紙の本
チェンライ・エクスプレス
2015/09/17 11:03
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
チェンライ王国の中心部は、様々な文化が入り混じる街だ。そしてそれは、住民たちにも言えること。この物語は、数多くの普通の人間たちに混じって生きる、極めて数少ない人外たちにスポットを当てた、まるで人外しか住んでいないかと思えるような群像劇となっている。
ルアンピー・ジュニアハイに通うトウアは、クラスメイト達からいじめられている。なぜなら彼の反応が普通とは違うからだ。しかしそれを本人は気にしていない。彼はそれを感じる心がないからだ。
そんなトウアに恋するマナは、魔女貴族のマジョリーナ家に奉公する、魔法が使えない魔女だ。令嬢のベアトリにいじめられながら使いに出され、魔女狩り集団「ヤーコプ団」に殺されそうになったところを、トウアと彼の知り合いのDJケイに助けられる。
そんなケイは、ジンノ・リョウイチから探し物のカマの在り処を聞き、そこに向かう。彼は死神なのにカマを失くしてしまったのだ。だがその回収は失敗し、再びジンノからジャックポットというカジノの場所を教えられる。
そのカジノでは、「チーム・カモーイ」の博打打ちジェリコ・ギャロップが、ディーラーのイアン・キッチナーと組んでひと儲けしようとしていた。だがそのカジノのオーナーのチェスタ・フィッツジェラルド・タマが、キャバクラ「マーメイド」のリ・リ・メイからその情報を教えられ、計画を阻止しようと動き出す。
一方、最近人気のモデルの未菲は、カメラマンのシウ・シャイロックにひとつのお願いをしていた。それは、ある人物を殺したいというものだった。
登場人物がたくさん出る群像劇なのは良いのだが、たくさん出し過ぎて明らかにそれぞれに物語を十分に処理し切れていないと思う。読み終わってみると、誰の物語も印象に残らなかったという気がしてしまう。本来は主役級であると思われるトウアも、ただの登場人物の一人程度にしか感じない。
そして何より、人外の存在である必要性を感じない。別に彼らを普通の人として物語を組み立てたとしても、同じ様な物を仕上げられただろう。人外である必要性、例えば、人との確執であるとか、人外でなければ成しえないこととか、人外を出すことによってより面白くなるところとか、何か理由があった方が良かったと思う。
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まんだらけ 315円
とある感想を読んで気になった。
中古で見かけたら買おう。
---感想---
一巻完結型でテンポもよく、
各キャラクターごとの設定とアイテムと生き様が
いい感じで交錯していく所と、最後にきっちり謎部分を解消する
展開のもっていきかたも上手で、楽しく読めた。
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第18回電撃大賞の最終選考作。大賞のエスケヱプ・スピヰドをはじめレベルが高いと言われた第18回電撃大賞ですが、これもめちゃめちゃ良かったです。
・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。
中身はあらすじ通り。
それぞれの人物に焦点を当てて語られるいわゆる群像劇形式なんですが、いやもうこのスピード感のある展開が素晴らしい。場面の切り替えが、非常に巧く出来ている。群像劇ゆえにキャラは結構な数がいますが、その全員をきちんと使い切ったあたりはお見事だと思う。
「死神のカマ」「神の目」などなど、作中にいくつか出てくるキーアイテムが、いい具合に物語の中心にあって、バラバラになりがちな群像劇を綺麗にまとめています。
満月の一夜という短い時間、複数の人物を同時進行で動かし、ひたすら濃く厚く練り上げていく、群像劇ならではの面白さがギュッと詰まった1冊でした。
そしてこの作品の何が凄いって、これだけバラバラな願いをもったキャラ達が、全員幸せな結末を迎えること。誰一人不幸にならず、かといってご都合主義な「めでたしめでたし」を押し付けたわけでもない。ドミノ倒しのごとく、願いが願いを叶え、感動が感動を呼ぶ、まさにハッピーエンドの連鎖反応。
読んでいて爽快、とはこういうことですね。
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群像劇もの。
ド派手に物語が展開していたので、オチも派手なのかと思いきや、静かに終わった。しかし、これもこれでいいオチの付け方だと思う。面白かった。
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10人の人・人外を中心とした群像劇。
視点がコロコロ変わるため、特定のキャラに感情移入して読むタイプの人にはとても読みづらい。
個人的には面白い面白くない以前の問題でした。
キャラをしっかり使って見事な収束をみせてるし、物語自体も過不足なくうまく書かれているので、群像劇が好きな人にはおすすめな作品かと。
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心のない人造人間
魔法の使えない魔女
カマをなくした死神
太陽の平気な吸血鬼
などなど、それぞれ何かが足りない人外たちが
その欠けたものを求めてドタバタ騒ぎを繰り広げる
そんな話
それぞれの思惑が絡み合い
交差して
通り過ぎて行く
特急列車にでも乗っているような疾走感が楽しめた
人外が前提の話だからか
実は人外だった!というのがサラリと明かされて
それなら最初から人外って書けばいいのになって思わなくもなく
カラーページとか見たらわかるけども、一応人物紹介では伏せられているし
なにやら続くようなので
続刊を待つ
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ドタバタ群像劇。チェンライという国の設定は非常によくできているが、ストーリー展開が少し甘い気がする。ただ、今後に期待の作者。
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3.5
チェンライ王国という架空の世界に暮らす様々な足りない者たちの群像劇。
心のない人造人間や魔法の使えない魔女、吸血鬼、狼男、人魚、死神、アンデッドなど多彩なキャラクターが登場しバタバタと活躍するのはまさにエクスプレス。
ただやはりキャラクター数が多い分、感情移入がしにくく話が展開しても置いてきぼりをくらいそうになる。
それでも疾走感はあるしラストもまとまってる。続刊もでるらしいしこれからに期待。
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登場人物が多すぎて、それぞれの事情が理解できないまま話が進む。つまらなくはないが、もう少しコンパクトにできなかったものか。
こういう話が好きな人は好むのだろうが、私はダメだ。よって、途中で投げた。
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言葉のギミックや遊びがふんだんに用いられた一冊でした。
それぞれがそれぞれの動きを見せ、それらが一気に収束していく快感。
荒削りなところも見受けられましたが、中々のボリュームもあり、愉しく読めた作品です。良作。お薦めです。
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とある小国で、それぞれがそれぞれの願いを胸に頑張っている。
のですが、読んでいて疲れてきました。
人数が多すぎて、しかも視点も色々と変わって行って
何が何だか把握しきれなくなりました。
のんびりとした最後も、あぁうんよかったね? という感じです。
その前の部分の方が…本人達満足ですし
幸せだ、という感じがしますけど。