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紙の本
心の中の伏魔殿
2012/01/29 01:17
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シャリア - この投稿者のレビュー一覧を見る
「どーもダメ、なんだよねー」
また一つ苦手意識回路の強化がなされた。
経験から蓄積されたリスク回避が苦手意識の正体なのかも知れない。
今までのことを、今はイメージの中で意識している。
その過去を変えられるといったら、驚く人は多いだろう。
既に実在しない現実は、イメージの中でしか存在しえない。
したがって「苦手意識」は克服するものではなく、塗り替えるものである。
本書では「捨てる」、「消す」と表現しているが、内容は「イメージを差し替える」スキルの習得だ。
最大の障害は感情。
心の中の伏魔殿から出される指令は「考えたくもない」「寄るな、触るな、消えうせろ」。
これは自らが実体のないことを隠すためのカモフラージュだ。
魑魅魍魎の恐ろしいイメージを与えることによって人を寄せ付けない。
近づかれては困るからだ。実は何もないことがバレてしまうから。わざと怖がらせている。
そこに光を当てるのが著者がいうNLPスキルだ。
まず、戦おうとするのではなく、認めてあげることだと。
「危険から自分を守ってくれている」んだね、ありがとう。
落ち着いたところで「自分の人生にとって一番大切なものは何だろう?」と問いかける。
「今日からは、意識的によい状態に連合する時間を増やしてください」と。
「恐怖症は、何かを危険だと感じた一回だけの体験から学んだもので、それはその人が、『瞬時に別の反応を学ぶ能力をもっている証拠』である」
また「『恐怖症は、その人を長い間守ってきたものであり、今までいくつかの危険から守ってくれた価値ある部分』である」と著者はいう。
その上で「状況をリフレーミングする」=「過去の歴史を塗り替える」技法が詳述されている。
苦手意識がいつの間にか恐怖症という言葉に入れ替わっているところが気になるが、
逆に、ならば得意意識に変えることも可能では、と勇気づけられる。
「どーも、できるような気がしてきた」
今度はイメージ変更の回路が強化され始める。
実体のない伏魔殿は、その役割を認められたことによって、シンデレラ城へと変化する。
なにせ、七変化が得意技なのだから。
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