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二宮尊徳や本居宣長といった人物を取り上げながら、学ぶということについて、思索をめぐらす一冊。異端の学者による極端な説が開陳されるのかと思いきや、述べられている内容はうなずけるものが多い。特に、第三章の職人の話題はおもしろかった。一人ひとり人間が違うからやり方も異なるという話は、当たり前ではあるのだが、普段見過ごしていることだなと感じた。
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思い込みの強い偏狭な視点と論理的な飛躍。不満の募る愚痴っぽい文章。何かいいことを伝えたい気持ちは分かるだけに、なんだかとっても残念な感じ。読んでいると、いちいち引っかかる部分があり、読めば読むほど捏ねくり回された退屈さを感じてしまった。あくまでも個人的な感覚としてタイトルから想像する内容ではなかったかな。
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正直、やや読みにくい文章だと感じた。しかし、筆者も書いているように、私立中学の試験問題などにも出される、いわゆる「読解力」を試される文章構成ということなのだろうか。筆者自身が「読解力」を試すことのおかしさをやや皮肉めいてかいている個所はおもしろい。
全体を通して、勉強法や教育論というよりは、筆者が日頃感じていることがつづられていると思う。最初の「二宮金次郎」の身ひとつで学ぶという項は勉強になった。
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文通を通して意見交換した「剣の思想」とは
打って変わってこの本は遠慮のない文体なので
読みやすいし気兼ねなく反論を覚えたり共感したりできる
読み出しの「まえがき」からして愉しく読み出せた
人間は産まれると同時に辺りを探り相手と出合うことの
独学によって自分の存在を確認してきた
それが歴史のある縄張りほど責任転嫁と依存に逃げ込むための
官僚制度に頼ることになる
それは結局騙された形での
暴力支配による恩恵に浴することを願っているのだ
学問が外目線で始まると単なる物知りの知識になる
学問を冒険にできれば出合いを切磋琢磨にして発見をつなげて
人生と宇宙を舞台に遊ぶことができる
この点で前田さんの生き方を尊敬する
前田さんは世間とは違う面で二宮金次郎の生様を
引き合いに出して独学を説く
社会性とか損得とか価値観とかに縛られて
競争することで権利権限を得て搾取支配に
安全地帯を求めることを嫌い
出合いの人生を謳歌すために学ぶことが幸せに繋がるという
更に独学者を歴史から拾い上げて人生を説く
孟子・中庸・大学を比較して金次郎は
「孟子は難し中庸は易し」と言う
官僚的で机上的で部分的な孟子の理に対して
全体的の俯瞰した真理を説く中庸を生きた理と説く
私学者伊藤仁斎=空言・都合よく読まずに真意を探る
大小にかかわらず一身を持つものには一身で受けなければならない
本居宣長=身一つで生きる
パスカル=人間は考える葦である 時空を超えて考える
柳宗悦=民芸運動・購買運動
手仕事の民芸品と機械作りの量産品と頭作りの芸術品
奇をてらった独創的な作品と日常の中の工夫による作品との違い
人力による生産の限界と生活に沿った物の量とは調和している
この調和を壊すのは不自然な競争による欲望である
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「漢意」→<欧米ごころ>で、本居宣長と内村鑑三を対比する思考は面白い。基本的にはデカルト的な近代合理主義・理性主義批判が著者のスタンスなのだろうが、文章が少々読みにくいのと説教クサイのが難点か。