投稿元:
レビューを見る
結婚相手が見つからない貧窮した良家の子女ヒロインは家庭教師としてある屋敷に暮らし令嬢を教えている。屋敷の主人であるヒーローの亡き妻の悪評と噂。窓にうつる人影。言葉が不自由な使用人の孫娘。屋敷に出入りする隣家の兄妹。屋敷に眠る陰に取り込まれそうになったヒロインが救われた時にはホッとした。噂にも光と陰があり真実が眠る。誰も彼も怪しくみえてドキドキした。
投稿元:
レビューを見る
マーサとコリン
一人称の一人語り。
アルヴイーンやジリーとの距離を縮めていく様子なんかは面白い。
黒幕に最後の最後まで気付かないのが不思議。
あの親切さはどうみても不自然だろうと思うのだが。
投稿元:
レビューを見る
とても読み応えのある作品でした。
主人公のマーサは24歳の婚期を逸しかけた女性。そのような良家の子女が通る道として例に漏れず、家庭教師になりました。
アルヴィーンという母を亡くしたばかりの反抗的な少女の家庭教師となり、その父コナンと出逢います。
しかし、別の男性と駆け落ちして列車事故で死んだと思われていた前妻は実は殺害されていたという恐るべき真相があり―。
読み始めたときはハーレクインのようなロマンス小説なのかと思いきや、サスペンスでした。多少、ロマンス的要素も入ってはいるものの、これはやはりジャンル的にミステリー・推理ものだと思います。
一人の真面目で情に厚く正義感の強い女性が勤務先に馴染み、家庭教師という務めを懸命に果たそうする中で、屋敷の主人コナンや前妻の不審死に疑問を持ち、それを解き明かそうとする過程が丁寧に描かれ、いつしか引き込まれていきます。
前妻アリスを殺害したのは、本当に意外な人物でした。私も最後の最後で知り、驚愕してしまいました。ラストではマーサはコナンから愛を告白され、幸せな結末を迎えます。
「後日談」として、年老いたマーサが曾孫たちに「過去の物語り」として語るという形で終わるこの物語り、コナンと結婚して10人の子どもに恵まれ幸せな生涯を送ったことが記されています。
最後は何故か、泣けました。
投稿元:
レビューを見る
いくつになってもロマンチックな物語にめがないのです。教えていただいて早速読みました。
『ジェーン・エア』に似てるかなとも思いますが、なかなか読めます。
知らなかったです、このヴィクトリア・ホルトというイギリスの作家、ゴシックロマンの女王と言われていてペンネームをいくつか変えて、ものすごい数の作品を売り上げた凄腕とか。
舞台がイギリスの景勝地コーンウォールは海を見晴らす高台のメリン館です。やはりゴシックロマンの舞台はイギリスでなくってはね。
『琥珀色の瞳の家庭教師』というタイトルがちょっと不満です。「マグノリアロマン」という文庫シリーズに合わせているのでしょう。内容からすれば、昔の『メリン屋敷の怪』の方がまだあってます。でも怪と言うには現実的で不思議は感じません。「メリン館の女主人は誰」というようなストーリーですから。