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たしかにカツオは独特だ。
さざえさんのイメージが強いけど。
占いをモチーフにした小説って、中々ないよね。
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主人公とその周囲の人間が占いをなんとなく頼る、その姿勢が生き方そのものにも表れていて、結局何をしたくて生きているのか、無意味に時間を過ごす感じが好きになれなかった。
自分達も切羽つまった状況ではないと認識しつつ、自分でもつかめていない夢や希望を占いにすり替えているのが不思議。
悩みがないのは幸せなことなのかもしれないね。
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焦り。
答えのないことへの焦り。問い自体がなんなのかわからない焦り。
得体の知れないものへの期待と不安。
勝手な解釈をさせてもらえば、ことごとく分業化、効率化され、生の実感、生の充実を感じられないことからくる焦燥が見えないものへの期待感を高めるのだと思う。
もっと自然に、もっと土に、もっと原始に近づいていかなければいけないのだと思う。
そういういろいろな部分で感じる独身30の不安定さ寄る辺のない孤独をみせつけられる。
個人的には怖い作品のような気もする。
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このオチのない感じが好き。今回もそんな感じ。
人と人との距離とか、癒しとか、仕事とか現在の自分のすぐそばにあることが出てくるかんじ。
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「なんにもないことが悩み、などと言ったら、きりちゃんに笑われるやろうなと、ふと思った。なに言うてんの、って。なに言うてんの。なにもないって、不幸や深刻な問題がほしいわけじゃないねん。わたしは、頭の中できりちゃんの声に向かって説明した。そういうものじゃなくて、もっと、自分が確かだと思えるような、基準みたいな、理由みたいなもの。なんでもあって、なんでもしていいから、さあ選びなさいって言われて、これでいいって思えるような、なにか。」
柴崎友香の小説を読んでいると、まるで写真集を眺めているかのような気分になってくる。その写真はどれも一見、見慣れたような街の風景写真のようにも思えるのだが、どこかに小さな違和感を生む種が埋め込まれてもいる。もともと柴崎友香が風景を巧みに切り取る作家であることを認識してもいるし、その描写のなかにいつの間にか心情が織り込まれているのに気付くのが常でもあるけれど、恐らくこれまでもいつもどこかで少しだけ違和感を感じてもいて、その疑問符の答えが知りたくて、どうしても駆け足で読んでしまいそうになる。そんなバランスのあやうさも込みで、やっぱりこの作家のことをとても気に入っている。
柴崎友香の小説は、写真集のようではあるけれど、そして一般的な意味では日常以外に何か特別なことがある訳ではないけれど、読み終わると何か深々とした余韻が残るような文章に満ちていて、すぐれて小説的であると思う。小説的と言っているのは、何も大きな物語にはらはらしたり、どこかへ引き摺られていったり、するどい刺激に翻弄されたりするようなことがなくても、作家が切り取ろうとしたものを通して、作家の内部で起こった化学反応を読むものの中に自然に発生させている、というような意味である。そしてあざとさがないところがよい。もちろん、保坂和志に強く感化された意見である。
一つの特徴として、柴崎友香の切り取る風景にはその風景に染み付いている筈の匂いが余りしない。多分それは、その風景に対して作家が何かを感じつつも、彼女自身の中にあるはずの何かをどう投影してよいのか測りかねているからなんじゃないかなあ、と漠然と思ったりする。何かを強く意識すれば、写真には撮影者のその意識が色濃く写ってしまうものなのに、柴崎友香の景色は写したものの意識が乗り移っていないように見える。逆説的にはその断定しない潔さのような立ち位置が柴崎友香の魅力の一つでもあるのだけれど、根源的には、その中庸な感じが小さな違和感の元にもなっている。人ってやはり理由を知りたがる生き物であるから。
しかしよく見てみればその風景の中には小さく写り込んだ人物が居るのだ。その女性はいつもどこか一箇所をじっと見つめているように佇んでいる。そうやって景色を見つめていることだけで幸せであると、彼女を見ているものが直ぐに気付いてしまうような姿でそこに写っている。同時に、彼女は被写体として「問われている」。何か、どう答えてよいのかさえ解らないことを、彼女を見るものから問われている。この「星のしるし」の中で、柴崎友香は珍しくその問われている立ち位置の不安定さについて、主人公に語らせている。
しかし相変わら���、柴崎友香は性急に答えを出すことをしない。風景を切り取り続ける。その文章となった景色を読み取り続けると、頭の中では風景が再構築されるのではなく、その景色を切り取った作家の意識が小さな波のように再現され始める。それは一見何も生み出さないようでいて、とても力強く一つの勇気を読むものに与えてくれる。柴崎友香は、誰も彼もが好きになる作家ではないかも知れないが、自分にとってなくてはならない作家なんだなあ、と納得する。
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柴崎友香さんの未読の本を図書館で見つけると、
ソッコーで借りることにしています。
寺田町とか石切とか、大阪の具体的な地名が出てきて、
大阪人としては、ほどよい距離間を感じます。
知人の知人の知人あたりに、実際にいそうな主人公です。
あと、表紙や中扉の装画が素敵だなあと思いました。
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相変わらずの描き方で
相変わらずの世界を想像させてくれる
作者が何を伝えたいか。
なんてことは僕にはどうでもよくって
読んだままを素直に感じて、素直に想像したい。
鮮やかなカラーが見えるのです。
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29歳の主人公の日常を描く。柴崎さんの本、ひさびさに読みましたが独特の「ゆるさ」と大阪弁の感じが肩がぬけていいなあと思います。(2009/1/5読了)
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柴崎友香が「30代」&「死」を描くようになったー.
印象に残る台詞多数.相変わらずな関西弁おっとり世界の中に,ちょっとずつ異分子が混じってる感じ.
ラストの2ページがほんと巧い.
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オフィスに配布される情報誌に紹介されていたので、読んでみた。
30歳を目前としたOLの日常の中にある悩みを中心に描かれる。
特に盛り上がりがある訳でもなく、最初から最後まで、ただ淡々と日常が綴られていく・・・
読み終わった後、自分の心に影響を与えてくれるのかと期待したけれど、何も得られず。
この作家さんの他の作品を読んでいると、また違った感想が生まれるようだけど、私はもういいや。
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“両方の下瞼に溜まっていた涙が、頬に落ち、膝にも落ちた。微かな重さと温度があった。
もしかして、神さまに祈ったり願ったりするのは、こういう感じかもしれない、と思った。どこかで、自分を見ていてくれたらいいのにって思うような、そういうの。”
こういう話も結構好き。
若干涙目。
息抜きに読むには丁度いい感じ。
さらっと軽く読める。
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弱気なときは、占いとかそういうもんに縋りたくなる気持ちを、最近知りました。柴崎さんの大阪弁は、非常にナチュラル。
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なんてことない日常が続いてゆく。
ということを描いて、素晴らしい物も沢山あるけれど。
これは、なんていうか、はてな。
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この作家さんの作品は、
「こないだ友達と同じような会話したなー」みたいな感じで登場人物を身近な友人に配役しやすいんですよね。
なんともない毎日の日常をただただ描いている、いつもの友香ワールドです。今回は、30歳目前の女性が主人公。
物語に浮き沈みが全くないから若干退屈なんだけど、ついつい読んでしまう作家さんです。
良いことだけしか信じないけど、占いに行きたいなーって思いました☆
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〈内容〉UFO、占い、家族…30歳を前にした会社員・果絵と周囲の人々をつなぐ、いくつもの見えないしるし。悩みがないわけじゃない。でも、いいあらわせない大切なものが輝きはじめる。街と人々をやさしく包みこむ、著者の新たなる傑作。