紙の本
めくるめく冒険
2005/03/24 14:37
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ユー・リーダーズ・アット・ホーム! - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノーベル物理学賞を受賞されている著者によるエッセイで、原題に「好奇心でいっぱいの人物のめくるめくアドベンチャー」というようなサブタイトルがつけられている通り、愉快痛快な冒険物語を読んでいるといった感じでした。どの場面でもまっすぐに語られる文章が魅力的で、端的な文章だからこそあちこちに散りばめられた笑い話が余計におかしく、唐突で思いがけない展開に吹き出してしまうこと度々といった感じです。最終的に、その魅力的で個性的な素直な文章は著者が信条としていることに裏打ちされているものだということがわかります。
そんなふうに全体に非常におかしく、気持ちよく笑えるとても楽しい本ですが、同時に、著者のまっすぐな視点から数々の具体的なできごとを通して、さまざまな分野に関わる多くの問題提起がされている、示唆に富んだ部分があることもわかります。とくにブラジルの教育に関する部分では、それはブラジルの問題だと、対岸の火事のように、ただ笑ってやりすごす気の全くしない問題が指摘されていたりします。
さらにこの本の中で特に印象に残ったのはロス・アラモスに関する部分で、この本では突っ込んだ戦争についての話はされていませんが、1945年原爆実験に成功した直後の研究開発者たちのようすと、そのなかでも対照的に暗い顔をしたボブ・ウィルソンの言葉が書かれた部分で、そこには科学者はもちろん、すべての人がずっと心に留めておくべきものがあると強く感じました。
その辺から、本を読み進めながら漠然と科学者の責任ということについて考えていましたが、著者は本の最後(下巻)に非常に誠実なことばで、基本的で大切な思いを語っています。たとえば科学者は、とくに優秀であればあるほど大きな責任を負うことになるし、誠実さが求められることになるんだと思いますが、同時に、同じ地平線上で生きている人間であればだれにとっても常に、安易なごまかしにかまけることなく誠実であるということが大切なんだということを、純粋に考えさせられたように思います。
紙の本
たのしめる電車の中でどうぞ
2002/07/20 12:23
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:優樹O - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノーベル物理学賞受賞者であり物理学教科書の定番「ファインマン物理学」の筆者でもあるファインマン氏の有名なエッセイ集。
氏のエッセイは彼の見た世界をありのままに描いている。学者の書いたエッセイは政治や社会批判ばかりでかっこつけた面白くないものになりがちだ。しかしファインマンは違う。彼が感じたありのままのおもしろさや美しさ、楽しさにあふれているのだ。
楽しくて落ち込んだ気分がふっとぶいたずら好きな天才物理学者のエッセイ集。
紙の本
ファインマンさん
2021/06/02 14:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
おもしろいストーリーが数学好きではない人でも楽しく読めます。短編集を読む感覚で読めるので、読みやすいです。
紙の本
ノーベル賞受賞の物理学者の奇想天外な話題に満ちた自身の人生のエピソードを面白く描いた書です!
2019/01/29 11:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、我が国の朝永信一郎とともに1965年、ノーベル物理学賞を受賞したR.P.ファインマン氏の奇想天外な自身の人生を面白おかしく描いた一冊です。同書は、彼の学術的功績について書かれたものでも、研究内容について書かれたものでもありません。少年時代より人一倍好奇心の強く、何で楽しんで行ったという奇想天外な人生とその楽しみ方を紹介した書と言えるでしょう。同書を読んでいると「人生ってこんなに素晴らしいんだ!」と改めて思わせてくれる一冊です。
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著者:R.P.ファインマン
今日読み終えました。
最近ファインマンものばっかり読んでます。
大学からコーネル大学で教鞭を握っている時期のことが
書かれている。
ほんと物理学者という以前に
面白い人だ。
何事も楽しんでしまう。
ちょっといたずらすぎる面もあるけど。
しかし、物理の研究に対して
やや身が入らない時期もあったようだ。
意外だったけど、やっぱりファインマンらしく
スランプをすり抜けている。
人間、動物、自然現象、あらゆる面に関して
鋭い観察力をもっており、
さらに実験上手。
中でもナイトクラブでの経験など
一回は是非とも試してみたい。
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理系はきもい、とか、そもそも勉強嫌いとか思ってる人はこれを読んでください。ボクはこの本を小学生の時に読んだんですが、理科とか算数出来るのかっこいいな、って思ったし、それ位から算数と理科が好きになってたのを覚えてる。
そしてそれ以上にかっこいいと思うのは、この人の人間性。勉強だろうと遊びだろうとそういう区別なく、何事も楽しんでやろうという気持ちは大切だと思う。人生を楽しみたいとも思える。
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ノーベル物理学賞受賞した物理学者ファインマンの自伝。よくみるかっこいい天才列伝ではなく、あらゆる意味で『武勇伝』満載な仕上がり(笑)。ただ何回も失敗しながらいろんなものに挑戦していく姿は滑稽でもあり尊敬しちゃうとこも。
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自然科学の楽しさをあますところなく伝えてくれるのに、堅苦しさが一切なく笑ってたら読み終えてしまうという奇跡のような本。それでいて、自然科学の価値とは何かなんて真面目な話も。わが座右の書のひとつ。
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ロスアラモスでの描写が素敵。国家の一大事に参画してるって気負いは最初の頃を除いてほぼみえない。でも、重大な物理化学の局面にいるってのがありありとわかる。ファインマン自身はわかってんのかどうか怪しいけど。なんせ金庫の鍵を開けるのに夢中になってるし。その意味で、物理>国家なのが小気味いい。ていうか、国家だけじゃなく、全ては物理に超越されてるって気がする。でも(だから)、最後は爆縮型原爆の成功にボンゴ叩いて浮かれている。ハッピーファインマン。
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ファインマン先生が体験した様々なエピソードが面白おかしく書かれています。読んでみて思ったのは、彼は幼少期から科学者だったということ。天才と謳われる人々は少なからず子どもの頃から色々な物事に興味を示し、それを自分なりに納得しようと努力するものなのだなぁと。それには、親(ファインマン先生の場合は父親のエピソードが多く語られていますが)の教育が大切だと感じました。彼は幼少期から天才だった。
やはり「下から見たロスアラモス」の章は、日本人にとっては何とも言えぬ思いにさせられると思います。当時の著名な物理学者達が結集して作り出した原爆が広島に落とされた。一回目の実験が成功して携わった多くの人々が寄って集って沸いている中、ボブ・ウィルソンだけが「とんでもないものを作り出してしまった…」と嘆いていたというエピソードはとても心に残ります。また、病に伏せていた妻とのやり取りもファインマンさんらしいもので大変印象に残りました。明るくお茶目なことで有名な物理学者ですが、(当然ながらも)その人生は決して明るいものばかりでは無かったこと知り、同時に物理を志す者として色々と考えさせられる書でした。
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物理界では超天才でノーベル賞を取った偉大な方なんだろうけど、
物理以外の生活におけるファインマンもホント面白い!
上下一気に楽しんで読めました。
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2007/5/31 読了。
楽しい読み物。物理学については学ぶところがない。ファインマンさんのユーモアと好奇心旺盛な性格が分かる。
金庫破りの話は声をあげて笑ってしまった。
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物事を随分面白おかしく語る人だな、というのが第一印象だった。ロスアラモスで原爆の開発に関わったときの話なんかも読めて、面白いですよ。
個人的に印象に残っているのは、彼が生物学の講座にもぐりこむところ。猫の体の構造をつぶさに述べていくと、生物学専攻の学生たちは笑う。「そんなこと、知っているよ」と。それに対して彼は思うのだった。「なるほど、道理で4年間も生物学をやってきた君たちに僕がさっさと追いつけるはずだよ。」解剖図を15分も見れば分かることを、いちいち暗記なんてしているから、時間がいくらあっても足りないのだ、と。
さて、僕らが努力をする、一つのことに専心するその時、その分野のコアから外れた部分に一生懸命になっていることはないか?そんな悠長なことをしてる間に、頭のいいやつというのは、コアをポンと掴んでしまうのだ。そして、枝葉に時間を割いた「努力家」と肩を並べてくる・・・。
まったく、恐ろしいことだ。
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ノーベル物理学賞を受賞した事もある理論物理学者、ファインマン教授の面白エピソード。好奇心 + その答えを求める飽くなき探究心が凄い。2007/10/04
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物理学の教授の飽くなき探究心と、少年のような好奇心によって展開される。
全体を通して、なんだかかわいらしい物理学者ファインマンに出会える作品。
吹き出してしまったりするところや、少し感動するところなど、物理学の知識が全然ないわたしでも楽しめた。
というよりむしろ物理学についてはほとんど書いていない。