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紙の本
遠い理論を我が身に引きつけるための知の方法
2012/09/20 04:08
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nerimo - この投稿者のレビュー一覧を見る
本家『君主論』は目次を見ただけでもわかるとおり、非常にあっさりとした構成をしている。国家にはどのような種類があり、それらはどのように征服・維持されるのか。武力はどのように分類され、それぞれはどのように特徴づけられるのか。そして、それらをどのように取り扱うべきなのか。君主と民衆はどのような関係にあり、君主はどのように振るまうべきなのか。悪評に惹かれて開いみれば、マキャベリのあまりに理知的であまりに図式的な筆の運びに愕然とする。こんな真っ当なリクツが実用(国家運営)に耐えうるのか? 仮に耐えたとして、ではわたしたち市民のしょぼくれた日常においてその理論を活用する術はあるのか?
架神恭介・辰巳一世『よいこの君主論』は、この絶妙に抽象的な書物を前に呆けている読者に優しく手を差し伸べてくれる。――「力量ある子供たちは『仲良しグループ』と呼ばれる共同体を作り上げ、その頭目、つまり小君主となります。逆に力量に欠ける子供たちは『友達』という名で『仲良しグループ』の構成員として組みこまれるのです」――一見すれば自分と関係の薄そうな理論や寓話をいかにして我が身に引きつけて理解し現実に応用するか。この本はその方法をもユーモアを込めて示してくれているように思う。
紙の本
覇道
2012/07/21 12:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
群雄割拠の5年3組。
クラス統一を目指し、小学生のひろしくんが懐にマキャベリの「君主論」をしのばせ、覇道を突き進む。
ひろしくんの前に立ちはだかるのは「女帝」りょうこちゃん、計算高い学級代表のまなぶくん、「極悪非道」まあやちゃん等、一癖も二癖もある「小君主」たち。
彼ら、彼女らを相手にひろしくんは、如何にしてクラス統一を成し遂げるのか。
5年3組で起こったクラスの覇権争いを題材にして、たろうくん、はなこちゃん(同じくそれぞれクラス統一を目指す小学生)にふくろう先生が「君主論」を解説していく。
「君主論」の解説、という点からして察しがつくと思うが、5年3組の生徒達は皆、大人顔負けの政略、策略、姦計を駆使して、自陣営の勢力拡大にいそしむ。
たろうくん、はなこちゃん、ふくろう先生にしても、普通に
「クラスで覇道を唱えるため、夏休みもがんばるぞ!」
「愚民どもの悪評など気にもとめず頑張ります」
「信義なんて守る必要がないんだ」
など、高飛車な(そして笑える)セリフが飛び出してくる。
こういうセリフをまじめに受け取り、怒る人はいないと思うが、このような形で”●●●を仕事に応用する”という類のビジネス書を揶揄しているようにも思える。
(●●●は「君主論」だったり、「孫子」だったり、歴史上の人物だったりする)
「君主論」に限って言えば、基本的に「他人を信用するな」と唱えている、と解釈しているので、仕事に役立つのかは疑問と思っている。
が、「理屈と膏薬は、どこにでも付く」という言葉もあるので、このようなビジネス書は絶える事はないのだろう。
本書の場合、「単に悪ノリしているだけ」かもしれないが・・・。
紙の本
面白い
2016/01/08 18:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:メロリーナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
マキャベリとか深く考えない方がきっと楽しめる。
話は小学校のあるクラスでの覇権争いを国盗りゲームのような様相で進められます。まず、クラスにいくつかの派閥がありそれぞれのリーダー格的な子が主に策略を弄しグループを統合したり、されたりしていきます。クラスの子それぞれにカリスマ性、勉強、運動などのステータスがあってまさにゲームです。面白くもばかばかしいのですが、実際政治だって同じようなものなので、縮図にするとこんなものかも。
紙の本
非常にわかりやすい内容だった。
2015/03/21 19:45
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ボルシチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
マキャベリの君主論を小学校内のクラスという例えを用いることでわかりやすく解説されています。また、設定が小学校というこもあり、幼かった日々の時代を思い出しながらよむことがでたこと良かった。しかし、値段の割にページ数が少なく、登場人物が多いため最初は誰がどんな行動をしているのかが分かりづらいという面はありまた。