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2008/2
桂離宮を中心として、中世の日本建築が月を意識して建てられていたという論を述べている。具体的な月の借景だけでなく、精神的に月をどう捉えていたのか、そこまで深く掘り下げている。
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この本、なんだか読み終わるのにえらい時間かかった。
何度も中断した。
桂離宮や銀閣、足利 義政時代の建築・庭園と月との関係を宮元さん独自の視点で論破。
この人面白い件とそうでないところのギャップがでかくていつも一気に読めん。。
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桂離宮と銀閣を作った義政を中心に。
西芳寺があの世を意味する「西方寺」で、もとは墓地(?)だったところに建てられたものだと初めて知った。
あの不思議な静けさは、確かに納得する。
月とはそんなにも、人を魅了するものだったのかと思った。
それを愛でる建物を建てることに心血を注ぐ情熱がすごい。
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[ 内容 ]
古来、観月と日本建築は深く結びついていた―。
なかでも、八条宮智仁親王によって創建され、「日本の美のシンボル」と称される桂離宮、斜陽の将軍・足利義政が晩年の情熱のすべてを傾けた銀閣寺、豊臣秀吉が「不死身」を祈って造った伏見城を語る上で、月の存在を無視することはできない。
日本文化に重要な痕跡を残した彼らは、どんな月を眺めていたのだろうか。
敗者のシンボルか?
滅びの美か?
月に翻弄された数奇なドラマがここにある。
[ 目次 ]
第1章 桂離宮―月を仕掛けた建築(桂の地と月 さまざまな観月への配慮 ほか)
第2章 観月と日本建築(義満・義政と世阿弥 幽玄美のルーツ・西行の月 ほか)
第3章 勝者と敗者のシンボル(桂離宮と東照宮 勝者の象徴と敗者の象徴 ほか)
第4章 伏見城―豊臣秀吉の死の不安(たび重なる身内の死と朝鮮出兵 月と狂気 ほか)
第5章 銀閣寺―足利義政の孤独、月への逃避(銀閣寺の紅葉が美しい理由 月への逃避 ほか)
[ POP ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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桂離宮が観月のためのあらゆる工夫をこらしてつくられたこと、不運な八条宮の運命、時代背景なんかがさっくりわかってよかった。
ブルーノ・タウトが酷評した東照宮が、実は桂離宮造園に縁のある人々によって作られていたこと、
東照宮は北極星を意識してたてたられたことがとても興味深かった。
4章の秀吉、5章の義政に関する記述では「〜ではないだろうか」の連発でちょっと疲れた。
義政については今までとても印象が薄かったのだけど、作庭にだけ執着する様子にいらっとした。
あちこちの寺から木々を略取し、
墓地の上に銀閣寺を建てたと記述があった。
ブルーノ・タウトは銀閣寺を低く評価していたけれど、義政が執念で建てた銀閣寺、ぜひもう一度訪れたいと思った。
次に京都へ行くときは、飢饉なんかで荒れ果てていた京都の姿も思い浮かべながら街を歩いてみようと思った。
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桂離宮と月。雅な取り合わせの副題にひかれて読んでみた。桂離宮や銀閣寺などをとりあげていて,建築という視点から日本の文化をひもとく。日本の幽玄,あわれ,わびさび,などは「未完成の美」であって,それは月をもって表現される,という解説は大変納得。断念すること,不完全であること。ここでとりあげられた建築はいずれもそうであるし,建築者もそうである,ということらしい。