投稿元:
レビューを見る
テキヤで一人前になれるのは男性だけ。
やくざもいるそうだ。暗に犯罪者などが入り込みやすい露天商の社会の性質。
日本では伝統的に露天商はやくざなどの反社会的組織と何等かの連絡があるというのが暗黙の了解になってきた。そうでありながら、そういうところで買うのは、お祭りなんだから、いいじゃんという意識。
投稿元:
レビューを見る
2014 5/27読了。
幼い頃からテキヤの人々と親しみ、博士論文でテキヤのフィールドワークをやっていたという著者による、そのテキヤの人々にも読んでもらえるものにすることを企図した新書。
タイトルのとおり、テキヤはどこからやってくるのか(地元の露店商と外部の人間の比率など・・・実際には半々か地元が多いくらいらしい。マジか、てっきり日本全国放浪でもしているのかと思ってた)や、テキヤのなわばりについて、香具師・テキヤの近世⇒近代とか、いまいち馴染みのない「テキヤ」って何だ、という話がまとめられている。
ぶっちゃけみんなヤクザ関係の人なのかと思っていたが、意外に「3割ヤクザ」くらいらしいという話とか、先の地元の人の方が多い話とか、いろいろ知らなかったことがあってこれは買っておいて良かったかも。
身近な「異人」の世界。
・・・あと本筋と全然関係ないけど、学振(DC2、PD)をとってバリバリ研究してた人で新書まで出すくらいでも、非常勤掛け持ちで現在専任なしって、人文社会系マジパないっすね。
投稿元:
レビューを見る
頻繁に目にはするけど由来や仕組みがよく分からないもの、その代名詞的な扱いの「テキヤ」にスポットを当てる本。何しろ口頭伝承を重んじ文献を殆ど残さない(残しても自らの商売の正統性を都合良く書き立てるだけの「由来書」という偽書程度)というテキヤ集団自体の特質に加え、正統的民俗学の立場からも亜流として研究対象から除外されてきたがために、現在では外部からはその内実を窺うことが極めて困難だという。
「三割ヤクザ」と自らを揶揄する言葉に象徴されるように多少の反社会的性格を帯びる一方で、「神農」という職能神信仰に基づく慈善的行動や、血縁よりも親分子分関係を重視する伝統的な相互監視システムで組織の紐帯を強化し、近現代という社会構造の変化を乗り越えてきたテキヤ集団の姿が生々しく描かれている。
自分の住む地域の(何を祭っているのか皆目分からない)「祭り」では、最近、こうしたテキヤよりも市民団体や同郷会の露店を目にすることが格段に多くなっているような気がする。地域コミュニティの機能が大幅に縮小しつつある現代で、テキヤがどのように自らの組織を保っていくのか、興味は尽きない。
投稿元:
レビューを見る
タイトルとは違う内容が多いかな?
2014.7.13
投稿元:
レビューを見る
誰もが見たことあるけど、実態は謎に包まれてると感じる人が多いだろう「テキヤ」の生態を調査した研究者の新書。
普段接しない世界のしきたりや歴史についての本なのでなかなかわかりにくい部分もあったが、目の付け所が面白いなと感じた。
投稿元:
レビューを見る
面白そうなタイトルに惹かれ、電車の中ででも軽く読もうと手に取りました。あにはからん、文化人類学に基礎を置いた、しっかりとしたフィールドワークと文献から、過去より現在に続く「テキヤさん」の実態に迫った意欲的なものです。
テキヤさんの生活実態や、「神農」への信仰。過去と現在の違いなど。自分とは違った世界の人々の、切実さや重さ軽さに、観察するだけではなく肉薄するのでもなく、慎重に寄り添って研究する姿勢が素晴らしいと感じました。だからこそ、ここまでテキヤさんに迫ることができたのだと思います。
投稿元:
レビューを見る
お祭りであんずあめとかの出店をやってる露店商(テキヤさん)はどこからくるのか?などテキヤさんの研究をした本。一定の期間フィールドワークした筆者の努力がでてる。テキヤさんの歴史やしきたりなど面白かった。いろんなことを研究している人がいるんだね。
露店こんなふうに場所とか決まってたんだ…とか、地元の露店商と外からの露店商とがあるんだ…とか、親分子分関係があるんだ…とか、北海道・関東、関西、沖縄の3地域に分かれるんだ…とか。
テキヤさんは身近な人たちなんだということは分かったけれどもどういうふうに子分になっていくというか、弟子入りするのかというのはちょっとイメージがつかなかった。もしかしたら、あえてぼかしているのかもしれない。「7割商人、3割ヤクザ」というのはテキヤさん自身の言葉だそうだけれども。
投稿元:
レビューを見る
面白くて一気に読めた
これだけの情報を手に入れるにはどれだけ時間も手間もかかるか、気が遠くなる
それを一気に読める幸せ
投稿元:
レビューを見る
お祭りには欠かせない露店だが、ヤクザぽい感じはしていた.本書でそのルーツが良く理解できた.日常的なことを記録として残しておく重要性を痛感した.
投稿元:
レビューを見る
おそらく著者の研究成果の一部。悪くはないが、物足りない。もっと重厚感が欲しい。新書にそこまで求めるのは酷か。
投稿元:
レビューを見る
悪文で引っかかるけれど、内容は興味深い。あとがきにほろりとした。元の『テキヤ稼業のフォークロア』も読みたい。
投稿元:
レビューを見る
タイトルだけで手に取ってしまいました。光文社新書、厚香苗著「テキヤはどこからやってくるのか? 露店商いの近現代を辿る」。確かにお祭りに行けば必ず並んでいる露店がどう営まれているのかは気になってはいました。いやはや、近所にいらっしゃったんですね、そこが驚き。
確かに毎度いざこざもなくすんなり並んでますし、周辺の地理にも明るいのは確か。新書なのでだいぶ端折られてはいますが、およその構造がわかりました。
新書というのは疲れている時にとても読みやすいです。これからもよろしくお願いします。
投稿元:
レビューを見る
タイトルに惹かれて思わず手に取ったものの、読んでみると失敗だった。
筆者はテキヤ集団の東京会(仮名)を巡るフィールドワークを行い、2008年に博士論文としてまとめ、その一部を『テキヤ稼業のフォークロア』として出版したそうだ。
そんな本をテキヤさんに見てもらおうとしたらしいが、気軽に読んでもらえなかったので、テキヤさんにも楽しく気軽に読んでもらえる安価な本を作りたくて出来たのが本書らしい。
しかし、とても気軽に読めたものではない。文体のせいなのか、どうも調査したものを上から目線でとらえているように感じる。またなわばりを示した図の意味もよくわからない。説明があるにはあるのだが、図との関連性、網掛けや点などの凡例の説明がまったくない。
さらには参考文献の一覧もないし、これでお金を払って買う人がいるのが驚きだ(あ、自分か)。
投稿元:
レビューを見る
表題の「テキヤはどこからやってくるのか?」については、「近所。でも遠くからも来る。」くらいしか分からなかったが、副題にある「露店商いの近現代を辿る」ことはできた。
・新聞等では「露天商」と表記、テキヤは「露店商」と自称する。
・露店商は神農信仰。露店商のルーツは香具師。
・テキヤになれるのは男性だけ。
・テキヤ集団のなわばりは、アイニワ(合庭)という慣行で重なり合っていることが普通。テキヤ集団毎に、警察への提出書類取りまとめ、ごみ処理、電気工事の手配などを分担したりする。
・7割商人、3割ヤクザ。
投稿元:
レビューを見る
テキヤ。
古くは江戸期より、香具師、テキヤ、露天商(露店商)などと呼ばれる。
イメージしやすいのは、祭りの縁日で、焼きそばやお面を売ってる彼らだ。
商人七割、ヤクザ三割と呼ばれる、極道ではなく神農道の彼ら。
そんなテキヤを文化人類学、社会人文学、民俗学的見地から考察した一冊。
非常に興味深い一冊でした。
GHQが蔓延った時代、また、戦後闇市での独自のネットワークなど、感嘆もの。
近年では暴対法やら道交法やらと、法律や倫理が力を持っているが、そういった権力が肥大し過ぎると、地域に根ざす文化が衰退するのだな、と。
そして、それぞれの地域ではそれらを黙認し受け入れる許容がある、と。それが、庶民の楽しみであり、文化の醸造だと。
明日は、墨東地区に足を運ぼうかな。