紙の本
低体温の低空飛行
2022/04/20 05:47
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投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
器用に現実社会を泳いでいけない二人が
印象は強烈だけど実は「普通」な金子さんに引き会わされて
淀んだ水が少しずつ流れ始めて
最終的には地に足がついた話・・・なのかと。
でも流れは流れてないのかもと思うくらいゆっくりです。
どちらも抱えるものがあってそこから動けない感が半端ない
それでも二人でいることで、ゆっくりと変わってくる様が描かれています。
ただし、低体温の低空飛行みたいな感ですけど。
二人がそれぞれ淀んだ場所にたたずんでしまった原因は重いので
間欠泉のようにそれが吹き出している感じです。
(麦は鼻血吹き出しているけど・・・)
でもそのスローな感じは悪くなく
こんな二人だからこそここまで流れつけたのだろうなぁと思って
なんかしっくりきました。
金子ペアが強烈だけど「普通」感あって好きです。
銭湯土産に牛乳持って行ってあげるシーンとか。
でも考えると凄いことしていると。
麦や森に声かけたりできる時点で凄いです。
歩美ちゃんと幸せになれーって思わず言ってしまいます。
余談ですが、桃のシーンがとても印象的で好きだったりします。
☆3.5
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二人の心の揺らぎがすごく上手に描かれてると思う。
Hシーンが、本編ではほとんど・・というかまったくないのも、私的にはポイント高い。
あれで、簡単に寝てしまってたら、一気に細やかに積み上げてきたものが崩れてしまうと思うな。
帰りの電車で読む本がなく、適当に選んだ割には、かなり当たりだった。
初読みの作家さん。
これから、この人チェックしてみよう。
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この作品の生活背景や主人公達のきめ細かい描写は一穂ミチの真骨長だと思う。「街の灯ひとつ」辺りから特に感じていたことだが、一穂ミチは小説を書こうとしている、ということだ。BL小説ではなく小説だ。良いとか悪いとか言いたいのではない。小説として成り立つ事と、BL小説としての魅力は別物だと思うし、この作品がBL小説としてイマイチだと言ってるのでもない。
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元同級生同士。
相変わらず文章の書き方がかなり好みです。
現代の話なのに主人公たちの生活と
いい大人が『○○君』で呼び合っているのを読んで
昭和初期あたりの時代設定なのかと勘違いしてしまいそうでした(笑)
ネコちゃんカップルの存在が色々と良かった。
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おもしろかった。淡々と、というかなんというか、でも2人がそうなっていくまでの描写がいいなぁ…。
なんとなく買ってみた本だったけど当たりだった。
2011.9.9 購入
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攻めと受け、どちらかが不思議ちゃんな話はよくあるけれど、
二人ともなんかちょっとズレてるっていう設定は新鮮だった。
でも、お互いが似たような感じだから
会話だけが並んでいると、どっちがどっちのセリフだかがわからないこともあったりして・・・。
でもまぁ『おとぎ話のゆくえ』よりは、一穂さんだなーと思えたけど。
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淡々と日常の描写が続くんですが、この日常感がいい。
攻受双方とも温度感低めで、本全体が低空飛行みたいな。
ですが、受が10年も実の兄に恋してたりとか、内面が地味に沸騰レベルで熱かったりするので、端々に出てくるマグマ感情で読む方はダレません。
初期の作品と比べると、好きになってゆく過程とか心の動きが上手になっていて、凄く読みやすい。
というか、安心して読める。
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できるけどダメな男と、クールなようで熱い男。相変わらずややこしい人物を見事に書くなぁ。二人でどんどん幸せになってください。
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似たような名前…似たようなダメさ、そして切り替わる二人の視点で語られるストーリー…ちょっと苦戦。
起伏のあるストーリーではないけれど、ゆる~くゆる~く続いていく二人の生活を覗かせてもらったって感じかなw
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一穂さんのわりと初期の作品。『どしゃぶり』で知った自分としては新鮮な気持ちで読むことができました。攻と受の口調が似ているため会話シーンでどちらがどっちなのかわかりにくいところはありましたが、設定の妙、キャラクター同士のやりとりなど、今の一穂さんに共通しているものを内包しつつ静かに恋愛が進んでいくお話です。
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ルチルの一穂作品は一般文芸っぽいな、というのが読んでの印象。
長屋をリノベーションしたバーに流れ着いた何やら訳ありっぽい元同級生との二人暮らしから始まる物語。
物事に執着せず低体温で似た者同士(麦と草で名前も似ている)と、ご近所さんの金子くんカップルとのゆるゆる日常はドラマを見ているように穏やか。心の結びつきがゆっくりふんわり描かれて行く様が丁寧でおだやか。
小道具使いと感情を拾い上げて行く様が一穂作品らしい。
畳み掛けるようにキャラクターのうちに秘めた想いがぱたぱたと紡がれて行くところも。
いい話を読んだな、感。
金子くんカップルがとても良い雰囲気。彼らがいてくれてよかったねえ。
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なんだか不器用な人たちが集まった話。楽な生き方は他にもありそうなのに。と言いたくなるほど。それでも、草と麦が段々近づいていくところや、なんだかんだ文句を言いながらも2人のことを心配している金子を見るのは楽しかった。心から大切に思える相手がいるのは、辛いこともあるかもしれないけれど、幸せだと思うから。