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他の作品ほどエグさはないものの、話の構成や人をひきつけてやまない文章はさすがといった印象でした。
今まで、猫鳴り、アミダサマ、九月が永遠に続けば、といった作品で人の内面のエグい部分の描写に惹きつけられていたのですが、ユリゴコロは他のものに比べ人の内面のエグい部分は控えめかなと感じました。
しかしそれでも、人をひきつける文章は変わらず、人殺しを記した内容にもかかわらず、その状況の不可思議さが人殺しという非日常を隠してしまっているような。思わず顔をしかめてしまいそうな内容にもかかわらず、本をめくる手は止まらない、とても面白い書籍でした、
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狂気に満ちた行動ばかりにも関わらず、そこで描かれているのは深い愛情であり、グロテスクな場面も多いのに読後感は爽やかという、なんとも不思議な一冊でした。
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201402/他の作品もそうだけど、まほかるさんにしか出せない湿度・気持ち悪さ・理性では受け入れがたくても納得させられる切なさ、ほんとなんなんでしょう…。恐ろしい作家さんです。
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初めての沼田まほかる作品。
いやぁ〜、参りました。
日本の警察はそんなに間抜けじゃないだろうと、ツッコミたくなるんだけど、納得してしまうところもある。
そんな不思議な感覚を覚えた作品でした。
作者の別の作品も読んでみたくなりますね~。
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前半は読み進めるのが辛くて
やめてしまおうかと思ったけど、
後半は吸い寄せられるように
読んでしまう。
最後は温かい気持ちになれる。
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読み終わった後の、本の世界に取り残された感がすごい。
どうしよう、どうやってこの感情を言葉にしたらいいんだろうとふらふら彷徨ってしまう。
しかもそれが心地よい迷子だから、簡単に抜け出せるわけがない。
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衝撃的だった。
前半の気持ち悪さ、中盤から後半にかけての謎解き、そして感動のラスト。ホントにすばらしい。
手記の謎そのものについてはだいたい察しはついてたんだけど、ラストはやられたなぁ。見事。
ただ一つ気になったこと。
なんでノートを持ち出してコピーしなかったのかな。近所にコンビニがなかったとか?(笑)
まほかるさんの他作品も読んでみたくなった。
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「彼女が~」ですっかり虜になってますが
これまた面白い!!
殺人という狂気が根底にある話なのに
読み進めれば進めるだけ ドロドロした感じはなくなり、
愛を詠っている話に変わっていく。
私自身告白本のつづきが気になってしょうがなく、
頁をめくる手がとまりませんでした。
恐ろしい話だけれど、最後はしっとり綺麗な哀しみのような幕引きです。
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重苦しいものが、すべて愛情のなせるものであることへと、ネガからポジのように反転していく。印象的なのは父親のキャラクターだ。やや女性作家特有のダンディズム美化が残っているが。
これが、こうだったのだ、という謎解きと、その伏線の表し方は、最近読んだ井上剛『悪意のクイーン』に通じるものがある。
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実家の押入れで見つけた殺人日記。。。
それを書いたのは、若かりし頃の、今は亡き母??
いや、そんなはずは。。。
戸惑いつつも、先を読まずにはいられない。。。
しかし、日記は途中で終わっていた。。。
この日記は、果たして真実か?!
前半は、背筋がゾワゾワ。。。として、
なんともいえない不快感と言うか、恐怖と言うか。。。
気味悪さを感じるのだけれど、それでも、夢中になってしまうのです。
そして、次第に、何か少しずつ、あたたかさを感じ。。。
感度のラストへ!!
なんとも、不思議な感覚のすごい本でした。
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軽く読める。設定が納得できない部分も多いが、ストーリーを追いたくなり、ページも進むという感じ。ラストは少し驚いたが、何かそれぞれの登場人物の行く末が未消化でしっくりこない終わり。
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うーん…
先が気になり勢いで読んでしまえる作品です。ページ数も少ないので1日あれば十分。
評価がわりと高かっただけに、期待しすぎた感が否めないです。後半主人公が葛藤するあたりも短絡的すぎて置いていかれるような感覚が拭いきれないモヤモヤが残ってしまいました。深いようで浅い。
あと、時々古臭いなーと、感じる事がありました。お客様にお尻触られたぐらいで水ぶっかける店員なんていないような…
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このもう、題名がいい、まほかるワールドがすでにタイトルからはじまっている。
まほかる、みすてりー、つあー、ってかんじ。
あいかわらず、くら〜い、というか いや〜な かんじの導入、猫鳴りもそうだったけど、文体というか雰囲気がもう、たまらなくネガティブでいいかんじ
しょっちゅうではないけれど、あるインターバルでどうしても欲しくなりますです。
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まずタイトルにやられます。
ユリゴコロってなんなの?
そう思ったら読まずにいられなくなります。
実家の押入れにあった謎の手記は殺人の告白…これは誰が書いたのか?真実なのか、小説なのか。主人公と一緒になってこの怪しい手記をこっそり読んでいるような感覚がたまらない。
結局ユリゴコロ の正体は、早めの段階で明かされますが、最初に感じた奇妙な雰囲気を損なうことなく読者はまほかるの世界に吸い込まれます。
この作家の文章力の強さ、高さには相変わらず驚かされ、見事に今回も参りました。
失踪した千絵が戻ってきてからの展開に多少無理矢理感はあるものの、ラストには思いがけない感動が待っていて、小説の始まりには想像もしなかった爽快感が得られました。
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最後まで一気読み。
今と過去(ノートに書かれたものですが)を行き来しつつ、現実の問題と絡みながら進行していくストーリー。
ノートを書いたのは誰なのか、出生の秘密。そして最後に訪れる事実。本当に終りのぼうで「あーあの人が」と気づく自分は遅いのだと思うけど、あまりにノートから浮き上がる人物像がいまと違うから。
殺人者という狂気を常に抱えてきた女性。そこに同情はないけど、皮肉な出会いとそれによって変わっていく自分。けれど犯した罪によって狂う人生。
正当化できるものはなにもないけど、自分の中で殺人や人が死ぬということに対して肯定的な意見を持っているため特に不快感はなく。もちろん罪のない人が死ぬため、あり得ないのだけど精神を病むとはこういうことなのかもしれない。自分でも抑制できな衝動。
結末は賛否両論かもしれないけど、こういう死にかたしかできないのだろうな。お父さんも。
残されたものがかわいそうではある。違う罪(?)を背負って生きていかなくてはならないから。
そういう意味でも複雑だけど、面白かった。