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【学びたいポイント】
①なぜ人間は不合理なのか?
②どのようにしたら合理的に判断、行動できるのか?
③おもしろいエピソード入手
①社会規範の中に市場規範を持ち込むという誤りを犯す
②学生の主体性に任せて成績を上げるには、その学生が自己分析を適切にできている必要がある。特に弱点を自覚し、認めて、克服しようとすることが大切。
まずは人は不合理な生き物である。自分のどんな部分が不合理になっているかを知ることから始めなければならない。
③市場規範と社会規範
→社会的なインセンティブで頑張っていた人に、金銭的なインセンティブを与えたとたん意欲が下がることがある。
性的興奮の影響
→興奮状態では、合理的な判断はできない。
アンカリングが最初の決断に基づいて行われるのにスターバックスは成功した。ダンキンドーナツなどがアンカリングにならなかったのは、スタバが、入店経験が他とは違うものになるよう、できることを全て(高貴な名前、様々なサイズ、炒りたての豆の香り、見栄えのする軽食など)やったから。ダンキンドーナツがアンカーにならなかった。
〈どうすれば教育制度を改善できるのか〉
まずは学校のカリキュラムを再検討。社会全体が気にかけている社会的な目標(貧困や犯罪の撲滅、人権の向上など)、科学技術的な目標(省エネ増進、宇宙開発、ナノテクノロジーなど)、医学的な目標(がん、糖尿病、肥満の治療など)とのつながりをもっとはっきりすべきだろう。そうすれば、生徒も教師も親も教育により大きな意味を見いだし、もっと熱心に意欲的になる。
また教育することが目標であると忘れず、学校で過ごす時間数と生徒が受けた教育の質を混合するのはやめる。
科学技術ではないが、人文系の技術が一定数の研究、検証を経て、詰まっている。日常生活やビジネスに取り入れない手はないはずだが、明らかにその数がどこの業界でも少なすぎるのが現状だ。
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社会的認知,特に意思決定とか経済行動に関わるようなところの研究成果をいろいろ紹介した本。まちがった誇張もないし1つの章は短いので,ゼミお題本としてよい。
著者のアリエリーはイグノーベル賞受賞歴もあり。
カーネマンは行動「経済学者」じゃなくて認知「心理学者」だッ。
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行動経済学。理性的な判断で全てが動く訳ではないということが、いろいろな実験データを交えて書かれている。
無料でクッキーを配った場合と、1個1セントで配った場合に、後者の方が多くのクッキーが持ってかれていく、など実験の内容・結果ともに面白い。
社会規範の領域だと自制が有力だが、市場規範の領域になった途端、費用対効果が力を持つというのは面白かった。物事を依頼するときの参考になる。
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行動的経済学研究の第一人者である筆者が書いた。とても興味深い実験結果を通して人間が選択する原理原則にせまる。
社会規模と市場規模の実験結果は、要するに「真心」と「金」に対する関係を見事に浮かび上がらせる。
締め切りに対する先延ばしの原理では、仕事の期限の与え方に大いに示唆を与えてくれる。
本全体を通してユーモアにあふれ、軽妙な文章で、分量の割にはとても読みやすい。
読書会で共有したい秀逸の一冊。
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目次に魅せられて購入。人を動かす根本要素は何なのかを知るため、興味深い研究結果に基づいて記された1冊。
【絶対的基準は…ない!】
人は、ものごとを絶対的な基準で決めることはまずない。つまり、他のものとの相対的な優劣に着目して、そこから価値を判断する。これはものの価値だけではない。自分がどんな生き方をしたいのかさえ、親戚なり友人なりの生き方との相対で選ぶことが多い。他にも、小丸に囲まれた中丸は、大丸に囲まれた中丸よりも大きく見える錯覚だってある。
→医者の子は医者になる?親が大学出ていると、その人の子も大学出る?この手を使って、合コンでは自分よりもちょっと魅力的でない人を連れていくと自分は…。
【トム・ソーヤ―に学ぶ雑用への対処法】
ペンキ塗りをおばさんに頼まれたトム・ソーヤ―はいかにも楽しそうにペンキ塗りを始めた。この仕事は面白くてたまらない!…ふりをする。そして、それを見ている友人にこう言う。「これが雑用?塀を塗るなんて、滅多にやれる経験じゃないよ!」と。すると友人は「お金を払ってでもやりたく」なる。
→これはお金を払ってでもやる価値があるものか?お金をもらわなきゃやる価値がないのか?第一印象でアンカーが決まる。私は給料をもらわなくても・減給されても今の仕事をする?
【なぜ楽しみでやっていたことが、報酬をもらった途端につまらなくなるのか?】
社会規範と市場規範による差。
例えば、毎日のお風呂掃除が子どもにとってお小遣いのためであればそれは市場規範。今後二度とお小遣いなしではお風呂掃除はしないだろう。一方で、家族という社会の一員としての役割に長男はお風呂掃除、次男はお皿洗い、を与えるとこれは社会規範になり、無料でやることが当たり前になる。社会規範の中に一旦市場規範が入ると、社会規範は冒される。
→私たちが何か周囲の人のために仕事をしたとき、「なんで感謝されない?」と見返りを求めることは市場規範、つまりその価値に見合うことを周りに要求しているのだろう。私がすることは社会のためになり、これは自分のためにやっているという気持ちこそが社会規範。
【最後の一口が皿に残るのはなぜ?】
共有の皿で出された料理は、共有資源で私物化されたものでないから。このとき私たちは社会規範に入っているため、周りよりも資源を取り過ぎないように消費を抑えるのである。
→飲み会に1つ良いネタができた。
【ドーナツに手を伸ばさないためには…】
ダイエットをするには、定期的な運動をするとか、糖質・脂質を控えて野菜中心の生活にすべきということは「頭では分かる」。しかし、未来の健康をありありとイメージするのは難しいので、ドーナツに手を伸ばしてしまう。
このように、長期目標のためにとるべきあまり喜ばしくない行動に対して、目先の強力なプラスの強化を与える奥の手を探すのが有効だろう。
→ドーナツに手を伸ばしそうになるのはなぜだ?通勤路にドーナツ屋があるから?クーポンのお知らせがメールで届くから?夜8時になると���腹になるから?そのトリガーを抑えることが肝心。通勤路を変えてみる、メルマガを廃止する、夜8時には撮りためたお気に入りのTV番組を見る、など別の目先の強力なインセンティブに手を伸ばそう。
【一度上げた生活水準を下げられないのは…】
一旦所有してしまうと、並大抵では元に戻せないという研究結果がある。
→一度、2LDK・宅配ボックス・追い炊き機能付きお風呂の部屋に住んだら、次もその機能がついた所に済みたくなる。一度、東京で7万円の家賃の所に住んだら、地方でも同程度の家賃の部屋を探す。一度、1週間お試しルンバキャンペーンに手を出したらルンバを放せなくなる…。これを避けるには、自分はまだ所有者じゃないと、距離を置くしかないが、とても難しい。。。
【インターチェンジの高級フランス料理店に行きたい?】
雰囲気から得られる期待感は、満足度に大きく影響を与える。東京の高級フランス料理店でフォアグラを食べるのと、地方高速道路のインターチェンジでフォアグラを食べるのでは、同じものを食べても前者で食べた方がおいしく感じる。
→ブランド認知の問題。年下で、口下手な私から講釈を聞きて満足する人は少ない(釈迦に説法だ…)。場に合ったサービスを提供するか、サービスに合った場を創るか、だ。
【プラセボは効くのか?】
プラセボ(有効成分を含まない錠剤)が効くには2つの条件がある。
①信念、②条件付け
①有名な医師、大学病院での診察、懇切丁寧な看護師、から処方されると効くという信念が芽生える。更には、高いと効果があると思いがち。。。特価品で購入した風邪薬よりも、定価で買った風邪薬のが効果があるのだ。
②パブロフの犬と同様。①が前提条件?効くというのを自他共に認められる状態にあること。
ということは、どこかの民族が疫病を治すために村人を生贄にするとか、霊媒師がヒキガエルの目玉を煎じた飲み物が除霊に効くのだ、と良うこともまんざら嘘ではない。
→病は気から。人がどうこういうことに耳を貸さなければ良い。自分が信じるものは効果はどうあれ効くのだ!他人が信じているものに、例えばマイナスインを浴びると肌がきれいになるなんて迷信だよ、口を出すなんて余計なことをする必要はない。
【正直者は馬鹿をみるのか?】
私たちには生来、社会の倫理に従うと満足し、従わないと不満になる。だから誰も見ていない朝4時でも赤信号なら止まるし、拾った財布の持ち主が見つかれば嬉しい気持ちになる。
しかし、人々はチャンスがあればごまかしをしてしまう(目一杯はしないが)。答えがあればカンニングするし、会社の備品も私用に拝借してしまう。
こんなことに手を打つには、誘惑に駆られている瞬間に道徳心を呼び起こさせること。理念の唱和や甲子園での選手宣誓には一定の効果があるのだ。
→私はどこまで倫理に反せず生きられているか?ゴミをポイ捨てしていない?立っているのがしんどそうな人に席を譲っている?妻と電話できるのに言い訳して翌日に延ばしていたりしない?人と会う約束がちょっと面倒になってウソをついてキャンセルしたりしていない?
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とてもおもしろい。
報酬をもらった途端にやる気を無くしてしまうことや、つい先延ばしにしてしまうこと、無意識に周囲の選択に影響されてしまっていることなど、今までの生活でも思い当たることが多い。
気になるところに付箋を貼りながら読んでいたら、本が付箋だらけになってしまった。もう一度読み返そう。
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比べるものがあるから買っちゃうし、比べるものがあるからいい方を選んでしまう。
無料!の魔力
お金がからむと市場規範となる。
お金が絡まない方がパフォーマンス良い。
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経済学は人間が合理的だという前提のもとにある。行動経済学は予想どおりに不合理だという前提のもとにある。
絶対的ではなく、相対的にしか判断できない
Aを選ばせるためにはA劣化版とBを用意する。
価格は一番最初の価格に影響を受け続ける。最初に見た金額ではなく、最初に買おうとした金額。
人が並んでいると魅力的に見える群衆行動。
それは自分にも当てはまる。一度高くてもスタバのコーヒーを飲んだ自分。その後ろに並ぶ次回の自分。その後ろに並んでさらに高いフラペチーノを買う自分。どんどんコーヒーに支払うベースが高くなる。
スタバは、上質な空間を提供するという全く違う切り口で展開することによって、新たにアンカリングした。
無料は損でも選びたくなる。ノーリスクだと勘違いさせる。ゼロと1円は全く別物。
人が動くのは市場規範ではなく、社会規範。
やる意義があると思うことで人は動く。そんな時にお金での報酬を与えると逆に動かない。
市場規範と社会規範は同居しない。どちらかが当てはめられる。
プレゼントはお金より社会規範。プレゼントの値段を言うだけで市場規範に適用される。
愛や向学心は金では買えない。
どんな大義につながっているかを伝えるべきた。
レポート〆切別の成績は、強制→意思表明→完全自由の順。
人間は先延ばしにする。意思表明させるだけでも違う。
定率強化より変率強化の方が中毒性がある。
変率強化とはセールスマンが車を何台売ればボーナスがもらえるかわからないこと。
人な得る喜びより失う悲しみが大きくなりやすい。オークションはそれをうまく利用して、一度所有意識を持たせる。
人は選択肢を捨てられない。
両側の干し草を迷って餓死するロバのように。
デジカメに迷いすぎてシャッターチャンスを逃すように。
高級な雰囲気のコーヒーは値段を高く払う。おいしく感じる。知識は先につけさせるべき。
「おいしい」と「ブランド」を認知する脳の部分は違う。ブランド力のあるおいしいものは二ヶ所を刺激するため、脳の快楽が大きい。
自分自身の行動も先入観で変わる。
数学のテストの事前アンケートで
アジア人を意識させられると良い。
女性を意識させられると悪い。
共有地の悲劇
みんなで牧草地を分け合い、家畜を育てる
1人が貪欲に多くとると、全ての家畜が栄養失調となり、全員が損をする
人間はごまかすチャンスがあれば少しだけごまかす。しかし宣誓、署名で正直であることを思い出させればごまかさない。
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第1章
おもしろすぎる。相対性は他の事例で言うと運動会マジックもそうやな。あまりにも一部の人と密になりすぎて他にもいっぱい異性がおることも忘れてその人しか見えんくなる。恋愛において相対性は働いてくれんと困るし、素敵やけどね笑
第3章
無料が売り手にとって切り札となるって観念は僕とって初めてやった。そうか、無料の裏には必ず思惑があるんやな。そして社会科学の「出費の痛み」を持ち出して会計一人持ちの有益さへつなげる。めちゃくちゃ人間的なところに合理的な説明を持ち出してくるのがこの本の面白いところ。
第4章
社会規範と市場規範を区別することの大切さを雇用関係や恋愛を例に示す。そしてプレゼントの意義。これ読むとプレゼントが苦手な人も合理的な感覚でできるようになるのかも、でもそれって社会規範に見せかけた市場規範になりそうな感もしなくもない、かなり紙一重なところやね。
第8章
仮想の所有意識を利用したビジネスの存在がわかった。私が特に実感するのは競馬かな笑 これが当たれば何円になるってイメージが先行しすぎて馬券を外してるんやとしたらまんまと養分にされてるんやろな。
第9章
二択で決断できないのは決断しないことによる影響を考えることができていないから。なんとなく野ブタ。第1話で修二が言った「お前さ、決められないってことは、どっちも欲しくないってことなんじゃないの」ってのを思い出した。優柔不断を解決する糸口になりそう。
総じて面白かった。日本はもっとアメリカを参考にするべき。
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たまたま、ニーナ・メイザーの論文を読んだことから行き着いて、衝動買いした3冊のうちの1冊目。
以前、行動経済学に非常に興味を持ったもののそれっきりになっていたことを思い出した。
ちょっと実験心理学っぽいところもあるのだろうけど、偏見かも知れないがこちらの方がある意味科学的とも思える。
難しいことはさておき、人間ってこういうもんだなと単純に面白さを感じられる。
娯楽という視点で読んでもいいのかなとも思う。
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市場価格は需要と供給の関係性だけで説明できると思っていた。人間が、自分自身の不合理さにこれほど左右されて判断しているとは驚きだ。アリエリー教授たちのその独創性あふれる実験の数々が非常に面白い。特に、相対性の真相、アンカリング、社会規範と市場規範の二重社会、高価な所有意識、予測の効果などの教訓は、価格設定やプロモーションに役立つに違いない。米国の個人負債社会はまさにマーケティングに応用した結果なのだろう。
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経済学(本書では「ふつうの経済学」)は、人を常に合理的に行動するものであるとの前提がありますが、果たして本当にそうだろうか?人の行動には合理的ではない部分が相当程度あるのではないか?ということで、従来の経済学の前提への批判から、行動経済学が生まれることとなります。
本書は米国の研究者が主として大学生を対象に行った各種の実験結果から、私たちの普段の行動は、経済学でいうところの合理的なものでは必ずしもないことが明かされていきます。例えば、ズルをしようと思えばお金をもらえる実験では、経済学的に合理的な人なら、ズルをしてお金をたくさんもらうはずですが、そこまでズルをする人はいないだとか、社会規範を意識することでズルをする人が減少するだとか、そうした結果が明らかになっているとのことでした。
自分自身、様々なものに影響されることも多々ですし、仕事の上では、非常に非合理的な慣行があったりするなど、経済学の合理性が我々の日常社会に浸透しているとは思えない面もあります。ただし、だからといって経済学の考え方そのものが間違っていると本書は指摘しているわけではありません。あくまで人はいつなんどきも合理的であるという仮定は修正する必要があるとの問題提起にとどまります。
我々は、日ごろの非合理的なことから、一体何を学び、将来に生かしているのでしょうか・・・このあたりはかなり不安ですね。
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行動経済学の面白い実験をを一般向けに紹介した本。言われてみればなるほど、ってなる人間の不合理さがとても面白い。
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行動経済学のベストセラー。私たちが、従来の経済学の見方からすると、いかに不合理な行動や決断をするのかという、様々な実験や考察が書かれていて、とても面白い。
でも、著者によるとその不合理さには規則性があり、予想ができるとのこと。
自分の行動一つ取っても、まさに不合理だなと思うことが多々あり、日々の何気ないことがちょっと新鮮。
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行動経済学の名著、経済学の文脈において「十分に賢く、合理的である」はずの我々が、いかにに不合理(しかも法則性が存在する)であるか、筆者の実施した実験を元に語られている。筆者は(いい意味で)とっても趣味が悪く、本書もユーモア溢れる文体で書かれているのでので読み物としても十分に楽しめる。