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思っていたよりも大変読みやすい本だった。
高校生でも十分読めそう。
新渡戸稲造が、欧米人に日本人のことを分かってもらいたい、野蛮な国だという誤解を無くしたい、という気持ちで
武士道の観点から日本人の習慣や文化、倫理観等を英語で解説した本を、
日本語に訳し直した本。
読んでいて、欧米人にこんな誤解をされているからこんな風に弁明しているんだろうなーというのが分かりやすくて面白かった。
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世田谷ビジネス塾の課題図書。
課題図書にならない限り自分では手に取らない種類の本。
今まで自分の性格と思っていたことが、実は武士道の影響を受けて日本人に染み渡った価値観に基づいていると解った。
・武士道では、知識の獲得は目的ではなく、知恵に至るまでの手段であるとした。(p32)
・孟子は「お前が裸になって私を侮辱しても、私は何とも思わない。お前の無礼で私の魂を汚すことはできない」と書いている。小言に怒るのは君子の恥じるところ、と。(p92)
・熊沢番山は「人が咎めても咎めまい。人が怒っても怒るまい。怒りと欲とを捨ててこそ、常に心は楽しむのだ」と言い小川立所は「人が悪口を言うのに逆らわず、自分が信頼されないことを反省せよ」と言った。(p92)
命が名誉より安価なものとされた数々の事実は、現代人には受け付けれないが、いかに武士道の礼や義が今も日本人のDNAに刻まれているかを思わされた。
★読書会での意見
・現代から言うと、昔の女性(妻)は権利がないように言われるが、家庭を守り抜くという分野では実権を握っていた。
・夫が妻に稼いだお金を渡すのは、世界でも稀、江戸時代からの習慣。
・「自分よりまず人を助ける」「笑顔を絶やさない」は、日本人が3.11の際に世界から評価されたこと。
・武士道は漢字1字で示されていて、向かうところがわかりやすい、シンプル。
・今にも受け継がれている点: 土下座、礼儀、いただきます、などちょっとした儀式が多い。
・血なまぐさい背景から武士道は生まれたが平和を理想としている。
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「口開けて腸(はらわた)見せる柘榴かな」SNS全盛のいまの時代、新渡戸稲造にはどう映っているのだろうか。しゃべること・話すこと・書くことも、刀を濫用するがごとし。刀の正しい使いどきを理解する意味でも、武士道、騎士道、ノブレス・オブリージュ、いつでも頭の片隅にに置いておきたいものである。
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礼儀や義理。現代の日本人として、再度認識させていただきました。
忠義というものは、やはり時代と共に風化してしまったのでは・・・
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今、覚悟がたらぬリーダーに「武士道」を《赤松正雄の読書録ブログ》
先の大戦でひとたび日本は滅んだ。蒙古襲来にも倒れず、ペリー来航始め列強の挑発をも凌いだのに、徹底的な敗北を喫したのである。で、それ以来、僅かな歳月の間に、懸命の努力の末、国家再建はなった。だが今、何かがおかしい。国破れて山河あり、国起ち上がって人心荒廃す、とでも言うしかない風景が現出している。なぜだろうか。新渡戸稲造『武士道』を読んで、その答えが分かった。
この書物は、長く気になりながら読まずにいた。それが、テレビで放映(NHK「100分de名著」シリーズ)されたのをきっかけにテキスト共々取り組んだ。昭和20年生まれの私などの世代は、生命は地球よりも重いとの信念で生きてきた。どんなことがあっても生きて生きて生き抜くということでもある。名誉を重んじ、忠義のために命を投げ出し、切腹をも厭わぬなどといった立ち振る舞いは、遥か彼方の歴史上の事として棚上げしてきた。
今、目の前に展開する無責任そのものの各界指導者たちのありようは、さすがの私も目を覆いたくなるばかり。切腹をせよとは言わぬまでも、生きる価値なし、さっさと隠居しないか、と怒鳴りたくもなる。新渡戸稲造は、ある時、彼が尊敬する外国人老教授から、「日本の学校教育に宗教教育がないのなら、道徳教育は子どもたちにどうやって授けられるのか」と繰り返して強く問われた。その衝撃から、彼は武士道こそ日本の道徳源だとの結論を出した。
「武士道と云うは死ぬ事と見付けたり」(『葉隠』)との言葉に代表されるように、武士道は、戦時下における国民の覚悟としてかなり偏向的受けとめ方がなされてきた。そうした極端な形ではなく、もっと自然なリーダー論の中核とすべきではないか。忘れられた日本人の美徳を復興させるカギであり、男の覚悟の決め方の指南の書だと素直に思う。
戦前の反動としてあらゆる価値観が逆転してとらえられてきた。「戦後民主主義」のもとで人生を費やしてきた私など命の深いところで巣食っている価値観は、いささか武士道と趣きを異にしている。武士道を何も一方的に礼賛するつもりはないが、いかにも武士、侍がいなくなったといわれていることが今の“日本沈没”と歎かれる事態と深く関わっているように思われる。
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新渡戸稲造が欧米人に対して、日本文化を紹介。
同時に、欧米人が抱いていた日本人のイメージを払拭する。
いわゆる「武士道」の名誉、公正さ、優しさ、実直さなどを、義、仁、智などの項目ごとに解説。
切腹や人斬り、男尊女卑、金銭への疎さなど、一見すると野蛮とも未開人とも取られがちだった風習も、その根底にある精神や、同時に発揮されてる別の特質なども解説して誤解をとこうとしていた。
もちろん、刀を何よりも大切なモノと思い、主君への忠義を尽くし、武士の情けをかける、といった理想論すぎる武士道であって、現実の社会ではその権力を乱用した武士のほうが多かっただろうが、真髄はたしかに素晴らしいものだと思う。
聖書の知識があると、時折引用されるキリスト教的な考え方との比較がより一層わかりやすい。
勝ち組負け組、欧米追従、他責的、利己的な考え方の多い現代には、なおのこと広まればいいなと思った。
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サムライとは?日本人の思考とは?を外国人向けに他国の例も出しながらわかりやすく説明している。
新渡戸さん自身がアメリカなどにいたり奥さまが外国人だったりで、ワールドワイドな人。しかし今の日本人と少し違うかもという印象も受ける。芯がある時代という感じ。いや、そんなことはない!?
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日本人は、宗教なしに道徳をどう学ぶのか?
ある外国人の疑問に答える形で新渡戸稲造がまとめた書。
日本人の道徳観を支えている「武士道」の源泉となった神道、仏教、儒教。
武士道の本質である、義、仁、礼、信、名誉などの美徳の本質とは?
義とは自分の身の処し方を、道理に従い、ためらわず決断する心を言う。
義とは骨である。人は才能があっても、義がなければ世の中に立つことができない。
勇気とは正しいことをすることである。
正しいことを認識して、もしそれを行わないなら、勇気がないということである。
勇敢な心が精神に定着すると、平静———心の落ち着きとなってあらわれる。
平静は勇気の静止的なあり様である。
本当に勇敢な人は、常に平静である。決して狼狽せず、落ち着きを乱さない。
危険や死に直面して平静を失わない者———これを「余裕」と呼ぶ。それは、押し潰されず、混乱せず、さらに多くの物を受け入れられる余地のある心。
仁とは人である。
仁は、優しく、母のような徳である。真っ直ぐな義と厳格な正義が特に男性的であるとすれば、仁が施す慈悲は女性的な優しさと説得力をも持つ。
「もっとも勇敢な者はもっとも優しい者であり、愛のある者は勇敢な者である」
礼とは他人の気持ちを思いやる心のあらわれ。
「すべての礼儀作法の目的は、心を修練することにある。」
信がなければ、礼は茶番や見世物になってしまう。
以上、前半の前半のダイジェスト(・ω・)
オヌヌメなので読んでみて頂きたし書物なり。
雑草塾が徳をつむ場でありますよう。
@noronn
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2012年4月16日【朝活@NGO、朝食読書会@伏見】
開催報告はこちら→http://ameblo.jp/asakatsu-ngo/day-20120416.html
2012年4月17日【朝活@NGO、朝食読書会@伏見】
開催報告はこちら→http://ameblo.jp/asakatsu-ngo/day-20120417.html
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日本人が宗教なしに道徳をどう学んでいるのかを外国人向けに解説された本(原著は英語)、を現代日本語に訳された本。武士道に関するというより、日本的思考のパラダイムについて書かれている。その源泉として、神道、仏教、儒教を挙げて解説されている。一方で、ヨーロッパの思想家や学者の言葉を多数引用し、武士道が普遍性を持つ道徳であることを示そうとしている。そのため、ヨーロッパの思想に関する教養のない自分にとっては、例が例に成り得ない。でも、全く分からないかというそうでもなく、感覚的に理解できる、おそらく日本人だから。上記の目的により、日本人の美点に焦点をあてて書かれているため、読んでいて描写が非常に気持ちが良い。ただ、その美点の多くは既に失われており、今一度再確認すれば、現代においても参考になるところがあるかもしれない。
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軍人や武士の中に人間としての覚悟と志、戦略を学ぶことに興味を持った。初めて読む武士道。
時代劇を通して漫然と捉えていた武士の姿はあくまでごく一部の作られた映像。身分と高貴さを全うするための並外れた覚悟を垣間見ることができる。
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キリスト今日&であった新渡戸稲造の視点から書かれているこの武士道は、日本人としての世界に誇れる精神性の完成形じゃないかと思われた。まさに日本人のプリンシプルを明示するもの。これを日本人教育の中に組み込んでいないのはあまりにも残念過ぎる。。。この精神が生きていれば、どんな国の、どんな人とも対峙していける芯が出来るだろうに。日本人として誇りに思っていいレベルの「人の生きる道」を示唆する本。
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現代語訳で読みやすかった。
巻末の解説がとても分かりやすい。
切腹の描写はトラウマになりそう。
日本人の気質をよく表しているなと思った。
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今更ながら読みました。もっと感情論や精神論の話と思っていたけども、西洋と比較しながら例を紹介していて、若干視点に偏りはあるものの明治の人が、日本人を海外に紹介した著書でした。時代背景の解説があればもう少し面白かったかも。
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書かれた時代の影響か、すこし理想化されすぎているような印象ですが、大切にしたい精神です。
最近一言レビューがんばっていましたが、この一言に安心。無理することはないですね。ある武士の言葉だそうですが、「あなたの魂の土壌が微妙な思想で動かされているのを感じるか。それは種子が芽を出す時である。それを言葉で邪魔するな。むしろ、静かに、秘やかに、それを働くままにしておけ」