投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ピアノの音色から、弾き手の心も、思考も感情も、手に取るようにわかるカリスマ音楽教師の家族に突然の惨劇。犯人は13歳の少年。
本書半ばあたりまで読んだ時点では、とんでもない重い問題をどうやって決着させてくれるのかしらん?と心配しながら読んでいましたが、半ば以降は、少々予想外のズッコケ展開。それでも、まぁ最後には伏線がきっちり嵌って、さすがの松岡エンターテインメントでございました。
(2008/8/29)
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
旧作の「カウンセラー」も随分前に読んでるんだけど、
すっかり忘れてる。
「催眠」を読んだ直後で、嵯峨が、出てきたのに、嬉しかったことだけ覚えてる。
ところが、この完全版は、とてもよく出来ていて、
やっぱり松岡圭祐が、とことん自分の作品にこだわるわけで。
時事、世代、全部が現在を反映させていて、
少年犯罪から、犯人のプライバシーの侵害。ネット社会の無責任さ。
音楽に類マレな才能を持ち合わせた音楽教師、響野由佳里。
その家族に起きた、おぞましい事件。
音から、その人の感情までも、見抜いてしまう由佳里。
それでも、自分の子供のこととなると・・・
皮肉にも、子供に音楽を教える立場の由佳里におきた事件の犯人は
少年。。。
ところが、14歳以下に制定された少年法にも13歳は法にふれることがなく
精神異常もきたしてないと、医療少年院にも入ることがなく
何もなかったかのように、普通に生活が送ることができてしまう。
なんと。。。
法の盲点をついた作品。
そして、由佳里のおこした行動・・・
そこが、序章につながるわけなんだけど。
交感神経と副交感神経、どちらが強く反応してるときに、心地良いか。
それによって、たとえば、ロック系なんかの煩い曲が心地良いと感じる人、
ショパンや、シューベルトなど、静かな曲のほうが心地良いと感じる人。
それによって、行動も違ってくることなんかは、以前からとても興味深いことだったけれど、
今回のこの作品は、特に分かりやすい。
そして、「境界例」の連鎖・・・。
これは、あるだろうな。
最後まで、一気に読めるくらい、千里眼新シリーズと同じように
こちらも、スピーディで、
それでいて、嵯峨敏也の温和で頼りがいのある、キャラがとてもよく描かれていて
すごく面白かった。
最後の解説にもあるように、岬みゆきと同じくらいに、この嵯峨敏也の
新しいシリーズも、どんどん書いてってほしいな〜と思ったよ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
最近、個人的によく遭遇する「「私刑もの」。
結論を出すのは難しいテーマだと思いますが、この話に関しては納得できる内容でした。
10月1日読了。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
推理小説というか犯罪ものとしてはめちゃくちゃすぎるけどそれが松岡の味なのだとしたら受け入れなければならないのだろう・・・。
キャラものとしてもほのかな恋愛ありの人間ものとしても犯罪モノとしても推理モノとしても社会啓蒙モノとしてもサイコホラーものとしてもすべてのテーマがほんとにすべて中途半端で、これで「完全版」なのかといささか驚いたが、それでも力技でえいっと読ませるのはすごい。まあ一言でいってエンターティンメントなんでしょうね。
感想は「おもしろかった」。ぐだぐだ言ってちゃ楽しめないってことか。
これ映像化したのかな? 映像化を完全に視野に入れてるつくりというか、元々そういう人なのか、全部映像がまぶたに浮かんでくるのは、すごいなあ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
少年事件について、未成年だから刑が軽いというのはおかしいのでは?ということを疑問に思ったことがあったため、この話の主人公には共感出来る部分は少なからずあった。
しかしこれには賛否両論あって、現代では必ずしもそれを裁くことが正義であるわけではない。その辺が難しいな、と考えさせられた話だった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
少年犯罪と親子の関係について考えさせられた作品。
由佳里にかなり感情移入していたので、結末は哀しかったです。そんな中、嵯峨が彼女に対して示した優しさと厳しさが印象に残りました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
2010.12.2読了。既読。
ピアノの音でその人の心情を知ることのできる教育者が、少年に家族を惨殺され、拳銃で少年に復讐する。それにとどまらず、法で裁けない残忍な事件を起こした少年らをも殺害し始め…それに気付いたカウンセラーの嵯峨が止めようとピアノ対決?する話。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
いや、面白かった。
基本的に好きなジャンルだったので、読みやすかったし勉強にもなった。
ただ、物語的な都合で進む部分と、現実的なギャップが不思議になることもある。例えば、判っているのに行動を起こさない、などなど。
物語の都合上、流れはそうあるべきだったのかもしれないが、もしもそれが現実にあるならば……という仮定から見ると、なんとなく残念なように感じられる。というのも、読者的な我儘なのだろうけど。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
6月-4。3.5点。
嵯峨シリーズ第二弾。両親と子供二人を殺害された音楽教師。犯人は13歳の少年。教師の心が壊れていく。
読み易いエンタメ作品。面白かった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
面白かったです。重いテーマを扱っていますが、先が気になって一気に読み終えました。特にクライマックスがいいです。さて次からは千里眼シリーズだ!
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
力作でした。少年による重犯罪というテーマ、伏線、まとめ方は流石です。重い話で読み終わっても胸に手を当てて考える部分もありました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
『催眠』シリーズ第2弾。
日本は犯罪者に優しすぎる。自分を守るのは自分だとなると
アメリカのように銃社会になっても仕方ない。
しかし、銃を手にすることで得る支配感、高揚感は恐ろしい。
人を変えてしまうのだから。
そして、14歳以下の凶悪犯について考えさせられた。
子供より保護者の対応のほうが大変だという時代においては、
親の教育のほうが先なんだろうが、そんなことはできない。
子供を膝に座らせて運転する大人が多かったから
それができないような法律ができたように
意識の低い大人たちから子供を守るには法律をきびしくしなければ
ならないのだろうな。
( ・_ゝ・)<大人の犠牲になった子供が、誰かの子供を犠牲にする。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ストーリーはおもしろかった。
主人公がカウンセラーなのに、犯人の心理状態の描写が少なかった。
千里眼シリーズも読んでみたい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
前作のようなどんでん返しもなく、ただただ凄惨で気持ちが重苦しくなりました。登場人物に感情移入してしまうのも書き手の力なんでしょうが… 文章のリズムや小気味よさも感じませんでした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
晴れやかな授賞式の舞台。
音楽教師としての実績を評価された響野由佳里は、文部科学省からその功績を称えられ表彰されることになった。
音楽に対して類稀なる才能を持つ由佳里は、演奏を聴くだけで演者の精神状態を見透かすことができた。
独自の信念に基づいた教育方針が認められたことで、由佳里にとってはまさに晴れ舞台となった授賞式だったのだが。
些細なことから父親と口論となった由佳里は、家族との会食の場を途中で抜け出してしまう。
別れた直後、家族が惨劇に遭うとも知らずに。
由佳里の家族を殺害した13歳の少年の態度には納得できないものがあったけれど、もしかしたらあんなものかもしれない…という気もどこかでしていた。
有り得ないことではないと、どこかで認めてしまっていた。
でも、少年の母親の言動にはどうにも我慢がならなかった。
「もしかして、この母親の方が頭がおかしいのでは?」と思ってしまった。
少年は日常的に母親の財布から現金を盗んでいた。
窃盗罪で捕まらないかと心配する母親に、「あんた何言ってんの!」と言いたくなる。
見知らぬ家族、子供も含め4人もの人間を殺害した息子なのに。
謝って済むことじゃないだろうと、この母親は馬鹿なのかと。
こんな親はいないだろうと思う反面、現実はこんなものかもしれないと思っている部分もある。
嵯峨のように対象者に寄りそうカウンセラーばかりではないとは思う。
自分では気付けない「歪み」は直しようがない。
自分はまともだと、正常だからカウンセラーは必要ないと、そう思っている人の中にもきっと「歪み」を抱えている人は多いはずだ。
ストレスを感じやすい社会だと思う。
人間関係の難しさや、理不尽な処遇に甘んじなければならない状況も、きっとたくさんある。
それでも、壊れていくのは嫌だ。
何かのきっかけで誰にでも起こり得ることなら、出来れば一生縁のない生活を送りたい。
カウンセリングの必要性を描きつつ、サスペンスとしての構成・展開、そして結末に至るまでが緊迫感にあふれていてハラハラしながら読み進んだ物語だった。