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出張から戻る新幹線車中で読んだのですが…素人の私にはかなり難解。正直よく分かりません。内容は「建築入門」というより、「建築とは何か?」という隈研吾氏が自分に向けた問いに対する考察のようなもの(を、多少は分かりやすく敷衍したもの)といえば良いでしょうか。
隈研吾氏がとてつもなくアタマのよい人であることはよく分かりました。(苦笑
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難しかったが面白かったし、いろいろ考えさせられた。
建築を考えるには歴史、とりわけ宗教との関係が非常に重要と改めて認識。
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全体:
●建築思想及び建築史の入門書。
●全体的にわかりやすく、建築設計と建築理論の骨格となる概念を丁寧に解説している。
●一部内容において建築理論の基礎を理解していないと読みにくい部分もある。
構成:
●大きく3つに分けられる。
●第一章~第三章は本書における用語の定義を解説している。建物の構造と建物構築の違い、建築と空間、主体と客体といった以後の章の副題に用いられる何解な語彙を具体的に解説する。
●第四章~第五章は建物の柱、台座、屋根といった各要素を建築史に沿って、その具体的な意匠的特徴と効果を複数述べ解説している。
●第六章~第十章は建物様式のもつ意図やその計画技法を解説している。
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哲学的な問題とリンクさせるしかたで建築の歴史をたどった入門書です。
著者はまず、「すべては建築である」というハンス・ホラインのことばを紹介しています。このことばが意味するのは、主体を取り囲む環境はフィジカルなものであれヴァーチャルなものであれ、すべて建築と呼びうるということ、また、環境は主体の感覚によって生成されるということだったと説明が付されます。そのうえで著者は、こうした建築の理解にフッサールの現象学的還元との共振を読み込もうとします。さらに著者は、このようなホラインの建築論が、デリダの「脱構築」によって根底から批判されることになったと述べます。本書は、こうした現代の建築が置かれている思想的状況を踏まえながら、「構築」という視点から建築史を見なおす試みだといえます。
建築の歴史を概観する入門書ではなく、著者自身の観点から建築と思想とのつながりについて解説されている本です。興味深く読みましたが、現代の建築については立ち入った紹介がなされていないところが、個人的にはすこし残念に感じました。