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建春門院平滋子の死、頼朝が北条氏に匿われるまで。
段々、清盛と後白河法皇の仲が悪くなってきた。
大宋貿易の談は読みごたえあり。
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・人は、高きに昇るほど、恭謙であらねばならぬ。
それが清盛の処世訓である。
・今日一日をなんの苦もなく送る。明日も同じように過ごせるだろう。明後日も、一年先も、十年先も・・・。そういう保証のあることを感じる日が、仕合せというのかもしれない。同時に、その一念が改革という変化を嫌うのだ。
・人が万物の霊長たる所以は、常に絶え間ない進歩発展を約束されたことにある。人は人たる代償として、安逸は許されない。
・人は居なくなると値打ちが増す。
・武士たる本分は「常在戦場」。常に戦場に在るの心掛けを持つことに尽きる。
・おのれが語る秘事は、人もまた語る。
・改革、という大事は反対者が多い。総論に賛成しても各論におのれの利害が関わると人は豹変する。改革の具体的な手順や、改革後の未来像を示せ、というが、それを明らかにすることは敵を作るに等しい。
・改革・開放。国を開き、異国の優れた文化を採り入れ、国力増進に資する。それは合理である。だが、合理というのは知性あって理解を得るものであって、爆発的な活力を持たない。
・反対に、偏狭な国粋主義というのは、殆どが感情論であって、理論を持たない。厭だ、嫌い、穢らわしいという感性は、瞬間的な爆発力を生む。
・英雄、色を好む。という。
・万人に優越することは、孤独を意味する。
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平治の乱を経て位人臣を極めた平清盛は、日宋貿易による治国済民を構想するが、平家一門は壮大な構想を理解しえず密かに孤立を深めていく……。
平家の良心として描かれることが多い重盛も、あまりに巨大な父に対して批判的な態度をとることで自己を確立せざるを得なかったという解釈は斬新でした。
清盛が政界遊泳を巧みにこなし、後白河院との微妙な駆け引きが建春門院の薨去によって破局を迎える時期までを取り上げています。
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厳島信仰
平家躍進
大宗交易
盈つれば虧くる
著者:池宮彰一郎(1923-2007、東京、脚本家)
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武門の頂点に立ち、官僚政治による弊害克服と日宋貿易を通じた経済の構造転換を目指す平清盛と独自の価値観で独裁を目論む後白河上皇との協働と駆け引きがしびれる。国内の窮状とこれを貿易、最終的には技術移転をもって、経済回復を見据えていた清盛の先見性が凄まじい。後白河上皇も一筋縄ではいかない人物としての描かれ方がいい。