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あえてジャンルを言えばほのぼの推理小説……? 殺人鬼が暴れまわらなくても古代からの暗号がなくても、謎はどこにでもあるのだと分からせてくれました。問題編ともいえる主人公の手紙部分に、すっきりさっくり答えてくれている解答編部分がとっても心地よいです♪
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当時大学生だった自分は同じく女子大生の主人公にシンクロして読んだが、そうでない場合感情移入できるかどうか。現実世界よりちょっと甘くてファンタスティックすぎるきらいもあるし。日常の謎物が好きならオススメ。北村薫氏好きにも。
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表紙のイラストに惹かれ、思わず手にとった本「ななつのこ」から始まる物語です。
本の内容と現実を照らし合わせて物語は進んでいきます。
主人公の周りに起きる日常の謎を著者との手紙での交流にて解き明かしていきます。
全7つに分かれる短編小説ですが、
全部が繋がっていて、最後に一つのミステリーとして解き明かされます。
一つ一つの謎も最後にはニッコリと笑顔になれるハートフルな作品ばかりでした。
凄くいいです
僕にとってはどれもが斬新でした
興味ある方は、まず手にとって、頭をカラにして読むことをお勧めします
第3回鮎川哲也賞受賞作品。
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作中にでてくる一冊の本「ななつのこ」の作者と、駒子との手紙のやりとりで、日常に出会う謎を解く。
やさしい、ミステリ。
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表紙に惹かれて購入した「ななつのこ」という本。
駒子はその本に惚れ込み、著者に人生初のファンレターを送る事を思いつく。小さな町の事件の話題を何気なく添えて。
すると、予想外に来た著者からの返事には、事件の解決が。
連作短編で、ななつのお話からなりたっています。
一つ一つに、作中の本である「ななつのこ」のお話が添えられ、同時に駒子の周りで起こる小さな事件のお話も展開していきます。
この二つの絡ませ方がとんでもなく巧く、面白い。読者は作中の「ななつのこ」とこの本「ななつのこ」を同時に楽しめるわけです。
文章は豊な語彙、というよりも温もりのある比喩が心地よく、それによって浮き上がる人間味が素敵です。
この感覚は、やはり日常の謎の始祖である「北村薫」氏を思い出させます。
だからといって、安易にこの二人の繋がりを「似ている」と言っちゃいけません。絶対に。
北村薫さんを「先陣を切った師匠」とすると、加納朋子さんは「大成した弟子」でしょう。
物語だけではなく、描写を一つとってみてもとても面白くて、まるで飽きる事がありませんでした。
枚挙にいとまがないほど心に残る文句がありましたが、それは読んで頂き感じて貰いましょう。
546円でこれが味わえるとなると、娯楽というのはなかなか奥が深いものですよ。
一応、連作短編という形なので、気に入ったお話を。
「一枚の写真」の駒子が抱えていた悩みに共感し、友人の結婚報告に突然涙するあたりで、完全に心を掴まれました。
等身大の人間が、がんばって生きて悩む様子は、こちらまでがんばって生きて、がんばって悩んでみよう、と思わせてくれます。
ミステリとして一番面白かったのは「モヤイの鼠」です。終わり方が、くすりと笑えて、謎も見事。
「白いタンポポ」の謎も魅力的。子供の心なんて、とんでもなく難しい謎まで解いてしまうから優しい。
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北村薫さんへの、強烈なラブレターと著者が言っていたが、たしかにそういう目で見ていると、そうなのか。やさしい文章です。
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続編の魔法飛行の方を先に読んでしまったので、慌てて買いに走った「ななつのこ」こっちを先に読みたかったなぁっ、という悔しい気持ちがいっぱいあったけど、それでも読み終わったらニヤニヤがとまらなくてすごく困った。推理小説なのに少女マンガ読んだみたいな、ちょっと照れくさいけど、うらやましい!って思って。駒子ちゃんになりたいよーと心の底から願い、また魔法飛行を読み返してしまった。このシリーズは私の推理小説に対する「まず死体ありき」みたいな概念を気持ちよく覆してくれて、さらに日常の中にもしかしたらミステリーが潜んでいるのでは?という期待の種をまいてくれたのでした。読んでしばらくは世界が薔薇色に見えるって、この状態のことかぁ、ほんとに薔薇色に見える…という日々を過ごしました。感動の二冊。
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――表紙に惹かれて手にした『ななつのこ』にぞっこん惚れ込んだ駒子は、ファンレターを書こうと思い立つ。わが町のトピック《スイカジュース事件》をそこはかとなく綴ったところ、意外にも作家本人から返事が。しかも例の事件に客観的な光を当て、ものの見事に実像を浮かび上がらせる内容だった。こうして始まった手紙の往復が、駒子の賑わしい毎日に新たな彩りを添えていく。――(背表紙あらすじより)。
本の表紙に惹かれて、というのは、私もこの本を手にしたきっかけがまさにそれでした。田舎の夕暮れどきに虫取り網をもった少年とその横に並んだ少女の姿。優しい色合いと中の挿絵もかわいくて、思わず手にとってみました。ストーリーも長閑でほのぼのしているんだけども、日常の不思議の中に少しの切なさと驚きと淋しさなどが混じっていて、駒子の心の内がこちらにまで染み渡ってくる気がしました。「何気ない日常にも謎が落ちている――」。そんなふうに自分は日々を見つめているだろうかと、少し空しさを覚えたりもして……。
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最初、北村薫氏の二番煎じかと思ったが、北村氏よりキャラクターの造詣が柔らかく好感が持てる。少々少女漫画系の展開も、甘味が適度。丁度友人の結婚に寂しさを感じていた時期だったので、共感する章も多かった。
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加納作品、初挑戦。なんだか優しい気分にさせてくれる作品だった。日常に潜む謎を解いていくのだが、文章が巧みだし、表題の「ななつのこ」をうまく使っている。第3回鮎川哲也賞受賞作品だが頷ける。でいてデビュー作とは凄いと思うなぁ〜。
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これは、だいぶ前から読み始めて、もったいないので、ちびちび読んでました。ほっとしますね。表現が柔らかくて、暖かくて、丸くて。また、ファンレター形式っていうのが面白いですよね。
“いったい、いつから疑問に思うことをやめてしまったのでしょうか? いつから、与えられたものに納得し、状況に納得し、色々なことすべてに納得してしまうようになってしまったのでしょうか?
いつだって、どこでだって、謎はすぐ近くにあったのです。”
冒頭のこの文章には、ドキンとさせられてしまいました。小さい頃は、どんな些細なことにも好奇心を持っていたはずなのに…。ほんといつからこんな風に…と思ってしまいました。そんな私も読みすすめていくうちに、童心に帰っていました。すぐ目の前にも謎は落ちてるんですよね〜。
ところで、私のお気に入りは「白いタンポポ」です。真雪ちゃんが好きなんです。駒子みたいに仲良くなれる自信はないですが。自分が見たことあるもの、聞いたことあるものを、否定されるのはほんとに辛いものです。特に子供の時には。自分が見たこと、聞いたことないからといって受け入れられないような小さな人間にはなりたくないなと、そんな風に思いました。
2003/01/24
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北村薫に触発されて書いたとか、『円紫さんと私』シリーズに対するファンレターとも言われる本です。やはり暖かく、日常の謎を解いていく物語で、こちらも秀作。うーん、素晴らしい!
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表紙に引かれて初加納さん作品。主人公の駒子ちゃんは「ななつのこ」という短編集を(そうこの本と同じ!)読み、作者にファンレターを送ります。日常に起こった小さな謎、事件を書き綴って。そうして作者から届いた手紙には回答が書かれていた…。という短編集。しかけやトリックに思わずにんまり。駒ちゃんをとりまく人々にもにやり。読んでよかったなーと今でもしみじみ思います。ちなみに駒ちゃんも表紙に惹かれて買ったそうな。
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主人公の入江駒子は19歳の短大生である。
ある日、本屋で『ななつのこ』というタイトルの本に出会い、一目惚れして購入した。本の内容は、田舎に暮らすはやて少年が出会った日常の謎を、<あやめさん>と呼ばれる女性が解き明かしていく、というものであった。
その本に感動した駒子は、著者の佐伯綾乃さんにファンレターを送った。自分が体験した、ちょっと不思議な出来事も添えて―――。
思いもよらず、綾乃さんから返事が返ってきた。そこには、駒子の体験した謎への、明確な回答が記されていたのである。まるで、作中に登場する<あやめさん>の如く。
七つの短編をおさめた連作ミステリー。
加納さんの本は前々から気になってはいたのですが、今回初めて読みました。
優しい話だなあと思いました。どこか北村薫さんっぽい雰囲気のある作品です。
女性であれば、多くの人が駒子に感情移入しやすいのではないかなあ。
それくらい、どこにでもいる普通の女の子。ちょっと日常の不思議に対して好奇心が旺盛ではあるけれど。
自分も短大生だった所為か、短大独自の、女の子だけの空間の持つ独特さが懐かしく感じられたし、駒子や駒子の友人達が、自分の通っていた短大にもいたんじゃないかという気がしてきた。
「バスストップで」「一万二千年後のヴェガ」「白いタンポポ」が好きです。
女の子独特の感性というのか、少女漫画的な雰囲気があって、私は好きです。
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日常生活、平凡で単調で何も不思議なことなどない日々。
そう思いがちだけれど、本当は気付かないだけで。
不思議な出来事、謎めいた住人、複雑な関係、ざわめく感情。
様々なミステリィが、実は私たちを取り巻いているのだ。
そんなことを感じさせてくれる、「優しい」ミステリィ。
殺人や、強盗みたいな恐ろしい犯罪ではなくて。
気付かなければ、それはそのままで支障のない謎。
けれど、その真実に気付くことで新しい視界が開ける謎。
優しく穏やかな世界を、楽しみながら。
ふと、自分の周囲を見回したくなる物語です。