投稿元:
レビューを見る
テストも終わったことだし読書再開。
高橋さんの授業「ヒューマンキャピタル論」で学んだことの確認として読んでみた。「今人材マネジメントについて学んで何になるの?」と思うかもしれないけど(つまり、自己啓発の観点から見れば、本書を読む優先順位は明らかに低いということ)、HRMの世界を知ることが出来たという意味でよかったと思う。人材マネジメントについて体系的に学んでみたい人にはオススメ。
投稿元:
レビューを見る
1.「戦略的」人材マネジメントとは?
「わが社らしさ」を作り出し、確立し、他社よりも優位性を確保すること
2.事業ビジョンと人材マネジメントは表裏一体
まず事業ビジョン(?対象顧客の明確化、?提供する価値、?儲ける方法)を明確にし、それを実現する人材を確保、育成する
3.顧客の明確化 ⇒ 顧客重視とは何か?
顧客に媚びることではない。顧客の要望を超えた提案(ソリューション的アプローチ)をし、顧客に対しリーダーシップを発揮すること
4.価値提供のビジョン
例:B to C
?機能的価値(数値化しやすい)
?心理的価値(数値化しづらい、人による影響が大きい)
例:B to B
?製品価値(数値化しやすい)
?ソリューション的価値(数値化しづらい)
?と?を満たすことで、顧客は実感する
5.心理的価値、ソリューション的価値は、人による影響が大きい
⇒ 顧客接点重視のマネジメントが必要
?平均的3点レベルでは顧客は満足しない
?平均点3点レベルではリピートがとれない
リピートを5%増やせれば、利益性が1.3〜1.5倍につながる
?かといって、平均点3点レベルは、致命的な欠点も無いので、向上させるのに苦労する = どこをどう直せばいいか不明確 ⇒ 社員が疲弊する
?選択と集中が大切
?いくつかの項目は平均点(3点でも)、何かキーポイントは5点満点にする必要がある
?5点満点を維持するには、常にサービスを進化させる必要がある
?キーワードは、「経験・エクスペリエンス」と「エピソード」
?100−1=99ではない、100−1=0になる可能性が大きい
一人のミスが全てをぶち壊す可能性がある
?イレギュラーの時の対応がキーポイント
平均点の3点を死守する、または4、5点に持ち上げるチャンス
マニュアルだけでは対応できない
6.人材マネジメントの分野
?組織マネジメント ⇒ ピラミッドか自立型か
?人材フローマネジメント ⇒ 採用から定年・退職まで
?報酬マネジメント
7.組織マネジメント
市場の変化が激しい = 市場拡大 ⇒ 成熟市場 = ビジネスモデルが変化
作戦変更が多発 ⇒ 末端がついてゆけなくなる ⇒ 疲弊
∴ 画一的組織(ピラミッド型) ⇒ 自立型組織へ
成熟市場(産業)では、シェアの奪い合いだが、実際他社のシェアを切り崩すのは難しい
かといって、数値目標達成ばかりを求め、過程を軽視すると、顧客の不信を買い、ビジネスモデル自体が破綻する
8.組織の中でのマネジメントスタイル
?都度命令マネジメント
「これコピーとって」など、都度都度行うもの
部下が指示待ちになる傾向あり
PDCAのPlanを全て上司がしてしまい、部下はDoだけだと、部下が育たない
?マニュアルマネジメント
平均点を取るには適しているが、それだけでは、突出した点数が取れない
別に自立した人間を育てる方法を考えなければならない
?数値目標マネジメント
短期成果主義に走りがち、数値化できるものしか設定できない
?目標管理マネジメント
定量だけでなく、定性の目標を管理し、KPIなどで途中経過も重視する
SMARTに定義できれば管理できるが、馴染まないものもある
S(Specific):具体的で
M(Measurable):達成度が測定できて
A(Achiecable):実現可能で
R(Relevant):全体目標と関連性があり
T(Time−Bounding):期日を設定したもの
感想:
PDCAモデルのPは、Why(なぜ)、What(何を)、How(どうやって)という風に分解できる。
Pの部分を上司が全てやってしまっては部下が育たない。
上司は、Pの指示と方向付け、CとAの鼓舞、Fの指示・確認を本分とすべし(か?)
P(Why ⇒ What ⇒How ⇒ Do ⇒ Check
⇒ Action ⇒ Format
部下は、Pの実際の企画・立案、DとCの報告、A・Fの実行が本分か
リーダーシップは誰にでも必要
投稿元:
レビューを見る
仕事の関係で読んだ本。人材マネジメント関係の本はあまり読んだことがないが、実際に自分が使うとしたらこれははずせないと思った一冊。テーマとしてはもれがなく、歴史的経緯と各制度の意味について書いてある。また制度のようなハードなものだけではなく、人間の動機といったソフトなものについても書かれている。何より経営の視点を常に入れつつ内容が展開されている点がよい、制度論に終始してつまらなくなるイメージが強い人材マネジメントの内容を分かりやすく飽きないように書いている内容のバランスがよい名著。。[2009/3/13]
投稿元:
レビューを見る
覚えてる度:★★☆☆☆
大学で講義を取ったことがある高橋俊介氏の著書。
確か東大出た後、マッキンゼー行ってその後独立してコンサル会社を起業みたいな感じ。
話が面白くて人気がある教授です。確か非常勤ですが。
で、正直この本は読んだことがない。
ですが、授業で使ったスライドの内容がほぼ同じようなので。
青梅慶友病院やスターバックスなどの実例を挙げながら、
日本の組織や報酬の歴史の変遷、組織の在り方や人材育成などについて述べた本。
いかにして組織に合った人材を育成、マネジメントするかが書いてあります。
投稿元:
レビューを見る
人材を活用するという雇用者の視点からだけでなく、自分がどのような人材になれば企業から欲しいと思ってもらえるのか、という非雇用者の視点で読んでも面白いと思う。
投稿元:
レビューを見る
推薦本
これまで人材関連の本をほとんど読んでこなかったので始めての内容が多く新鮮だった。
経営関連の知の体系として人材論というものを個別のものとしてとらえていたが、組織が目指すべき方向性や形態などが変化することに伴い、組織に必要な人の能力や特性も変化するのでセットで考えるべきものであることを認識しなくてはならない。
また近年、企業が必要とする人材像が分からなくなっていきているとR社の方が話していた。どの企業の説明会に行っても論理的思考力、コミュニケーション力、チャレンジ精神の3つばかりがでてくるのもその現れなのかもしれない。
モノやサービスが作れば売れる時代ではなくなったのでトップダウンではなく各々が考え行動し、検証する自律的な組織、人となることが必要である。
組織の3大資本であるヒトは自分が思っていた以上に大切だ。人がダメになった組織はモノやカネ以上にダメージは大きいだろう。
以下メモ
事業ビジョンを明確にせずして必要な人材像は見えない。
近年の傾向としてトップダウンの命令系統(ピラミッド組織)に忠実に動く人材ではなく、顧客接点を重視した人が求められる。(すなわち自律的に判断、行動のできる人)
人材マネジメントの3分野
組織マネジメント(分子)、人材フローマネジメント(分子)、報酬マネジメント(分母)
弱い絆が思いいがけない成果を生み出す?
人材の分解
スキル、思考力、思考・行動特性、動機
前者2つは後天的に身につけることはできる。(ただし最低限の力がなければ仕事にならない。最低限のラインを超えると仕事の出来との相関性はない。)
後者2つは変化するのは難しい。ここは見誤りたくない。
スペシャリスト 特定分野の専門性(スキル)を持った人
ジェネラリスト スキルが特定の分野に特化したものではなく汎用性の高いマネジメントスキルを持った人
プロフェッショナル 問題を特定し、分解し、実行、検証を自ら回せる人間。特定分野の専門性が前提となる。複数分野持っていると強い
雇用形態とキャリア形成
Hire and Fire 非正規雇用
Up or Out 外資系、官僚
終身雇用(≒長期雇用) これまでの日本
採用
ポテンシャル同化採用 (いわゆる採用、可能性、伸びしろを見据えた上での採用)
思考力採用 (ケース面接など)
open position driven採用 (ポストが開いたら採用、アカポス)
コンピタンシー採用 (成功者の強みの特性と似た人を採る)
雇用形態、採用方法はどれがよいというのではなく組織のビジョンや業務形態によって変わってくる。今はその形態が大きく変わり始める過渡期なのだろう。
キャリア自律支援は言い換えるとリストラの免罪符である。
日本の終身雇用を単に古い雇用形態ということはできない。良い面もたくさんある。(再雇用にかかるコスト、長期的視点での人材育成、環境変化による社内流動性の高さ、人生設計のしやすさ)
具体的な命令ではなく組織の目指すべき方向性を示す。
投稿元:
レビューを見る
セッションの課題図書。
働き方改革のセミナーとかでも話を聞いたことのある高橋先生の本。
事業戦略の両輪となる人材マネジメント。組織の在り方が変わってきているのに、一対一の互酬性が基本となっているOJTには限界がある。目的を達成するためにはどのような組織、人材マネジメントが必要なのか。
って、難しいよな。とにかく、思い付きではうまくいくはずがないので、人事も科学なんだなと改めて思う。
投稿元:
レビューを見る
かなり前のものですがあまり古めかしいところはない印象。ワークライフ・インテグレーションについては後書でしか触れていないので、本文中で一章を割いて論じても良かったのでは...。
投稿元:
レビューを見る
なぜなら、人の成長というのは偶然の要素による部分があまりにも多すぎるからだ。だから三年後、五年後にこうなっていたい、こういう能力を身につけたいと計画しても、なかなかその通りにはいかないし、逆に五年間で長足の進歩を遂げた新人を育てたのは誰かと会社の中で尋ねれば、おそらく三〇人くらいから手が挙がるのではないだろうか。ところが当の本人に尋ねてみれば、自分の力で育ったのだということだろう。
→育てられた方は、わからないんでしょうね・・・
教育研修はインプット管理しかできない。アウトプット管理にはなじまないのである。
→学び
マニュアルに慣れすぎた現場の人間が思考停止になってしまって、自律的にものを考えられなくなってしまうことにある。
→バランスを保つことが大事
ビジョン実現のための期待行動を担うであろう人材像を想定する際、あらかじめその人材の保有能力を、能力の定義とともに、きちんと把握しておく必要がある。
→中途採用のポイント
人間の能力にはどんなものがあって、それらは採用時に合否の対象として考慮すべきか、それとも採用後あるいは職務配置の際、ひとつの適性として扱えばいいものなのか。さらにそれは育成可能なものなのか、それとも不可能なものなのか。あるいはいつごろどのようにすれば育成可能なのか。
→中途採用のポイント
《個人の仕事の成果=期待成果イメージ×能力×コミットメント》
→成果の分解
スキルと思考・行動特性の違いは、簡単にいうとスキルが学力テストの点数だとしたら、思考・行動特性のほうは、その点数をとるのに必要な学習能力
→行動の分解
長期雇用契約は経営にとってもメリットが大きい。人件費を減らすことができるというのもそのひとつ。アメリカ西海岸で行われた調査では、中堅エンジニアがひとり退職した場合、代わりの人間を採用するのにエージェントに支払う金額や、新しい人が決まるまでの派遣社員の給料、さらに新しい人の教育研修費などを合算したリプレースメント・コストというのは、そのポストで働く人の平均一八か月分の給与と同額というデータ
→採用コスト
そこで社内公募やFA制度、自己申告といった社内流動性の活用が必要
→自社でも必要?
自ら学んで自己変革しようとしない上司が、部下が自己啓発に励むのを決して喜ばないのも問題だ。そういう上司から、俺の知らない専門用語を使うなと怒られたり、社外スクールで勉強する暇があるならもっと残業しろと嫌味をいわれたりすれば、せっかくの学ぼうとする意欲が失せてしまうのもいたしかたない。
→週報に・・・・
昇給とか出世といった「外的キャリア評価」だけがキャリアを測る唯一の評価軸では、組織は機能しなくなってしまう。そこで一人ひとりが、自分らしい幸せなキャリアとはなんなのかを考える「内的キャリア評価」に、キャリアの基本的概念を変えていく必要が出てきた。
→論点
投稿元:
レビューを見る
2006年に出版された本だが、やや会社事例が古くなったとはいえ、現在にも通じる人材マネジメントの原則を解説してくれている本だと思う。仕事でタレントマネジメントを扱う機会が出てきたので4年ぶりに再読したが、改めて勉強になった