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ハードボイルド探偵小説。
探偵の久瀬の離れて暮らしていた実子、慶太が誘拐される。
うーん。誰にも感情移入できず、置いてかれたまま話しが先に進んでしまった感。
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7年前に別れた息子の慶太が誘拐された。突如誘拐犯との身代金の引渡しに指定された人物が、探偵の久瀬だった・・・。なぜ俺が?・・・慶太は無事に取り戻せるが、今度は慶太の妻と義父が失踪。この失踪の背景になにが?
久瀬の追っていた過去の事件、この街に暗躍する黒い権力者、そしてそことのつながりが切り離せない警察内部。様々な角度から事件は複雑な様相を呈してくるのだが・・。
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同作家の「償いの椅子」と同時に書店のオススメだったので購入。
誘拐、失踪、刑事と探偵、過去の事件の真相、夫婦の関係、親子の愛・・・探偵久瀬と7歳の子供慶太を中心に話は進みます。
「償いの椅子」同様、先はあまり読むめないけれど、話を読めなくするためなのか、登場人物が次々と出てきて話の視点もよく変わります。
登場人物それぞれの特徴や性格、本筋にはあまり重要ではない場所や状況の事細かな説明が多いのに、話の切り替えは早く、全体的にさっぱりといる感じです。正直に言うと償いの椅子を読んでいた時以上に、もう読むのを止めようかなと何度も思いましたが、斜め読みで最後まで読了。慶太の日記など使われているのですが、7歳でこのセリフや行動?というもので、私にはラストまであまり物語に入り込めませんでした。書店員さんのオススメということで、解説はとある書店の店員さんでしたが、それを読めばあらすじも分かるので充分。全体的にこういう作風の作家さんと分かり、もうこの作家さんの本は私には読む機会がないかなぁと思いました。本には相性があるので、好きな方にはごめんなさい。。
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こちらの作品のほうが先に世に出ていたと知ったのは後からの話。
沢木作品を読んだ順番としては「償いの椅子」そしてこの作品。
「償いの椅子」ほどの迫力と人物描写がなかったように思えるけど、慶太の日記でひらがなで書かれた「あいじょうこそすべて、とおろかものは言った」という文章がこのタイトルなのよね。
慶太は久世が窮地に陥ったときに「悪党に襲われたら車で助ける」という約束を守る。小さいながらもはーどぼいるどだ。
慶太もきっといい男に成長するだろう。
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償いの椅子が素晴らしかったので早速こちらも読んでみました。でも、これの次がもうあれ? 間に10冊くらい書いてないの? というくらいこっちはまだ文章がヘタ…(笑)ヘタって言っても悪い意味ではなくて、書きたいことが多すぎてまとまらなかったんだねという感じ。やはり章立てが短く、ぶちぶち切れるのでページの変わるところにちょうど当たったりして小さく混乱することもしばしば。話はかなりまとまってないし主人公かっこよくないし(そこがかわいいけど)、でもなんでしょう? 作者のこのお話や人物たちへの愛情みたいなものがもうおなかいっぱい、というくらいあふれていてどうしても嫌いになれない。本当は3つかなと思いつつ第1章のできがすごくよかったので☆1個プラス。きっと、ここで初実を書ききれなくて、梢になったんじゃないですかね。
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結構古い感じのハードボイルド。巻き込まれ型の探偵と港町と町を牛耳るボスと目の敵にする刑事と偏執的な殺し屋といたいけな少年。舞台も登場人物もお膳立てもどこか昔からの定番と言う感じもするのだが、このスタイルが好きだからやっぱりこうでなくチャと思ってしまう。探偵久瀬雅彦は真夜中の電話で呼び出される。待ち合わせ場所に現れた刑事は離婚した妻の元にいる息子が誘拐され身代金の受け渡し役に指名されていることを告げる。事件は姿の見えない誘拐犯の主犯と突然失踪した元の妻夫婦を探し探偵を翻弄する。中々真相が見えてこない。2年前の事件が重要な過去として探偵や殺し屋に影を落としているのだが、ちょっとその辺キツイなあとか思いながらも結構複雑な利害関係と人間関係、その中で少しづつ形作られていく探偵親子の関係、と長いながらも飽きないで読み進めた。あまり名前を聞かない作家だけど他にもお薦めがあるなら読んでみたいきもする。
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ハードボイルドだがとにかく長い。
また、物語の筋が解りづらい。
もう少し明確にして欲しいです。
ただ、登場人物たちはハードボイルドで行動的、そして不器用で格好良いです。
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初めて読む作家です。初版は「新潮ミステリー倶楽部」で八年前に出ました。東北のある都市で調査事務所を営む久瀬。七年前に別れた息子が何者かに誘拐された。身代金を運ぶ役割を指名された久瀬は、無事に息子を救出することに成功するが、別れた妻が失踪してしまう。慣れない親子生活をしつつ、久瀬は真相の究明に奔走する。七歳の息子慶太くんが、この物語のポイントの一つです。彼は詩や文章を書くことが好きで、小説の中でも、何回か出てくるのですが、ちょっと七歳の子にしては大人びた表現でした。十歳ぐらいだとありかなと思いました。
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「現代のハードボイルド」ってこんな感じかなあと思いながら読みました。
昔別れた妻が引き取って育てている息子を誘拐された男が身代金を持って行く、という入りから物語はどんどん思わぬ速度で膨らんでいき、構想力には唸るものの、やや詰め込みすぎて、整理しきれていないんじゃないかと思ってしまったり。
「すごい話だったな」という印象が、細部を打ち消してしまいそう。
ある程度の人情味にはあふれているので、プチハードボイルドがお好きな方には良いかもしれません。
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沢木冬吾のデビュー作。
先に「償いの椅子」、最新作「約束の森」と読んできたためか、今作品は随分荒削りな印象。文章も最初は読み辛かった。物語の展開が進んでくると、気分も乗ってきて、最後まで一気読みでした。デビュー作からハードボイルドだったんですね。後半のアクションシーンがお約束のように派手です。何よりも、それと平行して語られる家族ドラマが、先に読んできた2作品同様、魅力的。沢木版ハードボイルドに嵌ってます。
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この方は一作毎の進化が半端ないので未読の最後が
処女作とか怖いな、とか思ったのですが読んだら
何のことはなく面白すぎワロタwwwwwwwwww
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「約束の森」が良かったので、沢木冬吾の過去作読んでみようと、まずはデビュー作を手に取ってみた。さすがに荒っぽい部分も目立つが、熱い小説である。ハードボイルドであり、冒険小説であり、家族小説。
時に家族小説としての側面が興味深い。「約束の森」では疑似家族が大きなテーマとなるのだが、その兆候はこのデビュー作でもちょっと複雑な過程を経て萌芽している。主人公と息子慶太の親子愛再生の物語がその主軸になるのだが、それだけではなく、引きこもりの従妹との関係や、探偵会社の同僚とも家族同然の付き合いをしているし、敵役の街の顔役とその息子、誘拐事件を追う警察官の家族や同僚との関係、殺人鬼とその相棒…、どこを切り取っても「家族」というテーマがうかがえるのである。
ハードボイルドに生きようとする主人公の滑稽さ、息をのむアクションシーン。それらもデビュー作にしてはリズムやための技術も、情熱や勢いも含めて読みごたえ満載で見事なのだが、そんなシーンが終わるごと…後半に至っては幕間にすら「家族とは?」テーマの断片がうかがえるようになる。
ハードボイルドって、しぶく孤独を感じる主人公に共感する小説というイメージがあるが、実は家族小説としての楽しみ方ができる作品が多い。スペンサーシリーズや清水辰夫諸作を例に出せば分かりやすいか。本作も「約束の森」も系譜のハードボイルドなんだと思うし、系譜の中で恥じないオモろい小説である。
沢木冬吾…、この小説家を今まで知らなかったのはちょっと恥ずかしいが、これから未読策を読むのが非常に楽しみである。
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人は存外不器用にしか生きられないのでしょう。
たとえ器用に生きていると思われても
その方法はイレギュラーだった挙句に
最終的には存在概念を
消し去ってしまった人もいるのです。
その人にとって、
人生はなんだったのでしょうね。
優しく手を伸ばそうとした人はいたけど
全部その人は払いのけました。
そしてそう思った復讐の大本の人の前で
その歪んだ持論は砕け散るわけで。
ちなみにタイトルは最後まで読めばわかるでしょう。
なぜあの人物が「どことなく感情がないか」
の答えがここにあるのです。