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サッカーの話。はじめのうちは、はらだみずき風のストーリーといった趣でしたがやはりこれは紛れもなく白河さんの作品でした。この人が書く中学生の作品は外れがないです。ミーねぇについては展開は見えてしまったけれども、それを補って余りある登場人物の描写に一気に読めました。あ、あと白河さんは心理描写も含めてサッカーについてすごく詳しいのね、と感心しました。子どもが中学生になったらぜひ読ませたいです。今はまだちょっと早い・・・。
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ある中学校のサッカー部を舞台にした小説。
最後の試合になる(かも)試合の前に起こったある出来事を通して、登場人物それぞれの心の葛藤を描いている。
構成は各章ごとに一人の登場人物にフィーチャーしていき、徐々に物語の核心に近い登場人物にスポットが移っていく。
徐々に最初に撒かれた点が線になって繋がっていく。
最後のエピローグ的なシーンで全ては報われる。
ストーリーの進め方もなかなか面白い一冊。
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中学サッカー首都圏大会.県予選準々決勝,同点で迎えたPK戦.各チーム二人が蹴り終わり,0-2の絶体絶命のピンチ.中学生たちの揺れ動く心情とともに運命の試合が,いま決着する.今年,初読みで一押しの白河さんの作品なので,大いに期待して読みました.期待通り,主人公たちの繊細な描写と,温かい雰囲気がとても素晴らしい.ただ,最後のあの展開は無理があるような気がします.うーん,もったいないかな.
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どれだけの間、読まずに置いておいたか?
単純なサッカー小説ではないと知ってはいたけど。登場するキャラクターの役割、伏線の付け方、試合の流れに計算通り織り込んでいくスキルの高さ。途中で物語の展開は読めるけど、
中学生の視点となれば、それもありかと。
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各章ごとに登場人物の心描写を描き、進めていくストーリーは大変面白く一気読みできた。ただ、みーねえの件が、展開的に読めてしまったけど、そうはなって欲しくなかったなあ。この作者に爽やかさを求めてはいけなかったかな。
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ごめん。これはわたしがサッカーにどうしても興味を持てないという個人的事情が大きい。せめて野球だったら…(無理言うな)
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『男と女の間にも友情はある。世界中の人間が手と手を取り合う今の時代に、男女が性別の垣根を越えて仲良くなるのは、当たり前のことだ。』
「宇田川、俺はおまえに賭けているわけじゃない。他のキッカーもそうだ。失敗してもいい。PKを任されるのはみんなから失敗することを許された限られた選手なんだ。信頼の証だ。チームから選ばれたおまえたちが失敗したのなら、他の誰が蹴っても失敗する。誰も責めたりはしない。」
「嘘をつく時のコツは、真実を半分盛り込んで話す。そうすれば真実味が増すし、罪悪感も表に出にくい」
『プレッシャーが重く圧し掛かっている。目の前にあるボールが鉛のような重さに思える。だけど、悪い気はしない。むしろ心地いい。この重さはみんなの信頼の証だから。』
「運が悪かった、とは思うな。運のせいにしたら本当の負け犬だ。人のせいにもするな。自分の力が足りなかった。相手の気持ちが上回っていた。そう思えば、前を向ける。これからも戦っていける。」
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中学生が主人公のサッカー小説。
といっても、技術的なことはそれほど細かくないので、サッカーをよく知らない人でも楽しめるだろう。
全国大会に出場するための予選。
前半2対0の劣勢から追いついて、勝負はPK戦へ。
そのPK戦に挑む、それぞれの選手のサッカーとの関わり、学校生活や友達、家族などへの思いを語りながら話は進む。
中学生の語りのせいか、テンポが小気味よく、すらすらと読める。
彼らの様々な心情にも共感できる部分がたくさんあり、なかなか興味深い。
ただ、最後がなあ------。
薄々は気付いていたものの、さすがにちょっと強引過ぎる。
過去の話だけに、深い掘り下げもないので、かなり無理矢理感がある。
それでも、ちょっとウルウルはしちゃったけどね(笑)
純粋だった中学生の頃に戻りたいな。
まあ、楽しく読めるスポーツ小説といったところでしょう。
ちょうどWCの真最中の時期だけに、決勝トーナメントでPK合戦があったら楽しく見られそう。
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白河三兎の青春小説。ミステリかは微妙。
中学サッカー部のPK戦を、各選手たちの物語と共に描き上げたもの。
個人的には好きであるが、もう一つ特徴があればなおよい。
あと、少し保守的な要素を感じた。もっと奇抜なセリフや展開があってもよいかもしれない。
4-
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どうしても勝ちたい試合はPK戦にまで縺れ込み、敗色濃厚。
最後のキックに臨むプレイヤー達それぞれの背景を丁寧に描きながら
みんなの想いは勝利に収斂されていく。
勝ちたい理由はそれぞれにある。
でもチームだから、その全てを背負って、全ての迷いを一蹴する。
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久しぶりに白河三兎作品を読んだ。全体の3分の1を読んだ時点で、物語の核心部を正確に理解できてしまったので、ミステリとしてはイマイチなのかもしれない(半分は読者の私が悪いのだが)。ミステリとは関係ない部分だが、後日談(12年後)のエピソードは余韻を残すいい終わり方だったと思う。
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勝負はPK戦にもつれ込んだが、選手たちの試合への思いはそれぞれだった。フットボール青春物語。
ただアノ設定は面白くない。決めつけるのは無理がありすぎる上に一気に昼メロになってしまった。
それ以外は時間軸を遡らせたり色々な人物の視点になったりPK心理などは楽しい。更に言えば中間に敵チームのエースの視点を入れても楽しかったと思う。
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PK戦0-2で負けてるチームのキーパーから始まる物語…ってスゲーとこ置いてきたな。
と思ったが、純粋なサッカー小説からは次第に離れていき、白河作品らしくなっていく展開。白河作品なんだから、これでいいのだろうが、もっともっと純粋にサッカーPK戦の緊迫感を純粋培養というかトリミングした小説を読んでみたいなぁと思った。
大人の事情だの複雑な人間関係だの少し歪んだ恋愛感情だの…そういう小説はそれで非常にオモロいし、スポーツ小説にそういうのを盛り込むのも大いにあり(巨人の星でも明日のジョーでもドカベンですらあり)なのだが、この小説では配合率がちょっと濃かった。
あくまで、好みの問題だとは思うんだが。
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PK戦の3、4、5人のシーンを一冊で
語っています
(それまでの試合展開もあり)
もちろん試合のことですが、それ以外のことが
ほとんどで長いPKでした
でも各選手(主要選手)の思いがいろいろ
語られいろいろなことが判明します
終盤には意外な事実があきらかになり
ちょっとびっくりでした
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白川三兎の他作品と比べるとあっさりしていて、いくらか違う読み味。
読みやすいと言い換えることもできるが、著者のよく練られた伏線や構成力が見られなかった。
定番のどんでん返しのオチも読めてしまった。
前半は青春小説のようだが、途中からミステリに変わるというのはおもしろい。
しかし、そのせいで登場人物たちの存在感がふわふわしている。
というのも、一見、中学サッカー部を舞台にした群像劇のようだが、結局は望の物語に収束していってしまうのだ。
極端なことを言えば潮崎・広瀬・真壁は終盤のミステリ部分については不要だ。
そのせいか、エピローグで彼らのその後も描かれなかった。
読み味が途中で変わるのは面白いが、そのせいでどっちつかずになってしまった。