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内容(「BOOK」データベースより)
モーツァルトやヨハン・シュトラウスなど多くの楽聖たちが名曲を生んだ音楽の都ウィーン。神聖ローマ帝国皇帝ハプスブルク家の都ウィーン。ヨーロッパの古都は今もなお優雅で華やかな香気を放っている。だが、このような都市の神話はいったいどのようにつくられたのだろうか。ローマ人が築いた駐屯地にはじまり、都市計画による大改造にいたるまでの激動の都市形成の歴史をたどりつつ、「よそもの」を魅きつける魔力とオペレッタ的いかがわしさにみちた、ウィーン神話のもうひとつの顔に光をあてる都市の社会史。
目次
1 ウィーンの成立(ローマの駐屯地ウィーン
ウィーンの暗黒時代 ほか)
2 バロック的なるウィーン(ウィーン存亡の危機
マリア・テレージアのウィーン ほか)
3 ウィーン神話(一九世紀の足音
ビーダーマイアーからバリケードへ ほか)
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「よそもの」という概念を軸に展開するウィーン史。
なかなか面白い見解だが、一つの思考に拘り過ぎた結果、歪曲とまでは言わないが少々無理ある主張と見えなくもない。とは言っても学者であれば、その拘りは当然の執念であり、本書の価値を何ら損ねるものではないと思う。
当方としては、この主張の先に日本を見据えているのであればなお評価に値すると考えますが、実のところはどうなんだろうか?
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「よそもの」が来る場所ってのは、文化が発展する場所。一概によそ者を悪者扱いできない。寛容な街:ウィーン。だからこそ事件もたくさん起きている。
オーストリア旅行の前に読んでよかった。歴史の本として面白い。実際に行ってみて、よそ者が作ったというところがなんとなくわかる気がする。
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まさに知りたいことが網羅されていて、一気に読み終えました。これに近いと思われる本が他にもある中で、この本を選んで良かったです。
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ウィーンにゆかりの深い人物、モーツァルト、ヨハン・シュトラウス、モーツァルトなどなどの音楽家を中心にした後半も面白いが、ローマ帝国、ハプスブルク家中心の中盤までの展開もおもしろい。
本当のことを言うと、自分の持つウィーンのイメージって、フロイトとかヒトラー辺りのどんよりとしたイメージなんだけど、読んでて「普通そうだよな」と言う感じ。
ニューイヤーコンサートのあのウソっぽい華やかな雰囲気、挿入される乗馬の風景や踊り、あのメッキされた感じっていいよな、って思う。本を読んで知ったのだけど、コンサートで映し出される唯一の心が安らぐドナウの流れの風景も、実は人工的なものだと知って、ある意味ではこの作り物感のウィーンの良さってのもあるのだろと素直に感じる。
「Vienna」ではなく「ウィーン」という言葉の響の「ウソっぽい華やかさ」というものはまた別なんだろけど、どっちにしろ「借り物の街」ということか。良書。