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内容紹介
山中で迷った僕は、山奥の不思議な村に辿り着く。そこで出会った少女と、ある約束を交わすが……。
切なくも希望に満ちたラストが鮮烈な「てのひらたけ」他、3編を収録。
内容(「BOOK」データベースより)
妻子を捨て女と逃げた男の28年ぶりの帰宅。男の思いは、あの日の駅のホームに漂着する(「あの坂道をのぼれば」)。今はもう会えなくなってしまった大切な人たち。思いは時を超え、ささやかな奇跡を起こす。切なくも希望に満ちた4篇を収録。
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ちなみに…高田郁と間違えて買ってしまったのであるが…。
「てのひらたけ」が大好きだ。
失われ、後悔しても取り戻せないはずの日々。
取り返しのつかない日を迎えてから、それらの日々が始まってゆく。なんだかうれしくなるストーリーだった。
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いくら責任が取れないことをしでかしたとしても時間は止まらない。流れつづける。帳尻合わせは誰かが担当していて、それは時に悲哀をともなう。
4つの短篇にはみな、自身がしでかしたことによる別れがあり、それぞれに癒しもあり、帳尻合わせを担う者の今がある。今に光が当たるときが夜の終わりということか。
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山中で迷った僕は、山奥の不思議な村に辿り着く。そこで出会った少女と、ある約束を交わすが……。
切なくも希望に満ちたラストが鮮烈な「てのひらたけ」他、3編を収録。
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「てのひらたけ」 「あの坂道をのぼれば」 「タンポポの花のように」 「走馬灯」
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ホラーとファンタジーの間を漂っているような物語である。冷静に考えればあるはずのないことが、もしかしたらあったかもしれないと思わされるような不思議な力を持っている。とは言え、すべて夢でした、と言われても納得してしまうような心許ない手触りでもあるのである。怖くて懐かしくて愛おしい一冊である。
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1作目の「てのひらたけ」、2作目の「あの坂道をのぼれば」はとっても良かった。3作目の「タンポポの花のように」は面白くなくて(ここを読んでいるとき、ショックなことがあって気持ちが明後日の方向にあったためかもしれない)、4作目の「走馬灯」もあんまり面白くなかった。どのストーリーもネタとしては新鮮味はないのだが、描写がうまかったり、オチに対する期待感を煽る展開があったりと、わくわくさせる魅力が詰まっている。そして、どの作品もちょっともの悲しく哀愁がある。「解説」にも書かれているが、どの作品にも救いがある。人間味がある点が本小説の魅力のように感じた。
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初めての作家さんです。図書館の新刊のあらすじを読んで借りてみました。てのひらたけが一番好きでした。他の話も読み進めるものの・・・私の好みではなかったかなー。読みやすかった。出てくる男の人がひどい人が多いと思ってしまった。
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あのときこうすれば…………
あれがもしこうだったら………
あの事さえなければ………
そういうことの不思議な話
ほのぼのかと思えば
残酷
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20130316 高田郁と間違えて選んでしまった。結果的には新しい出会いになった。夢の中を歩いているような感覚は癖になるかも。
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時空を越えて…待つひとがいる、待たせているひとがいる。ちょっとした迷いなのか、過ちなのか、すれ違いなのか、、温かくもあり、切なさもあり、、そんな不思議なファンタジーの短編集♪。
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登場人物達の苦しみに、息苦しくなる。
なのに、読んでてとまらない。
息苦しくて、幻想的で、でも、
どこか温かいから、救われる感じ。
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またもや、やってしまった!
高田郁作品だと思って、手に取ったのである。
4話からなるが、どれも、時空の空間をさまよっているような話である。
「てのひらたけ」
「あの坂道をのぼれば」
「タンポポの花のように」
「走馬灯」
ホラーの怖さでも無く、ファンタジーの様な楽しさをも感じられないが、幻想的で、奇妙さが、残る作品である。
昔話や、民話の物語の様な感覚で、読み終えた。
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「みおつくし」の高田郁がこんなミステリーを書いてたんだ!これは買いだ!と思って読んだら作者が高田侑さんでした。怖いけど切なくてなんとも言えない不思議な感じ、、、これはこれで面白い。気軽に読める夏のホラーにぴったり。
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初めましての作家さん。
何故か恋愛小説だと思い込んでいたのですが、ちょっと不思議なお話の短編集でした。
どのお話も、なんだか出てくる男性がクズだな…と思い、ささやかな奇跡どころではなくなってしまいました。
ふたつめの「あの坂道をのぼれば」の、それまで病に苦しんでいたのに、その日はなんだか嘘みたいに体の調子が良くなってかつての家へ向かう… というのは真相がわかったときは切なくなりました。
面白かったです。この作家さんはホラーの人なのか。
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物語ではなく、とても小説らしい小説でした。
何かの向こう側の儚く切ない話の詰め合わせ。現実と夢との境を行ったり来たりしながら、「ほんとう」はどこにあるのだろう?そもそも「ほんとう」は必要なのだろうか?切なる思いがみせるもの。それが全てではないのだろうか。
何てことを思いながら、哀しみが染み込んだ小説の中を夢見心地で漂っていました。
私は「てのひらだけ」と「走馬灯」が好きかな。悲しすぎるのは苦手だし。
高田侑さん、もう一作品読んでみたい。
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その字面からきっとよく高田郁さんと間違われるであろう侑さん。私も『顔なし子』を最初に手に取ったとき、郁さんこんなのもお書きになるんやと驚き、別人でちょっぴりガクッ(すみません)。でもわりと私好みの暗い話だったのです。
で、これも読みはじめたら、「森」の話で嫌な予感。だって怖いでしょ?森の話って。最強(恐)は三津田信三の『ついてくるもの』に収録されている「八幡藪知らず」、その次が宇佐美まことの『入らずの森』。それらを思い出して警戒しながら読みました。懸念に反してホラーというよりもファンタジー。
どの話にも滲むさまざまな諦念や後悔。本人の気持ちが綴られた話もあれば、故人の人生に思いを馳せる話もあります。でも、幸せだったかどうかは他人が決めることじゃない。こんなふうな人生の終わりだからって寂しいわけじゃない。