のこと、今日のことなど、
いろいろなことを知れば、
一つの地域や国の歴史に引っ張られずに、
ものの見方や考え方が多面的になります。”
“教養”というにはちょっとばっかりフワっとしてるかなと感じました、、というか、ここでのネタはそのままでは使えないなぁと、オブラートに包まないと相手を怒らせそうです。
“アメリカは、世界で一番ユニークな人工国家”
それはさておき、アメリカが壮大な実験国家であることや、複数国家を絡めて横断的に欧州を見ようとしている点など、歴史を俯瞰する点においての興味深い視座をいくつかいただきました。欲を言えば、欧州における“ウェストファリア前後”での、それぞれの“国家観”の差異についても伺ってみたかったかな、とも。
ただ、ご自身でも「ものの見方や考え方を多面的に」と仰っているように、ここに描かれている内容を“鵜呑みにする”のは、ちょっと危険ですかね。そういった意味では、こちらを単体で読むのではなく、他の類書と併せて読む方が腹落ちもいいかなと感じます。
個人的に一つ気になったのは“歴史の正しい姿はやはり一つ”との言い回し。こちら、実際にどうお考えかはともかく、言葉をそのまま受け取ってしまうと、なんとも危ういなと。「歴史認識を一つに束ねる」というのはどうにも違和感が残ります、これは転じて「価値観の多様性」を否定することにもつながりますから。
他の部分で「考え方を多面的に」と述べてるのと矛盾してるってのもありますが、この辺りはいわゆる“団塊の世代”らしい共産主義的な理念だけの歴史観かな、と。ついでに言うと、日本というか、天皇家に対して否定的なのも個人的には嗜好があわないなぁ、なんて風にも感じました。
そんな前提があるからか、“日本文明の背骨としての天皇家”を抜きにして、大陸や半島との同質性に言及しているのが、なんともおさまりが悪いです。まぁ、中華圏の文明に心酔しているであろうことは伝わってきましたが、、なんというか、日本文明は彼らの劣化版でしかないと、言いきってますしね。
昔から「中国5,000年の歴史」なんて言い回しはありますが、現実には王朝は百年前後で都度都度刷新されてますし、支配階級も複数の民族が入れ替わりながら“国体”がコロコロと変わっているのは、出口さんご自身が本書の中で述べられているコトでもあります。
そういった点で、個人的には大陸に“歴史と文明の連続性”は見いだしていないのですが、それでもあえて“地域としての連続性”を見いだすのであれば、、ヨーロッパや中東圏についても同様に“地域としての連続性”を前提として語るべきと思いますが、なぜか、そちらは切り離したものとして扱われています。
この辺りの基準が二重になっているのが、個人的には分かりにくい部分だったかな、と。
ちなみに日本では、考古学的に見ても1,500年以上は“天皇家”という一つの王朝が続いています。正史としては神武天皇の即位から数えて今年で2,674年ですかね。ギネスブックにも載っているのにはビックリですが。
他方、大陸の今の王朝「共産中国」は成立から70年程度、民族としては漢族になるのでしょうが、その前の「清」は満州族による王朝でした。その前の「明」は漢族でしたが、その一つ前の「元」は蒙古族と、散在する各民族が中原をめぐって獲ったり獲られたりの繰り返しかな、と。
といっても、これは特に珍しいことでは無く、欧州を見ても、民族単位で各国の“国体”とその“支配階級”はその時代時代で変わっています。そういった意味では、日本の在り様の方が世界史的には“特異”で前例のない存在なのかもしれません、、閑話休題。
さて、個人的に一つ伺ってみたいと思ったのは、トインビーの「12-3歳までに神話(歴史)を学ばなかった民族は例外なく滅びている」との言葉、これに対して日本は今後どう向き合っていくべきでしょうか、との視座。
ん、歴史は事実との対話に過ぎず、そこから派生する“真実”はそれこそ人の数だけ存在する、そんな事をあらためて実感した一冊でした。
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タイトル詐欺。『人生に生かす教養としての「世界史」』くらいの内容。仕事に生かせるかは本人次第ってところに落ち着いている。
教養:身につけた知識に裏付けられた人格。
ビジネスマンに必要な人格とはいうが、そういう括りって必要ないと思う。実際、歴史のことなんか全然覚えていない人も世の中で活躍していると思う。ただ、やっぱり知識の豊富な人のほうが、落ち着きがあって安易な考え方をしない、奥行きのある雰囲気を持っている。そういう優雅な大人になるには、歴史という知識は必要なんだと思う。
「仕事に効く~」というのは完全に商売上つけた言葉だと思う。いやらしい。
内容としては、学校で習う広く浅くなものよりずっとおもしろいと思う。それは、きちんと著者の結論がはっきりと述べられていて、それが納得のいくものだからである。
歴史は史料という証拠物件のせいで、頭の固い理論になりがちである。だから納得のいかないことも多いが、この本は個人的な歴史見解の本だからそんなことにはとらわれず、読んでいて面白い内容になっている。
それと、横のつなげ方のうまさが光る。歴史は縦に考えがちだが、そうすると面白さ半減になる。この本は横のつながりが巧く書かれているから面白いのだと思う。
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p58 中国人留学生の数
アメリカに留学している中国人は23万人にも上る。一人の学生が年間に払う学費や生活費を考えただけで経済効果はすごそうだ。それよりも興味深いのは、資本主義国のアメリカにいる留学生のマジョリティが共産主義国の中国人であるということだ。中国は経済発展中である。アメリカで学んだ留学生は中国に戻り一儲けを考える。10年後、20年後、大国アメリカと仲良しなのはどこの国になるのだろうか。日本はこれからもアメリカの親友でいられるのだろうか。
これはたしかに「仕事に効く!」
この本もコラムが面白い。いや、コラムの方が面白いかもしれない。そういう本は良い。
p98 中華思想のはなし
周の周辺国家が作り出した、周への過大な尊敬の念による思想。今では中国が自画自賛している思想というように勘違いされているが、もともとは周りの国が言い始めた思想だった。特に何がすごいかというと、字を使えるということであった。シュトヘル参照ですね。
p163 領土を持つ宗教
キリスト教はローマ教会がピピンの寄進で領土を手に入れてしまったから歪んだ。領土を持つことで国家の役割である裁判(異端審問)や徴税(免罪符)なんてこともするようになってしまったのではないだろうか。
それ以前から政治と宗教は切っても切れない関係だったが、宗教が政治を大々的に始めたのはここからということか。つまり、金が絡み始めて、どす黒くなったということでしょう。
p166 懺悔室は諜報室
ペンは剣よりも強しというと少し違うが、戦闘で最も大事なのは情報収集力だといわれる。教会の懺悔室では本当にありとあらゆる裏話が集められる。誰が誰を殺したとか、誰が実は隠し子だとか、誰が謀反を企てているだとか、、、。これは言わずもがなだ��、とてつもない力となる。これをほしがって権力者が群がるのも、想像に難くない。
p220 オランダ衰退は名誉革命のせい
オランダは海上覇権を握り、絶大な経済力を誇っていた。しかし、名誉革命でイギリスへオラニエ公ウィレムが国王として移ってしまった。そうすると、ウィレムはイギリスのほうでオランダの資金を落とすようになる。次第に英蘭のパワーバランスがつりあい始める。同時に、オランダにいた商人がイギリスに移住し始めて、オランダの国力減退につながる。
イギリスのウィンブルドン現象(市場開放によって自国産業が衰退するが経済効果は活性化されること)の成功例である。カモが葱しょってやってきたようなもんだった。おかげで、イギリスはその後の大繁栄につながるわけだ。
p311 世界のGDP比率(アヘン戦争前後)
欧米がGDPで中国・インドを追い抜いたのはアヘン戦争を契機としてである。それまでのインドと中国(清)のGDP比率32.9%(清)と16.0%(印)はすごい。ヨーロッパなんて数パーセントである。それがアヘン戦争後には中国とインドが一桁になって欧州各国に追いつかれる。結局、米中印は国土が広くて人口が多いからGDPが高いが、欧米の食い物にされてしまったんだろう。本当にイギリスは悪い奴である。林則徐に敬服。
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トゥルクマンという遊牧民のことを取り上げていて偉いと思いました。世界史の中では流されやすい部分でしたが、著者はきちんとそこにも面白いところを見つける努力を惜しまなかった。ただ、やっぱりほかの章に比べると荒いかな。しょうがないんだが。
遊牧民やイスラム王朝の部分は興亡が激しくて、重要っぽい用語が多すぎるのが難点。集中力が分散されすぎる。
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歴史に造詣が深いビジネスマンが歴史の本質を語る。
歴史を本当の意味で体系的に考えることができるのは、歴史学以外の目線を持つことが欠かせない。
宇宙人の視点で世界史を見直すのだと、確か「逆説の世界史」で井沢元彦も言っていた。
この一冊で、「歴史に学ぶ」をもう一度。
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○出会い
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」(ドイツ宰相オットー・ビスマルク)という言葉もあるように(本来の言葉は少し異なるという議論はさておき。)、知識ゼロの歴史を少しでも学んでみたいという思いがあり、もともと何かのランキングで紹介されて知り、「仕事にも効く」というこの1冊をチョイス。
○感想
歴史をまったく勉強してこなかった知識ゼロの自分には難しく、何回も眠りに落ちてしまった。でも、歴史の全体の流れや繋がり、背景を知り、興味を持つには有効な1冊だと思う。(私のような知識ゼロは、最初のうちはわからないなりにも読み進めていくことで、少しずつ理解できるのだろうと思う。そして入門としては、まずやはり池上彰先生の本がわかりやすい。)
タイトルの「仕事に効く」という言葉で、格言的なものや、仕事に対する解決策などを期待していたが、直接仕事につながるような話ではなかった。
しかし、著者の意図した「仕事に効く」解釈が巻末の「おわりに」の部分に記され、その部分に大変共感できた。
歴史の中で起こる様々な出来事も、地理、天候、王の交替、突然の侵略など思いがけないこと、コントロールできないことが起きることによって、現在に至っている。自分の仕事や人生においても、突然の人事異動(著者も前の会社で子会社出向を命じられている)だったり、納得のいかない、自分の思いに反することがたくさん起きる。それらも長い歴史のことを考えれば、当然のことであると受け止め、どう対処していくかを考えられると思えるのだろう。
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学生時代に世界史をほとんど学んでこなかった私には、結構読むのに苦労しました。
もっとも、アヘン戦争とアメリカ及びフランスという国についての見方は非常に興味深かったです。
アメリカは歴史が浅い国であるということは聞いたことがありましたが、そういうことかと腑に落ちました。
本書は、やはり世界史の一通りの基礎的な知識を持った上で読む方が断然良いことを痛感しました。
本書でもちらっと批判されているように、学校で学ぶ世界史は無味乾燥で面白味はないかもしれませんが、全ての基礎であることに違いはありません。
この基礎があるからこそ、色々な見方もできるようになるのだと思います。
今年は、私も「漫画版 世界の歴史」を読んで、大きな流れを掴もうと決意しました。
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最近になってグローバルという言葉が生まれた。では、昔の世界は地方毎にクローズドだったかと言うとそうではない。世界中で交易のネットワークが構築され、騎馬民族集団や帝国や国民国家の栄枯盛衰はその地方の出来事だけでは語れない。読んでいて、高校の頃に嫌々学んだ世界史の知識に一本筋が通った気がした。
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著者はライフネット生命保険会社の会長であり、歴史の学者ではないが、それだけに世界史の視点が異なる見方が面白かった。
細かいことを言えばきっと学術的に間違いや論議中である琴も多くあるとは思うが、単なる暗記としての世界史ではなく、人の欲求などの根本に基づいた歴史観、歴史と地理を含めての世界史観は面白かった。
ただ、個人的には、6章の英独仏の王族の流れ、7章の交易の重要性などは、基本的な知識が少なく理解が難しかった。もう一度基本知識を整理して再読してみたいと思った。
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貴族は世襲でバカになる。だから優秀な官僚は世襲を嫌い王を倒す。宗教は貧者の阿片。但し、仏教はインテリの宗教。儒家の正義は高度成長、反対は墨子。シルクロードで重要なのは奴隷交易。米仏は歴史のない似たもの同士でイデオロギー優先。保守主義にはイデオロギーがない。等々、独自の?歴史観が展開される。著者はかなり変わったお爺さんという印象。
世界史には詳しくないので、何が正しくて何が間違ってるのかよくわからないが、あまり鵜呑みにするのは危険な本かなと。読み物としては面白いのかもしれないが、本書の内容を教養とか仕事に使えると勘違いしたら大変な事になるような気も。2060年の世界のGDPランキングは1820年と同じランキングであり昔に戻るだけって話は視点として面白かったけど。戦後50年間ぐらいの日本が歴史的にみても異常な時代であり、それを標準だと思ってると大間違いという事には同意。
ちなみに、本書は本人が書いた物ではなく、ブラックライターが口述筆記したもので、口語体の文章が読みやすくはあるが、この手の本を他人に書かせるってのはどうなのかね。
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『「任せ方」の教科書』に感銘を受けて、こちらを読みました。
ライフネット生命会長の出口治明さんが「世界史」を語る?という感じでしたが、ものすごく骨太な内容に驚嘆しました。博覧強記、いえ、単に知識が豊富なのではなく、歴史を「広がり」と「流れ」と「背景」でご自身の自家薬籠中のものにされているところがすごい。
例えば…私自身、以前から違和感があったのですが、ペリーは「捕鯨船の燃料補給基地の確保のため」に日本に開国を迫ったと学校で習いますが、捕鯨のためにわざわざ強大な軍艦を派遣してあそこまで執拗に迫るかな?と腑に落ちないところがありましたが、出口さんの解説…言われてみればあまりに簡単な解説…を読んですっと腹に落ちました。まさに「コロンブスの卵」、言われてみれば当然な話。
その他にもキリスト教の分化の歴史の概説(カトリックとプロテスタントの2つの分類じゃ不充分も不充分)や、ドイツとフランスとイギリスの国の生い立ち(3国いっぺんに見た方が理解しやすい)など、目から鱗の解説が盛りだくさん。
読む前の案に反して超「骨太」の1冊でした。
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学生時代から、世界史なんてあまり興味を持ったことは無かったのですが、この本はビックリ。
学校では習わなかった事が多く書かれています。
これは、すごい本だ。
読みながら、気になった所に付箋貼っていたら、本が付箋だらけになりました。
世界史って、こんなに面白いのか・・・(気が付くの遅すぎるって)
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歴史を広範に捉えて縦横無尽に語るという点では中国化する日本を彷彿とさせる。本当にこれが妥当な見方なのかというのはこちらの知識不足でわからぬが、フィクションとして捉えたとしても読む価値のある面白さ。残念なのは売り煽りタイトルであること。後世に残りうる良書になれたのに、と思う。
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ライフネット生命保険㈱会長&CEOの出口氏の著書。
330ページに及ぶ内容を「準備のために読んだ本は一冊もありません」全て、著者が見たり、聞いたり、過去に読んだ内容を咀嚼したものをまとめたという。スゴイ!
内容も、世界史と日本をからめたり、現代の言い方に変えたりなどとてもわかりやすかった。