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真四角写真は難しい。真四角とは正方形のこと。
マミヤC330で撮っていた頃は、真四角写真が面白かった。面白かった理由の3分の1は6X6の中判リバーサルの美しさ、3分の1は上から覗いてレンズシャッターを「チュン」と言わせて撮る撮影スタイル、3分の1は浅い被写界深度が為せるきれいなボケ。それまで35mmしか知らなかったから、それはそれは楽しかった。
時を経てデジタルカメラでも真四角写真が撮れるようになった。で、最近は真四角を意識して使うけれど、これが昔と違ってグンと難しく感じる。
真四角は自然にはない形。いわばカメラで自然を不自然な枠組みに収めることになる。
真四角写真はとても狭く感じる。3:2や4:3の写真が長辺方向に逃げ道があるのに対して、真四角写真は上にも下にも横にも逃げ道が無くて自然と視線が中央に集中する。
真ん中にターゲットを置くだけならとても効果的だけれど、そのポイントをはずすと、一挙にバランスがおかしくなる。おかしくても四角いフレームが受け止めてくれるので、なんとかなっているように見えるけれど、なんだか不満。デザインパワーを要求されている感じがして、今とても難しい。
真四角ってスイートスポットがとっても狭いように感じます。
ということで、ましかく写真と言えば藤田さん+ましかくカメラの一方の旗頭であるポラロイドです。
やっぱり藤田さんのましかくは生きてる。パワー感のある写真、パワーをフッと抜いた写真、緩急織りまぜて楽しませていただきました。
ポラロイドも面白い。ピントがパキンと来ないところが素敵。色が適当な感じなのも素敵。1台欲しくなってきた。
で真四角の呪縛から逃れる方法が分かったかと言われると、そんなものはやっぱり分からんままなのですが、やや思うのは、撮りたいものを真ん中に置け、ということでしょうか。元に戻ってるやん、とお思いかも知れませんが、いったん螺旋を回ったので、元の立ち位置とは少し違っています。
撮りたいものがホントは空気なのではないかと感じたりして...
だから空気も含めた撮りたい塊をポンとセンターに置くとよいのではないかな。
で、真四角は凝視する視点なので3:2、4:3よりも一歩前で撮ってみる。
このあたり、今度試してみようと思います。
あ、本書はあくまでポラロイドの本であってましかくの本ではありません。念のため。