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続、からしか見つからなかったけれど、別に困らない。将軍家の司書を勤めた同心たちの話である。そんな役職があるとは知らなかった。ついでに古本屋の手伝いをしているのが面白い。
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すっかり、その淡々とした世界にはまってしまった『御書物同心日記』。この続編では、「本の虫」丈太郎の意外に剛毅な一面とも出会うことができる。
事件というほどの事件は相変わらず起こらないが、平凡な日常の中にときどき起こる「波風」は前作にくらべればはるかに大きく、そのぶん丈太郎も文字どおりの「活躍」をみせるのが新鮮。時間の経過とともに角一郎をはじめとする同心仲間との関係もやや密になり、淡彩な日々にもほんのり色づきはじめたようだ。
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御書物方をのどかなどと感じたが、今でこそ空調と機械警備に任せて古文書を管理しているものの、あれを人力でやるならば相当難儀に違いない。無事であってあたりまえながら、一日24時間、永劫に大事を許されない重責であると思い直す。
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前作も、面白く読んだ。
御書物方同心なる役があったこと、紅葉山の德川家の御文庫のこと、そこでどんな仕事があったのか、どれも知らなかったことばかりで興味深かった。
ごく短い短編なのに、古書をめぐる謎とその解決がそれほど不自然でなく展開する手際の良さも、見事だと思った。
ただ、前作は埃やネズミの糞、紙魚、腐った弁当など、何かこ汚い話が多くて、気分的に嫌になったぶぶんもある。
で、続編の本作。
感心するところは前作同様。
ベテラン作家の安心感がある。
一方、眼福満腹会の趣向とか、菊尽くしグルメとか、旗本の蔵書を改めた際にふるまわれる昼食とか、グルメ小説になったのかと思わされた。
作中にも出て来るように、「古本屋には季節はない」。
しかし、この作では季節も味わうことができる。
その工夫の一つが、食べ物の描写なのだろう。
白瀬角一郎や、日本橋の古本屋の小泉喜助一家など、引き続いて登場する人物も多い。
最後の「蓮実」に出てきた油畑友造は、なかなか面白い人物のようだが、次作にも登場するのかな?
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ちょっとした事件が毎回おきますが、最後は余韻のある終わり方で味わいがあります。すぐ読んでしまうともったいないので少しずつ読んでましたが読み終わってしまった。続きも楽しみ。