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12 件中 1 件~ 12 件を表示

紙の本

日本という国に欠けたジグソーパズルのピースをはめてくれる本

2006/11/09 23:35

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る

 日本とフランスという2つの民主国家を比較対照して、今の日本に何が欠けているのかを実証的に教えてくれる本である。読み終わった後に、「ためになった」と思わせてくれるよい本だと思う。フランスといえば、だれもが知る国なので、いまさら新しく学ぶこともないだろう、と思っていたら大間違いであった。
 著者はフランスにも生活しながら、実感として知るフランスの実像を描き出してくれる。そういえば、2005年の秋に北アフリカからの移民2世,3世を中心とした若者たちが、フランスの国中で騒乱を起こしている、と日本で報道されて驚いた覚えがある。フランスまでもが、国内にそれほど大きな移民問題を抱えているとは、思いもよらなかったからだ。ただし、この日本における報道も必ずしも正確ではなかったことを著者に教えられて、もう一度驚くこととなる。
 さて、本書が論述する中心的な事項は、自由主義対平等主義のことである。日本では、自由と平等とは同じくくりに入れて扱われている。しかしながら、フランスをはじめとする欧米諸国では、自由を重んじる立場と平等を重んじる立場は、政治的には対立するものだという。
 自由を重視し、なるべく規制をなくして、小さな政府を指向するのが自由主義。個人の能力が表面化するので、ここからは勝ち組と負け組が生じるが、これも自由を重んじるが故に必然的に生じることとされる。一方の平等主義は、自由をある程度制限してでも、人と人の間の格差を小さくしようと指向するものである。
 政治的には、自由主義を右派と言い、平等主義を左派と言う。日本では、右派と左派の違いが正しく了解されておらず、平等主義を重んずるべき左派の政治勢力が衰退してしまっていると憂える。ヨーロッパでは、著者の定義づける左派勢力は健在であるどころか、むしろ優位にあるというのだ。
 確かに、自由と平等とは、どちらに力点を置くかで、異なった結果を生ずる。したがって、日本にも2つの政治勢力があっていいはずである。日本でも自民党と民主党が、2大政党制を目指しているが、この2つの政党の違いが分かりにくいきらいがあったが、本書を読んで、その理由がよく分かった。
 日本の場合、結局与党である自民党が、その内部に、自由を重んじる姿勢と平等を重んじる姿勢を共存させており、そのために民主党は、政党としての輪郭をクリアにし損ねているのである。
 つまり、日本人は、自由主義か平等主義か、あるいは右派か左派かという選択肢をもっておらず、損をしていることになる。著者は、日本も左派というものを正しく理解し、政治勢力として一定の場を確保することを提唱している。
 それにしても、フランスの自由か平等かをめぐるつばぜり合いはすさまじい。日本では迷惑がられるだけのストライキでさえも、この2つをめぐる争いとして済まされるのだという。ストがあるというのは健全な批判精神の現れだということになる。
 2005年秋の移民2世、3世の騒乱もそういう文脈で理解すれば、突飛なことではないことになる。また、国中が焼き討ちにあっているかのような報道は、日本の報道機関の脚色のせいであるという。フランスでは、あれは非暴力的な抗議活動であったとして、冷静に受け止められていたというのだ。
 著者の、いかにも「みなさんはこういうことも知らなかったでしょう」というような書きぶりには、やや抵抗を覚えるときもあるが、本書の全体的な内容の面白さの前には、ご愛嬌として、受け流して読み進められるといいと思う。

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紙の本

自分の視点としての自由と平等

2011/01/26 14:30

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Genpyon - この投稿者のレビュー一覧を見る

自由と平等を対立する政治的選択という概念で捉え、この視点から現代の政治状況を冷静に分析してみせてくれる本著。豊富な事例を掲げ、なるほど、と思わせられる点が多い。

『日本とフランス 二つの民主主義』というタイトルだが、著者は、アメリカとフランスを「自由の民主主義」と「平等の民主主義」の典型として提示する。選挙においては、自由と平等の間で政治的選択が行われるべきであるにもかかわらず、日本では、そもそも平等という選択肢がないまま、新自由主義という名のアメリカ化が進んでいく現状を問題視している。

日本では、いずれの政党もが自由と平等の両方の主張を混然と内在させており、政党Aと政党Bを選択することはあっても、自由と平等を選択することにはなっていない、と著者は主張しているようだ。

しかし、各々の政党内では、自由と平等が競っているはずで、たとえば小泉首相の郵政解散のように、選挙とまったく無関係というわけでもない。あの時、国民はアメリカの自由を選択したのだ。

とはいうものの、日本の場合、この対立軸がわかりにくい。マスコミは、意図的にわかりにくくしているのではないかと思えるほど、情緒的な報道に終始してしまう。何を選択したかわからないまま、アメリカの自由を選択させられた人も多いのではないのだろうか。

こういった状況だからこそ、本著が説く「自由と平等の選択」という視点は、自分が何を選択しているのかを理解するための一つの視点として、ますます重要なものとなってくると思う。

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2006/08/21 03:48

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2006/09/18 21:51

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