紙の本
横書きで教科書以上な入門書
2022/08/05 17:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:.ばっは - この投稿者のレビュー一覧を見る
既読類書の参考文献一覧から行動分析学についてもう少し深堀してみようかと読んでみた。
入門書としては少し難しめだが既に2冊ほど読んだからそれほど苦にはならなかった。
一つ一つの言葉を噛み砕いて説明されているし、疑問を解決されるような順に書かれているので、読みやすかった。
第1章
P.11 行動分析学 behavior analysis は、1930年代に米国の心理学者B・F・スキナーによって創始された心理学の一体系。
P.14 人間や人間以外の動物の行動には、それをさせる原因があり、行動分析学はその原因を解明し、行動に関する法則を見出そうとする学問である。
★行動とは死人にはできない活動のことである。
P.44 行動随伴性:行動の原因を分析する枠組みで、行動とその直後の状況の変化との関係をさす
行動分析学の対象:
「レスポンデント行動」行動の原因は行動の「前」に発生、
「オペラント行動」行動の原因は行動の「後」にある
第2章
P.46 強化:行動の直後の状況の変化によって、行動の回数が増えること。
P.47 好子(こうし):行動の直後に出現した場合に、行動が強化される刺激や出来事。
P.56 弱化:行動の直後の状況の変化によって、行動の回数が減ること。
P.53 嫌子(けんし):行動の直後に消失さた場合に、行動が強化される刺激や出来事。
P.52 出現:変化の方向が『ない』→『ある』
P.52 消失:変化の方向が『ある』→『ない』
P.47 好子出現の強化:行動の直後に好子が出現すると、その行動は繰り返される。
P.53 嫌子消失の強化:行動の直後に嫌子が消失すると、その行動は繰り返される。
P.57 嫌子出現の弱化:行動の直後に嫌子が出現すると、その行動は将来しなくなる。
P.61 好子消失の弱化:行動の直後に好子が消失すると、その行動は将来しなくなる。
P.64 消去と復帰
行動しても何も起こらなければ、いずれ行動しなくなる:「消去」
弱化随伴性がなくなると行動は元に戻って増えてしまう:「復帰」
P.74 「般化」…刺激や条件が違っても同じ行動をする⇔「弁別」
第3章
P.80 なぜやらないのかという問題には、必ず知識や情報の不足が絡んでいるわけではない。
P.83 指示を出せば相手はその通りにすると考えるのは、ある意味では幻想である。
p.107 好子を使う場合は、毎回の行動に好子が出現しなくても行動は維持されやすい。
嫌子によって行動を制御するには、嫌子を頻繁に与え続けなければならない。嫌子出現の弱化はコストがかかる。好子消失の方がベター。
★有能なリーダーはフィードバックを細かく入れる。具体的な指示を出す。
【シェイピング】即時強化:目標達成後すぐ褒める。目標は徐々に引き上げる。挫折した時は直前の目標を再度練習する。
【チェイニング】行動手順を鎖のように繋げる。最初は教え、後に実践させる。徐々に実践を増やす。
第4章
スキナーの哲学:フランシスコ・ベーコン、エルンスト・マッハ、ジョン・B・ワトソンの影響。実験を通して行動の原因を分析。
消去抵抗:消去しているのにもかかわらず、行動をなおも続けること。(ex. エサは出てこないのにキーつつきをやめない)
バースト:消去直後に行動が一時的にエスカレートすること(ex. 自販機のジュースが出ない→もう一度押す、強く押す、叩く、蹴飛ばす)
部分強化:行動が100%強化される連続強化と、まったく強化されない消去の中間部分。
第5章
話者の言語行動を強化するのは他者(聞き手)だが両者は共通の言語共同体に属していなければならない。
紙の本
行動分析学の入門書
2014/06/07 23:48
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふとっちょパパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
分かりやすい本である。
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行動分析学という心理学分野を概観できてよかった。行動分析学は行動の原因を追求することが目的であり,その行動随伴性の系統付けを考えていくものであることが理解できた。本書によって実践的な心理学分野って面白いと思えたことは収穫だった。
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すっきり簡潔に書かれている行動分析学の入門書。オペラント条件付けについて学びたい人にはかなりおすすめ。
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心の分析がしたいと心理学に進んだものの、「行動」の分析も面白そう。
ばかな自分でも、少しは行動分析について触れることができました。オススメ。わかりやすい。雑学にも使えるし。
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図書館情報学でも「情報行動論」という研究があるけど、心理学の行動分析論とはアプローチが全く違うことに気がつきました。
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行動分析学の第一人者である杉山尚子氏による行動分析学の入門書。
人が行動をする際に、どのような心理的養親をもって行動しているかなど、行動自体の分析と、行動を行う心理的要因を詳しく解説している。
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人を心からではなく、行動とそれに随伴する環境から見ていこうというスタンスの本。
なぜ自分が悪い癖から抜け出せないのかを第3者的視点から理解し、改善していくヒントが満載だった。
行動療法にかなり近いものがあり、その入門としてはかなり良いと感じた。
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人の行動は心により決定されるのではなく、トリガーとなる条件があり、そしてそれは制御できると。簡潔にまとめられた良い言葉があったので引用。"心は行動の原因となる独立変数なのではなく、それ自体、従属変数そのものである。"最近の頭のもやもやを少なからずすっきりさせてくれた。ちょっと時間をおいてまた読もうと思う。
著者の杉山教授が時々入れるユーモアある文章も結構楽しめるというおまけ付き。
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2007.08 行動分析学という学問の入り口に立てた感じです。奥が深そうです。心理学関係も洞察していきたい。
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行動随伴性(行動と同時に起こる状況の変化)によって人間の行動を見る。
”ラベリング的人間観”からの脱却が本書を読むことでできる。
強化随伴性がなければ、行動は消えてなくなるし、なかなかしない行動を少しでも増やすためには、人為的に強化随伴性を増やせばよいのである。
オッカムの剃刀ならぬ、その理論は極めてシンプルである!
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これを読むと、人とコンピューターって結構同じじゃんって思うこともあり。行動に実は法則があるってことが分かる。
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行動分析学は,米国の心理学者B・F・スキナーによって創始された心理学です。
ぼくは学生時代にそれに出合い,これまでいろいろその理論をもとに動いてきました。
塾の生徒にたいするときも,いつもこの理論が頭にありました。
そういう意味でもこのような入門書が出たことをとても歓迎しています。
この生徒はなぜこのような行動をするのか。そして,それを変えるにはどうすればいいのか,そのことがこの本の中からある程度は読みとることができます。
でも,やはり入門書なので,それで十分ではありませんが,とりあえずこれで入門し,さらなる知識をつけていくことが大切だと思います。
さて,入門書として成功しているかどうかですが,「あとがき」に
どうしても教科書的になるのを避けえなかったことは,痛恨の痛みである。
とあるが,その通りだと思います。
ぼくはこれまでいくつも行動分析学の本を読んでいるので,この本はやさしく書かれているとは思うのですが,初めて学ぶ人にとっては少し難しいかもしれないと思います。
でも,それをかくごしてじっくりと読んで,行動分析学について多くの人が知ってもらいたいです。
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2008年100冊計画!!
その24
「行動」って単語に惹かれて読んだ1冊。
「どうしてあの行動をとったのか」ってことを心理学ではなくて、それまでの行動からアプローチして解説していく本。
といえども、心理学の要素が入っていることには否定できないような気がする。それほど難しい表現ではないので、読みやすいには読みやすいが。。。
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▼ 100文字感想 ▼
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人の行動を知る事はマーケティングやマネジメントに欠か
せない。ステーキは無理矢理そのまま食べさせるのでは
なく、小分けにしてあげることが大事。行動をプロセスで
分析するための教科書。子供に行動させる方法は納得。
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▼ 5つの共感ポイント ▼
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■いたずらを叱ると、エスカレートするが、行動しても
何も起こらなければ、いずれ行動はしなくなる
■やり方がわかり、なぜやらなければならないかが
わかれば実行するとは限らない。わかっていても
やらないのが人間である
■自覚できないような微々たる状況の変化や、発症
の確率もわからず、何年かあとに訪れる状況の変化
は、行動に影響を与えられないのである
■課題を与えられても結果を出せない人の多くは、
解決までのプロセスでするべき仕事の中身と量を
把握できず、段取りができない
■人々の会話の60〜70%は社交的な話題、すなわち
ゴシップである